経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

米抜きTPPは 至難のワザ (上)

2017-04-26 07:45:11 | TPP
◇ 日本にアメリカの代役は務まるのか = アメリカ抜きのTPP(環太平洋経済連携協定)を再構築する。安倍首相はこれまで「アメリカが参加しないTPPは意味がない」と繰り返し発言してきたが、その方針を大転換することになった。来日したペンス米副大統領が「TPPはアメリカにとっては過去のもの。だからアメリカは加わらないが、日本がやるならどうぞ」と囁いたからだという説も広がっている。

政府はまず5月11-12日にカナダで開く主席交渉官会議で、この方針をTPPに参加した10か国に伝える。そのうえで、5月下旬にベトナムで開く閣僚級会合で正式に提案する。最終的には11月に予定されるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で、正式に決定したい考え。このスケジュールについては、10か国の多くがすでに賛同しているという。

問題となるのは、TPP再構築の内容だ。アメリカが抜けたため、協定文は作り直さなければならない。しかし日本政府は、関税の引き下げ率などTPP交渉で決まった具体的な内容については変更しない方針。だが、この点では各国から異論が続出しそうな雲行きである。

たとえばベトナムやマレーシアなどは、アメリカが輸入関税を引き下げることの見返りとして、建設・小売り・金融に対する外資規制を緩和した。そのアメリカがいなくなったのだから、規制緩和はできないと主張するに決まっている。日本がアメリカの代役を務めれば、その問題は解決できるが日本にそんな余裕はない。

                              (続きは明日)

      ≪25日の日経平均 = 上げ +203.45円≫

      ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ≫  


4月25日(火)のつぶやき

2017-04-26 05:05:06 | 株価

勢い増す 国家分断の濁流

2017-04-25 08:10:25 | フランス
◇ EU崩壊は遠のいたが・・・ = フランス大統領選挙の第1回投票が23日行われ、中道・無所属のマクロン前経済相と極右・国民戦線のルペン党首が勝ち残った。決選投票は5月7日に実施されるが、反ルペン陣営が結束し、マクロン氏が当選すると予想されている。マクロン氏はEU堅持を表明しており、フランスがEUを離脱する可能性はほぼ消滅した。

この結果を受けて、為替市場ではユーロが急騰。東京市場の株価も大幅に上昇した。だが反EU・反移民を掲げたルペン氏が高い賛成票を獲得したことは、見逃せない事実。今後に大きな影響を及ぼすことは間違いない。特に年内に実施されるドイツとイタリアの総選挙に、どう響くかが注目される。

また世界的にみても、一つの重大な傾向が明瞭になった。仮にマクロン氏がフランスの大統領に就任しても、国民の半数に近い人々が反対派に回ってしまう。EUと移民の問題を巡って、フランスは国内が分断される可能性が大きい。すでにイギリスでも同じ問題を巡って、世論は2分されている。アメリカでも、トランプ支持と不支持の人たちが拮抗して対立する状態にある。

こうしてアメリカ、イギリスに続いて、フランスの国内も分断される状況に陥った。そうしたなかで、日本はまだ圏外にある。しかし人手不足を補うため、日本でも外国人労働者の受け入れは急増する可能性が高い。そんなときに外国人の受け入れで国論が二分されるような事態が起こらないよう、政府・与野党はいまから十分な準備と対応をしておく必要があるだろう。

      ≪24日の日経平均 = 上げ +255.13円≫

      ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ


今週のポイント

2017-04-24 08:21:18 | 株価
◇ リスク回避と押し目買いの綱引き = 朝鮮半島の情勢が緊迫し、フランス大統領選挙の投票日が迫るなかで、日米の株価はともに上昇した。ダウ平均は先週95ドルの値上がり。小売り売上高や消費者物価が事前の予想を下回るという悪材料も出たが、主要企業の3月期決算では利益が前年を上回るという予測も発表された。リスク回避で投資資金の一部は株式から債券、金に流れたが、この好決算予想をバックに押し目買いが入っている。

日経平均は先週285円の値上がり。このところの下げで、株価の割安感は強まっている。たとえば東証1部の騰落レシオは60%台にまで下がり、PER(株価収益率)も16倍を割っている。絶好の買い場だと考える投資家は多いが、北朝鮮リスクの圧力は大きく、それほど押し目買いは出ていない。その代りに先週は日銀が活発に買い出動して、株価を押し上げた。

今週は23日にフランスの大統領選挙。EU擁護派の候補が勝ち残れば、市場は一安心。しかし25日は北朝鮮人民軍の創建85周年記念日。アメリカの空母カール・ビンソンも日本海に到達する。なにしろ政府が「ミサイル警報が発令されたら」という広報を出しているくらいだから、下値を拾うにも相当の勇気が要るだろう。

今週は25日に、3月の企業向けサービス価格。26日に、2月の全産業活動指数。28日に、3月の労働力調査、家計調査、鉱工業生産、消費者物価、商業動態統計、住宅着工戸数。アメリカでは25日に、3月の新築住宅販売と4月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。27日に、3月の中古住宅販売。28日に、1-3月期のGDP速報。また中国が30日に、4月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

      ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ


Zenback

<script type="text/javascript">!function(d,i){if(!d.getElementById(i)){var r=Math.ceil((new Date()*1)*Math.random());var j=d.createElement("script");j.id=i;j.async=true;j.src="//w.zenback.jp/v1/?base_uri=http%3A//blog.goo.ne.jp/prince1933&nsid=145264987596674218%3A%3A145266740748618910&rand="+r;d.body.appendChild(j);}}(document,"zenback-widget-js");</script>