経済なんでも研究会

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サタデー自習室 -- 水の 経済学 ⑱

2017-08-05 07:27:58 | 
◇ 主戦場は中国 = 中国は世界第2位の経済大国。GDP成長率もまだ7%弱と高い。にもかかわらず、水インフラは低開発国並み。湖水や河川の汚染も著しい。国民の不満は大きく、政府も水対策には懸命となっている。25年のビジネス規模は12兆円に達するという試算もある。言い方を変えれば、水ビジネスの商機がこんなに豊富な国はない。

中国の水利用は、農業用水が70%、工業用水が20%、生活用水が10%を占めている。これらの水源である湖水や河川あるいはダムの汚染で、いずれも大きな悪影響を受けているのが現状。さらに大都市は人口の急増で、生活用水の不足が問題化している。また都市部でも、下水道の普及率は20%ほどしかない。政府は20年までの10年間に4兆元を投じて、水インフラの建設を急ぐ方針だ。

もともと中国には、水ビジネス企業が200社も存在する。そこへ各国の企業がどっと参入した。上海などの沿海部は、いち早く進出したフランスのメジャーが大半を抑えている。だが、その他の大都市や内陸部は手つかずのところも多く、各国の企業は独自の作戦を立てて攻め込んでいる最中。しかし意外に苦戦を強いられるケースも多そうだ。

というのも中国の場合、地方政府とのコネがないと入札も出来ないことが少なくない。このため日本の企業も、すでに実績を持つ海外企業と提携したり、有力な現地企業との合弁事業にするなど、いろいろチエを絞っている。このように中国はいま世界水ビジネスの主戦場となっているが、ここでも日本側の高コストは一つのネックになっているようだ。

                                (続きは来週サタデー)

      ≪4日の日経平均 = 下げ -76.93円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


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