◇ “ゾンビ企業”が19万社もある現実 = 経営破綻の状態でも、借り換えや補助金によって倒産しない会社。こうした企業を“ゾンビ企業”と呼んでいる。BIS(国際決済銀行)はその定義をきっちり決めているが、おおざっぱに言えば「債務の返済額が利益を上回る状態」だ。帝国データバンクの集計によると、この“ゾンビ企業”は約19万社。コロナ前に比べると、3割ほど増えた。この増加分のほとんどが、ゼロゼロ融資による延命の結果だとみられている。
この7月以降、ゼロゼロ融資の本格的な返済が始まる。その結果は倒産する企業が増えるだけでなく、“ゾンビ企業”も増やすことになるだろう。こういう状態は、金融機関の経営にも重大な影響を及ぼす。金融庁によると、金融機関が抱える灰色債権はリーマン・ショック後の70兆円に近付きつつある。灰色債権とは、返済条件の変更や元利払いの猶予が必要となった貸付金。もし融資先が倒産してしまえば、金融機関の損失になる。
さらに近い将来、日銀が実質的な利上げに踏み切る可能性がある。仮にそうなれば、灰色債権の借り換え作業はきわめて困難になり、企業の倒産を加速させる危険がある。ゼロゼロ融資の返済は、このように多方面にわたって大きな影響を及ぼす。このため政府も対策を考えているようだが、またまた補助金のようなバラマキなら事態を先延ばしするだけ。
42兆円もの税金を使ったゼロゼロ融資。金融機関は全くリスクなしで、利子収入を手にすることができた。このため形ばかりの審査で貸し出したケースが多い。いちばん肝心な「ゼロゼロ資金で、その企業をどう立て直すか」を考えなかった金融機関が少なくなかった。政府や自治体の監督も不行き届きだった、と言わざるをえない。
≪20日の日経平均 = 下げ -405.51円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
この7月以降、ゼロゼロ融資の本格的な返済が始まる。その結果は倒産する企業が増えるだけでなく、“ゾンビ企業”も増やすことになるだろう。こういう状態は、金融機関の経営にも重大な影響を及ぼす。金融庁によると、金融機関が抱える灰色債権はリーマン・ショック後の70兆円に近付きつつある。灰色債権とは、返済条件の変更や元利払いの猶予が必要となった貸付金。もし融資先が倒産してしまえば、金融機関の損失になる。
さらに近い将来、日銀が実質的な利上げに踏み切る可能性がある。仮にそうなれば、灰色債権の借り換え作業はきわめて困難になり、企業の倒産を加速させる危険がある。ゼロゼロ融資の返済は、このように多方面にわたって大きな影響を及ぼす。このため政府も対策を考えているようだが、またまた補助金のようなバラマキなら事態を先延ばしするだけ。
42兆円もの税金を使ったゼロゼロ融資。金融機関は全くリスクなしで、利子収入を手にすることができた。このため形ばかりの審査で貸し出したケースが多い。いちばん肝心な「ゼロゼロ資金で、その企業をどう立て直すか」を考えなかった金融機関が少なくなかった。政府や自治体の監督も不行き届きだった、と言わざるをえない。
≪20日の日経平均 = 下げ -405.51円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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