蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

ベートーベン  (bon)

2024-09-08 | スポーツ、芸能、映画

 これ、犬の名前なんです。 

 先日(8月下旬に)、録画していたBS1の映画を観ました。 1992年に公開された
アメリカの家族(子供)向きコメディ映画です。

 アメリカのとある田舎町の5人家族の平凡な家に、ペット泥棒から逃げ出した1匹の子犬
が迷い込んできました。ころころと動き回る子犬は子供たちの大の仲良しで、家の内外も
自由に行き来する人気者となりました。 父親は、犬は敬遠する方で子供たちとは反対
路線でしたが、飼い主が見つかるまで‥という条件で飼うことになりました。

 名前を決める時、家族がいろんな名前を候補に上げましたが、末娘がピアノで、タタタ
ターン、タタタターンと「運命」の出だしを叩いたところ、ワンちゃんは鳴いて反応した
ため、「ベートーベン」と名付けられたのでした。
 そういえば、この家の名前も「ニュートン」でした。

        (Filmarksより)

 子犬はみるみる大きくなり、子どもたちよりはるかに大きく70㎏にもなるかという大き
さになりました。ニュートン家の人気者となりますが、家の中を汚したり、家具を傷つけ
たり、かなり悪さをしますが、頭がよく機転が利くようなんですね。外の犬小屋に入れ
られて金網で隔離されていても、どこからか家中に入ってきたり、長女を学校の人気男性
と引き合わせたり、長男がいじめられているところをうまくかばったりと、人間のような
振る舞いをするほどのおりこうさんなんですね。

 事業拡大のため、夫婦で仕事に出て、子ども達をベビーシッターに預けることがあり
ましたが、その時、目を離しているすきに末っ子の女の子がプールに落ちておぼれそうに
なっているところを、このベートーベンはプールに飛び込んで女の子を背中に載せて犬
かきで助ける‥そんなこともするのです。 悪徳投資家が、ニュートン家の事業を乗っ
取ろうと、上手い口に載せて契約書にサインするその時もベートーベンは、テーブルを
ひっくり返して邪魔をするなど、ベートーベンによって助けられた数々の話題が展開され、
物言わぬ動物ながら痛快な主人公(犬)を演じるのです。

 ある時獣医の元に、弾薬の殺傷能力を試すため大型犬を実験対象の依頼が持ち込まれ
賄賂も受け取り、その対象にベートーベンが目を付けられるのです。もともと犬を敬遠
していた父親のところに、獣医(ペット泥棒の元締めもやっていた)が近づいてきて、
セントバーナード犬は最近発作が起きることがあり、子どもを噛んだりする・・などと
言い、処分することを持ち掛け承諾させてしまうのです。

 しかし、子ども達や母親はにわかには納得できず、再度獣医のところに確認したいと
せがんで獣医を尋ねると、それらは真っ赤な嘘であることがバレ、父親をはじめ子供たち
も総がかりで獣医を取り押さえ、ベートーベン始めその他の子犬たちは助けられるのです。

 敬遠していた父親も、ベートーベンを認め、ラストシーンでは、ベッドの上にベートー
ベン、下には何匹かの子犬たちが勢ぞろいした微笑ましい家庭の図が描かれていました。

         (サブカルクブログより)

 タイトルが示すように、主人公(犬)が犬で、大型犬セントバーナードで、偉大な作曲
家ベートーベンの交響曲第5番「運命」の曲に反応したところから、犬の名前をベートー
ベンと付けたこの家の名前がまたあのニュートンというのです。

 犬を中心にいろんな事件、物語が進められて、楽しく面白い場面の数々が展開されて
いました。子犬の頃のコロコロとした愛らしさ、大きく成長すると今度はいろんな判断が
出来るまるで賢いふるまい。 1時間半弱の映画は、無邪気で子供向けですが結構面白く
楽しく観ました。

 

 

 

英語版ですが、短い動画が次々と10本続けてあります。

Beethoven (1992) - The New Puppy Scene (1/10) | Movieclips

 

 

 

 

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プロヴァンスの休日  (bon)

2024-08-19 | スポーツ、芸能、映画

 フランス映画です。 先の、パリ五輪が佳境にあったころBS1で観ました。
 夏休みに南フランスの少し山手に入った田舎に来て、ひと夏を過ごす穏やかなハート
ルコメディ映画です。2014年制作、日本では2016年に新宿シネマカリテで上映され
たそ
うです。

                 (映画.comより)

 美しい自然の広がるプロヴァンスで暮らす頑固な祖父(ポール)のもとに、娘との
仲違いが原因でこれまで一度も会ったことのない3人の孫たちが母親(娘)に連れ
られて訪ねてくるのです。大都会のパリと違って、ここプロヴァンスは、ケイタイの
電波も場所によって繋がりにくかったり、映画を観るにもはるか遠くだという、孫
たちにとっては耐え難い環境に思えると同時に、気難しい祖父ともなかなか折り合い
がつかない状況でした。 ぎすぎすとした数日を送るうち、生まれつき耳に障害を
持つ孫の末っ子(テオ)と少しずつ心を通わせて行くのです。

