魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

可哀想なヴォーヌ・ロマネ

2007年07月11日 | ワイン ~2019年
「見つけられない真実」というのはやはりあるのでしょうか。

さて、本日のワインは

2004 ヴォーヌ・ロマネ(イヴ・シュヴァリエ)

小さなドメーヌのヴォーム・ロマネの村名ワインです。6000円程度。

土、醤油、ジンジャーや東洋系スパイスも少し、ピノのわりには赤いのに黒っぽい香り。
茎から来る青さ、体力のない(熟成してもたいして美味しくならないであろう)果実味、
柔らかくソフトなんだけど、酸っぱめで本領を発揮できないブルゴーニュです。
小さいドメーヌなんだけど、これじゃメジャーにはなれないでしょう。

実際に本日ご来店された数名のお客様へ飲んでいただきましたが、
可哀想なことに不評でした。酸っぱい様子で、価格を言うと皆さん・・・
引いちゃいました。

って実は昨日の試飲会で頂いたボトルなのですが・・・、正直可哀想だよねぇ。
2004年ってのが致命的なんですよ。それでも売らなきゃならない業界って
ことで、出てくるのですが、ここまで愛してこそ「真のワイン愛」でしょうか?

どんなに素晴らしいワインが造れるドメーヌやシャトーも、悪い年にはお手上げです。
その悪い年でも輸入元は造り手と取引をしてこそ、はじめて良い年のものも入手
できるのです。
もしも悪い年を無視して買わなければ、その造り手は大量の不良在庫を抱え、
経営危機になるでしょうし、良い年には輸入元は相手にしてもらえないのです。


でもねぇ、そんなワインでも、しんみりと深夜に飲むと柔らかく包み込んでくれて
美味しいのですよ。もちろん価格ほどの満足感はありませんけど・・・。

ワインに文句ばかりを言うのではなく、そうした事情を分かった上で、暖かく
見守る慈悲の心をみんなで持とうじゃありませんか。


コメント (2)
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