◇ 出遅れた日本勢は苦戦中 = 水メジャーと呼ばれるフランスのヴェオリア社などは古くから世界各国に進出、00年には中国市場にも参入した。その後の数年間で、イギリスやポルトガル、シンガポールや韓国などが一斉に追いかける。日本が本格的に海外進出したのは10年。この遅れのために、いま日本の企業は悪戦苦闘している。
後発で実績がないから、各国の入札にもなかなか参加できない。そこで実績のある海外企業との合弁事業、あるいは海外企業を買収する方法をとるしかない。たとえば合弁事業では、日立が10年にモルディブ水道会社の株式を20%取得。また三菱商事が15年にカタール財団と合弁で、海水淡水化プラントの建設を受注したなどの例がある。
一方、企業買収では東芝が14年に、インド国内の水処理会社株式を80%取得。また丸紅が10年にチリ第3位の水道事業会社を買収した。三菱商事も同年、産業革新機構などと共同でオーストラリアの現地会社を買収した。このほか水プラント・メーカーや総合商社が、この分野ではかなり積極的に動いている。
ただ水プラントの建設から上下水道の管理・運営までを行う大型プロジェクトの一括受注には、なかなか手が届かない。日本側に一括受注する体制が整っていないからである。この結果、事業規模はみなやや小ぶり。1社あたり何人分の水を供給しているかでみると、メジャーの仏ヴェオリア社やスエズ社は各1億5000万人程度。日本の企業は、まだ1000万人を超えたところがない。
(続きは来週サタデー)
≪25日の日経平均 = 上げ +98.84円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
後発で実績がないから、各国の入札にもなかなか参加できない。そこで実績のある海外企業との合弁事業、あるいは海外企業を買収する方法をとるしかない。たとえば合弁事業では、日立が10年にモルディブ水道会社の株式を20%取得。また三菱商事が15年にカタール財団と合弁で、海水淡水化プラントの建設を受注したなどの例がある。
一方、企業買収では東芝が14年に、インド国内の水処理会社株式を80%取得。また丸紅が10年にチリ第3位の水道事業会社を買収した。三菱商事も同年、産業革新機構などと共同でオーストラリアの現地会社を買収した。このほか水プラント・メーカーや総合商社が、この分野ではかなり積極的に動いている。
ただ水プラントの建設から上下水道の管理・運営までを行う大型プロジェクトの一括受注には、なかなか手が届かない。日本側に一括受注する体制が整っていないからである。この結果、事業規模はみなやや小ぶり。1社あたり何人分の水を供給しているかでみると、メジャーの仏ヴェオリア社やスエズ社は各1億5000万人程度。日本の企業は、まだ1000万人を超えたところがない。
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