◇ 量的引き締めはまだ1兆ドル = パウエルFRB議長が「経済は金利の影響を受けにくくなっているのかもしれない」と嘆き節。珍しいことである。FRBは昨年3月からインフレ退治のために金融政策を引き締めに転換、政策金利をゼロから5.25%まで引き上げた。しかしアメリカ経済は堅調を維持し、物価はなかなか下がらない。パウエル議長の嘆きは、まだまだ続きそうである。
金利がこれだけ上昇すると、ふつう経済には強いブレーキがかかる。だが7-9月期のGDP速報は年率4.9%の成長、9月の小売り売上高は前月比0.7%の増加。ともに予想を大きく上回った。そして9月の消費者物価も前年比3.7%の上昇と、勢いが収まらない。もちろん高金利の影響で、住宅や自動車の販売は下向きに。また中小企業や低所得者の一部が、苦境に陥っていることも確かだ。
ところが多くの企業や個人は、低金利時代に借金をしてしまった。だから高金利時代がきても、あまり影響を受けないのではないか。また自己資金を貯め込み、借金に頼らない企業や個人も増えている。パウエル議長が「金利の影響を受けにくくなった」と述べたのは、こういう理由からだと考えられる。そこで、こんな状態がずっと続くのか。それとも時間が経てば、高金利の効果が出てくるのか。そこが大問題となってくる。
金利は上がったが、量的引き締めは進まない。FRBは昨年3月時点で8兆6000億ドルの現金を市場に放出していた。そこから国債や株式などを売り戻して資金を回収しているが、これまでの回収額は1兆ドル程度。だから資金はまだ市中に大量に残っている。このため引き締めの効果が出にくいという見方も有力だ。もっと大量に売り戻せば、国債や株式の価格が下がり過ぎてしまう。FRBはそれを警戒して量的引き締めを急がないとすれば、ある意味では自業自得と言えるだろう。
≪30日の日経平均 = 下げ -294.73円≫
≪31日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
金利がこれだけ上昇すると、ふつう経済には強いブレーキがかかる。だが7-9月期のGDP速報は年率4.9%の成長、9月の小売り売上高は前月比0.7%の増加。ともに予想を大きく上回った。そして9月の消費者物価も前年比3.7%の上昇と、勢いが収まらない。もちろん高金利の影響で、住宅や自動車の販売は下向きに。また中小企業や低所得者の一部が、苦境に陥っていることも確かだ。
ところが多くの企業や個人は、低金利時代に借金をしてしまった。だから高金利時代がきても、あまり影響を受けないのではないか。また自己資金を貯め込み、借金に頼らない企業や個人も増えている。パウエル議長が「金利の影響を受けにくくなった」と述べたのは、こういう理由からだと考えられる。そこで、こんな状態がずっと続くのか。それとも時間が経てば、高金利の効果が出てくるのか。そこが大問題となってくる。
金利は上がったが、量的引き締めは進まない。FRBは昨年3月時点で8兆6000億ドルの現金を市場に放出していた。そこから国債や株式などを売り戻して資金を回収しているが、これまでの回収額は1兆ドル程度。だから資金はまだ市中に大量に残っている。このため引き締めの効果が出にくいという見方も有力だ。もっと大量に売り戻せば、国債や株式の価格が下がり過ぎてしまう。FRBはそれを警戒して量的引き締めを急がないとすれば、ある意味では自業自得と言えるだろう。
≪30日の日経平均 = 下げ -294.73円≫
≪31日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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