経済なんでも研究会

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日米で世界の脱炭素をリード : 共同声明 (上)

2021-04-20 08:03:47 | 環境
◇ 経産省に実効ある計画が作れるのか = ワシントンで行われた日米首脳会談では、温室効果ガスの削減について「30年までに断固たる行動をとる」ことで一致した。共同声明では「日米が世界の脱炭素をリードして行く」とも明記された。驚いたのは、その後の記者会見で、菅首相が「日本としては、22-23日に開く予定の気候変動サミットまでに具体的な計画を提案する」と言明したことである。本当に、そんなことが出来るのだろうか。

アメリカはトランプ前大統領が環境問題には全く消極的で、脱炭素は進まなかった。これに対して、バイデン大統領はきわめて積極的。地球温暖化防止の国際ワク組みであるパリ協定に復帰したほか、4年で2兆ドルの対策費も計上した。だから脱炭素に向けた動きは急速に具体化するだろう。一方、日本の場合はこの10年間、対策はすべて裏目に。首脳会談で決まったからといって、すぐに計画が出来上がるとは思えない。

温暖化防止で日米両国がモタついていた間に、ヨーロッパ諸国は大きな前進を遂げた。たとえば電源構成に占める再生可能エネルギーの割合は、日本が約18%。これに比べてドイツは42%、イギリスは39%、スペインでも38%となっている。EU全体としても、20年には再生エネルギーの比率が38%に達し、化石燃料の37%を上回った。こうした動きを見て、日米会談では「今後は日米がリード」という姿勢を打ち出したわけである。

温暖化ガスの排出を、実質的にゼロにする。これをカーボン・ニュートラルと言い、国連の専門家グループが「2050年までの達成が必要」と報告した。このため世界で120以上の国が同調、日本も目標とすることを宣言した。しかし、そこへ到達するまでの2030年の目標も作ろうという機運が高まり、日本も「13年比で26%削減」という目標を発表した。ところが国際的にみても数字が低すぎ、各国から非難を浴びた。だが日本は今日に至るまで、この数字を変えていない。

                           (続きは明日)

       ≪19日の日経平均 = 上げ +2.00円≫

       ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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