◇ 大阪万博は象徴的な出来事 = 建設業界の人手不足も深刻だ。総務省によると、建設業の従業員数は22年で479万人。ピークだった97年に比べると、3割以上も減少した。人手が足りないと、工期が遅れる。人手を増やせば、人件費が増える。どっちにしてもコストは上がってしまう。そこへ来年4月からは、残業時間が年720時間に制限される。いま大阪万博の建築契約が進まず問題となっているが、この傾向は全国に広がり始めている。
昔は3K(きつい、汚い、危険)と言って嫌われた建設業。その労働環境は、ずいぶんと改善された。しかし労働条件はまだ悪い。総務省によると、22年の年間労働時間は平均1886時間。全産業の平均より268時間も長かった。しかも年間の賃金は、全産業の平均より55万円少ない。だから若い人が、なかなか入ってこない。そのうえ高齢化ガ進み、55歳以上の従業員が35%以上を占めている。
業界は懸命に対策を講じている。まずは重機械の投入による省力化。従業員に対しては「4週8休」、つまり週休2日の徹底を呼び掛けている。しかし現状は、公共工事でさえ3割程度しか週休2日を達成していない。さらに人手不足が深刻になるにつれて、労働時間が逆に長引く傾向さえみられる。この業界は下請けの重層構造、下へ行くほど労働条件の改善は進みにくくなっているようだ。
資材と人件費の上昇で、建設コストはうなぎ登り。これが大阪万博の建築契約を困難にしているが、一般のマンションや一戸建て住宅の建設費も急騰してきた。たとえば東京都の住宅建設費をみると、この5-7月は前年比5%の増加となっている。ゼネコンは受注を絞ったり、資材の共同管理などコストの引き下げに努力しているが、大きな効果はない。来年4月からの残業規制で、建設業界の人手不足がさらに進むことは避けられない。
(続きは明日)
≪11日の日経平均 = 上げ +189.98円≫
≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
昔は3K(きつい、汚い、危険)と言って嫌われた建設業。その労働環境は、ずいぶんと改善された。しかし労働条件はまだ悪い。総務省によると、22年の年間労働時間は平均1886時間。全産業の平均より268時間も長かった。しかも年間の賃金は、全産業の平均より55万円少ない。だから若い人が、なかなか入ってこない。そのうえ高齢化ガ進み、55歳以上の従業員が35%以上を占めている。
業界は懸命に対策を講じている。まずは重機械の投入による省力化。従業員に対しては「4週8休」、つまり週休2日の徹底を呼び掛けている。しかし現状は、公共工事でさえ3割程度しか週休2日を達成していない。さらに人手不足が深刻になるにつれて、労働時間が逆に長引く傾向さえみられる。この業界は下請けの重層構造、下へ行くほど労働条件の改善は進みにくくなっているようだ。
資材と人件費の上昇で、建設コストはうなぎ登り。これが大阪万博の建築契約を困難にしているが、一般のマンションや一戸建て住宅の建設費も急騰してきた。たとえば東京都の住宅建設費をみると、この5-7月は前年比5%の増加となっている。ゼネコンは受注を絞ったり、資材の共同管理などコストの引き下げに努力しているが、大きな効果はない。来年4月からの残業規制で、建設業界の人手不足がさらに進むことは避けられない。
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≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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