経済なんでも研究会

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製造業は すでに景気後退 / アメリカ

2019-09-10 08:16:20 | アメリカ
◇ 比重はGDPの11%と小さいが = 米中経済戦争の影響で、アメリカの製造業が苦境に陥っている。サプライ・マネジメント協会(ISM)が集計した8月の製造業景況指数は49.1で、好不況の境となる50を3年ぶりに割り込んだ。またFRBが発表したベージュブック(地区連銀経済報告)では、全米12地区のうち7地区が「製造業は鈍化」と報告している。自動車、鉄鋼、電機、半導体など幅広い業種で業績が下向いており、アメリカの製造業が景気後退に入ったことは間違いない。

この結果、全体の設備投資にも陰りがみえてきた。4-6月期のGDP成長率は2.0%だったが、企業の設備投資は3年ぶりにマイナスとなっている。また8月の農業を除く雇用者増加数は、予想を大きく下回る13万人にとどまった。ここでも製造業の伸びの急減が主たる原因になったと指摘されている。

アメリカのように成熟した経済では、製造業が全体に占める比重はきわめて小さくなっている。GDPに占めるその比重は約11%に過ぎない。これに対してサービス業は、約70%の比重だ。その中核となっている小売業は、いまのところ関税戦争の影響が薄いためにまだ売上高は伸びている。しかし安心は出来ない。

というのもトランプ政権が9月から発動した第4弾の関税引き上げは消費財が中心。その影響はこれから現われてくるからだ。また製造業の雇用が伸びなければ、消費支出も次第に減ってくる。ISMの非製造業景況指数はまだ50を上回っているが、その水準は2年11か月ぶりの低さに落ちた。鉄鋼や自動車などの生産工場が集中しているのは、主としてトランプ大統領の票田地帯。これが選挙にどんな結果をもたらすのか。

       ≪9日の日経平均 = 上げ +118.85円≫

       ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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