経済なんでも研究会

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上場会社を 全部買える

2020-12-25 07:41:42 | 家計
◇ 個人が保有する現金・預金は1034兆円 = 日銀が21日発表した資金循環統計によると、9月末時点で家計部門が保有する金融資産の総額は1901兆円だった。この1年間で2.7%増えている。その内容は現金が97兆4000億円で、前年比5.8%の増加。預金は937兆円で4.8%の増加だった。また株式は181兆円で1.8%の減少、投資信託は72兆円で1.6%の増加となっている。

現金と預金の合計額は1034兆円。特に現金、つまりタンス預金の増加が著しい。コロナ対策で1人一律10万円を支給したことが、大きく影響したと考えられる。しかし、この統計は資金の流れだけを捉えており、一律給付がどれだけ現金保有の増加に寄与したかは判らない。それでも相当の部分が現金で保有されたとすれば、一律給付が本当にコロナ対策に役立ったのか。疑問が残る。

それにしても、1034兆円という金額は驚くべき大きさだ。たとえば政府が編成した来年度予算案は106兆円、比べてみればとても小さく見える。また日本のGDPはおよそ500兆円。さらに東証1部に上場している2160社の時価総額は670兆円。すべての株を購入しても、十分にお釣りがくる。

政府はこれまで個人が保有する現金・預金を、株式などの投資に向けさせようとする政策を講じてきた。しかし個人が保有する巨額の現金・預金は増え続けているから、政策が奏功したとは言い切れない。投資に向けさせようとするだけではなく、なぜ個人が現金・預金を増やし続けるのか。その原因を究明する必要があるのではないか。

       ≪24日の日経平均 = 上げ +143.56円≫

       ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫ 

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