経済なんでも研究会

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NY株を反落させた 6つの“警戒” (下)

2020-06-17 07:16:04 | 株価
◇ バイデン候補の当選は大きな悪材料 = アメリカではコロナ・ウイルスの第2波に対しても、警戒度が強まっている。全国的な行動規制の解除に人種差別反対のデモが加わって、カリフォルニアやテキサスなど多くの州で感染者や入院者が増え始めた。このままだと再び規制が強化され、経済の再生が遅れるかもしれない。ワクチンや治療薬の開発が進めば株価は上がるが、さもないと市場は警戒を強めざるをえない。

コロナ発生当時の情報開示や香港問題を巡って、米中の関係は最悪の状態に陥った。選挙を控えてトランプ大統領が反中国派の支持を得るため、強硬な姿勢をみせていることも一因。大騒ぎの結果たどり着いた経済合意も、実行されそうにない。ある意味では新しい形の冷戦に突入したと言えるが、株式市場にとっては重大な警戒材料となっている。

大統領選挙まであと4か月半。現時点での世論調査では、民主党のバイデン候補がトランプ大統領を上回る支持率を獲得している。まだ勝敗の結果を占うのは尚早だが、バイデン勝利の可能性が少しずつ大きくなってきた。しかしバイデン氏は、大企業に対して批判的な考え方。もし当選すれば、市場にとっては大きな悪材料になるだろう。ウォール街では、その警戒感が膨らみつつある。

こうした6つの“警戒”が重複して、先週はニューヨーク市場の株価が暴落した。このうち高値警戒感については、株価の下落でかなり解消した。しかし、あとの5つについては、今後どの警戒感が強まって行くのか。いずれにしても財政金融政策の深掘り期待との綱引きが始まり、株価は乱高下しやすくなるだろう。

       ≪16日の日経平均 = 上げ +1051.26円≫

       ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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