経済なんでも研究会

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個人が保有する現預金は1000兆円

2020-07-03 07:45:53 | 家計
◇ タンス預金が急増する理由は? = 日銀の集計によると、3月末時点で個人が保有していた金融資産の総額は1845兆円だった。前年同期に比べると0.5%減少している。これはことしに入ってからのコロナ不況で、株価が下落したことが大きい。株式の保有残高は178兆円で、前年比11.9%の減少。また投資信託も65兆円で11.7%減少した。

こうしたなかでも、現金と預金の保有額は着実に増加している。現金と預金の合計額は、ちょうど1000兆円。前年比では2.1%増加した。このうち現金は94兆円、前年比では1.5%の増加。預金は906兆円で2.2%の増加だった。現預金の合計額が500兆円に達したのは1991年度末だったから、この29年間で保有額は2倍になったわけだ。

1991年度末の預金残高は、498兆円だった。それがことし3月末には906兆円に。伸び率は82%で、金融資産全体の増加率には及ばない。ところが、この間に現金の保有額は18兆4000億円から94兆円へと5倍以上に達している。要するに、タンス預金が激増しているわけだ。しかし日銀の集計では、どんな人がタンス預金をせっせと増やしているのかは判らない。

いま銀行に預金しても、金利はほとんど付かない。それなら金庫にしまって手元に置いておく方がいい、と考える人が多いことは確かだろう。またマイナンバーの普及とともに、預貯金はいずれ税務署に把握されるかもしれない。それを嫌ってタンス預金を選ぶ人も少なくはないのだろう。その一方で、カード決済はどんどん増えて行く。いったい、日本銀行券の重みはどうなってしまうのだろう。

       ≪2日の日経平均 = 上げ +24.23円≫

       ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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