経済なんでも研究会

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“大恐慌”と どこが違うのか (下)

2020-05-14 08:33:50 | 景気
◇ コロナ対策を誤ると大恐慌並みに = 世界大恐慌は、株価の大暴落がその発火点となった。今回は言うまでもなく、コロナ・ウイルスの蔓延を防ぐための厳しい外出規制で、経済活動が抑圧されたことが原因。この異常事態に対する警戒感から、株価は下落した。したがって異常事態から脱出できる気配が現われると、株価は反発する。

当時と現在の違いでいちばん大きいのは、各国の政府・中央銀行が不況を克服するための財政・金融政策を手中にしたことだろう。大恐慌の場合は景気対策の手段が確立されておらず、株価の大暴落に際してFRBは金利を引き上げたほどである。現在は政府が財政支出を拡大、中央銀行は無制限の金融緩和に踏み切ったところが多い。

もちろん、各国の経済規模やその水準も当時とは比べ物にならないほど強固になっている。また企業の規模や体質も、強靭になった。個人の資産や生活水準も同じである。要するに不況に対する抵抗力は、格段に強まっているわけだ。それでも90年前の大不況は軍部の台頭を招き、戦争につながった。その教訓は、決して忘れるべきではない。

いま唯一の懸念は、新型コロナ・ウイルスの終息が予想以上に手間取ることである。たとえば経済活動の再開につれて、第2波・第3波の感染が広がる。また先進国の状態が正常化しても、新興国での蔓延が収まらない。こういう状況に陥ると、今回の不況も1930年代の大恐慌に近づいてしまうかもしれない。油断は禁物である。

       ≪13日の日経平均 = 下げ -99.43円≫

       ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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