経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

いよいよ始まった 日米経済対話

2017-04-20 07:52:30 | 日米関係
◇ 焦点は農産物と為替 = 日米経済対話の初会合が18日、東京で開かれた。麻生財務相とペンス副大統領との会談では、今後の話し合いを①貿易・投資のルール作り②経済財政・構造政策での協力③個別分野--の3本建てで進めることを確認。同時に別の場所で世耕経済産業相とロス商務長官も会談するという、異例のダブル・シフトになった。ただ今回の会合は始球式のようなもの。実際の厳しい交渉は、5月末ごろからになるとみられている。

というのも、アメリカ側は商務省やUSTR(通商代表部)の人事発令が遅れているため。人事が整うと、ペンス副大統領は北朝鮮問題などをからめて日本側に圧力をかける。ロス商務長官はUSTRとともに、具体的な経済問題で攻勢をかける。こんな役割分担になってくるだろう。

いずれにしても、交渉の焦点は日本の農産物輸入と為替相場になる。このうち農産物の輸入関税引き下げについては、日本側はTPP(環太平洋経済連携協定)で決まった水準を死守する方針。しかし、ここで大きな問題になるのは、日本政府がTPPでの合意内容を明らかにしていないことだ。したがって日米交渉が妥結したとき、日本の国民はその水準をTPPと比較することができない。

為替相場については、適正な水準など決められるはずもない。ただアメリカ側は、日銀の低金利政策が円相場を不当に下げていると指摘してくる可能性が高い。日本側は低金利政策は景気浮揚のために必要だと防戦するだろうが、日銀が国債を買い入れにくくなることは事実だろう。この心理的圧迫が、景気や株価にどう響くか。大きな問題である。

      ≪19日の日経平均 = 上げ +13.61円≫

      ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ


4月19日(水)のつぶやき

2017-04-20 05:09:22 | 株価

日本円は 安全資産なのか? (下)

2017-04-19 08:03:48 | 円相場
◇ 円高の真犯人は日銀の低金利政策 = トランプ大統領は、完全に北朝鮮に照準を合わせたようだ。シリアへのミサイル攻撃もアフガニスタンでの大型爆弾投下も、北朝鮮に対する一種の警告だとみられている。こうして東アジアの緊迫感は一気に高まったが、その影響をいちばん受けやすいのは日本と韓国だ。特に韓国の場合は北朝鮮と地続きだから、リスクは日本より大きいはずである。

ところが4月に入ってからの市場動向をみると、韓国のウォン相場はやや下落。総合株価指数は上昇傾向にある。投資家はあまりリスクを感じていないようにも見受けられる。これに対して、日本の市場では円が急騰、株価は下落した。その根本的な原因は、いったい何なのだろう。

突き詰めて行くと、こういう理屈にたどり着く。内外の投機筋は金利の安い日本で円を調達、それを日本以外の国で投資・運用していた。ところが世界的にリスクが高まったため、投資先から資金を引き揚げ、日本円に換えて債務を返済した。その結果、円の需要が増大し、円相場の高騰を招いたという理屈である。

この理屈ですべてを説明できるとは思えないが、ほかに円高の原因はトランプ大統領の口先介入ぐらいしか見当たらない。だとすれば、リスク増⇒円高の主たる原因は、円資金が超低金利で借りられたことにある。日銀のマイナス金利政策が、すべての根源だという結論に達するわけだ。

      ≪18日の日経平均 = 上げ +63.33円≫

      ≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ


4月18日(火)のつぶやき

2017-04-19 05:05:38 | 株価

日本円は 安全資産なのか? (上)

2017-04-18 08:31:32 | 円相場
◇ リスク急増で円高・株安に = アメリカ軍が動き出した。まずイラクの空軍基地をミサイル攻撃。次いで空母カールビンソンを中核とする強力な艦隊が朝鮮海域に集結。さらにアフガニスタンのイスラム国拠点に新型の大型爆弾を投下。かくして世界の緊張感は一挙に高まった。金や国債、それに日本円が買われ、株式が売られている。

リスクが高まると、円高が進行する。今回も円の対ドル相場は108円台にまで急騰した。こんなとき新聞は、その説明に「安全資産の円が買われた」と、しばしば書いている。このブログも、それにつられてそう書いてきた。だが金や国債が安全資産というのは判るが、日本円がなぜ安全資産なのだろう。

たとえば01年9月11日に起きた同時多発テロ事件のときなら、理解できないこともない。アメリカは未経験の緊張感に覆われたが、日本はいわば圏外。円が安全通貨とみられても不思議はない。しかし今回は地理的にも近い北朝鮮が、震源地になる可能性を秘めている。現に北朝鮮の高官は「日本も標的になる」と公言したぐらいだ。

外国為替市場で、日本円を安全資産だと考えて買っている人がいたら聞いてみたい。こういう人たちは、戦争は絶対にないと確信しているのだろうか。それなら円買いも判らないではない。しかし本当に戦争の心配がないのなら、経済的なリスクも小さいのではないか。どうも矛盾するような気がする。

                                (続きは明日)

      ≪17日の日経平均 = 上げ +19.63円≫

      ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ


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