         (映画.comより)

 まだ学校に上がる前くらいの愛らしい末っ子は、生まれながらにして耳が不自由
ですが好奇心は旺盛で、頑固な祖父の畑仕事にも興味を示し、付きまとううち簡単な
仕事も手伝ったり、また普段の生活にも新しい体験が多く、次第に祖父と過ごす時間
が多くなって行くのです。 一方、上の孫達も、不便な田舎生活にも次第に慣れて、
もの珍しい事柄もたくさんあったりして、それなりに楽しく暮らし始める・・。

         (映画.comより)

 ほのぼのとした、そんなひと夏が描かれていて、ストーリーとしては、よくある
パターンに思いますが、頑固な祖父に扮するジャン・レノの演技もなかなか素晴ら
しく、風景や街の人々の明るく屈託のなさ、地元のお祭りの楽しさや変わった闘牛
祭りなど珍しい情景と共に映画に引き込まれてしまいました。

         (映画.comより)

 上の孫たちも、地域の祭りなどを通じて友達も出来、楽しい田舎暮らしになって
き始め、末っ子は頑固な祖父ともすっかり打ち解けて、家族は次第に和やかな家庭
へと変身して行くのです。 途中、ひょんなことから頑固な祖父のもとに昔馴染みの
老人たちが訪ねてきて、酒盛りをしながら陽気に歌を歌う‥そんな場面もあり、素朴
なわだかまりのない人間関係も描かれていたようです。
 パリとプロヴァンスの対比も興味深かったです。

                 

 このところ、オリンピック競技や野球それと戦争ニュースが多い中で、この映画は
ホッとくつろげるやさしい時間を与えてくれました。

 

 

 

映画 『 プロヴァンスの休日』 劇場用公式予告

 

 

 

 

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がんばっていきまっしょい  (bon)

2024-07-22 | スポーツ、芸能、映画

 1998年公開の映画です。 先日BS1で放送されたのを観ました。

 第4回坊っちゃん文学賞を受賞した敷村良子の同名小説の映画化で、監督、磯村
一路、主演は新人、田中麗奈(キネマ旬報日本映画新人女優賞受賞)とあります。

 昭和50年(1975年)頃の、四国・松山を舞台に、ボートに青春をかけた女子高生
たちの姿を明るくみずみずしく描いた青春ドラマです。 私も学生の頃、漕艇部
(ボート部)にいて厳しくも楽しい練習を経験していますので、そんな思いも込めて、
当時の自分に重ね合わせる部分もあって、懐かしく観ました。

         (Filmarksより)

 映画では、女子高生のボートで、ナックルフォア(4人漕ぎで、コックスの計5人)
を対象に、すでに廃部になっていた伊予東高校のボート部を、以前からあこがれを
持っていた一人の少女が入学するや、先生に直訴したりしながら、メンバーを集め
創部にこぎつけるのです。
  初めのうちは、未経験者ばかりで、ボートの運び方もぎこちないくらい、ましてや
オールさばきなどなっていなかったところに、現役を引退した経験者がコーチについ
てくれ、必死の練習を重ねるのです。

 夏合宿を経た、新人戦は殆ど戦いにならなかったが、元日本選手権メンバーの一人
を、女子コーチとして付けてくれた。ところが、このコーチはあまりやる気がなく、
トレーニングメニューを渡す程度で、チームは相変わらず自分たちで何とか練習を
重ねる日々となるのです。

 ある時、メンバーのリーダーが腰を痛めて療養していて、新入部員がその穴埋めを
している頃、療養中に、コーチに自らのボートにかける思いを打ち明けたことで、
コーチは思い直し、特訓を始めるのです。 夏休み期間も猛練習に励み、東校女子
ボート部は、順調に決勝戦まで勝ち進んでいた。彼女たちの士気は益々奮い立ち、
応援も一緒になって頑張ってくれている。『ひがし高、がんばっていきまっしょい!
の声援にメンバーはさらにがんばるのでした。 しかし、決勝では、わずかの差で
負けてしまうのです。

            (シネマNAVIより)


 艇庫の掃除を終えたメンバーは、来年最後となるシーズンに向けて自身にエールを
送るのでした。

 実写の映像が多くあり、懐かしさもあって楽しく鑑賞させていただきました。

                      

 ここで、少し専門的な解説を以下に記しておきたいと思いました。

〇ボート(漕艇)の形に、2種類あります。映画で出ているナックルというのは、
艇の底の形が拳(ナックル)になっていて安定性がよく初心者向けといわれ、日本
だけの種類です。この他、シェル艇というのがあり、こちらは底が貝殻(シェル)状
につるっとしているところからこのように呼ばれています。ナックルは、漕ぎ手が
4人が普通で、ナックルフォアとよばれ、シェルの方は、漕ぎ手が4人、8人などが
あって、シェルフォア、シェルエイトと呼ばれています。これらには、コックスと
呼ばれる舵手が一人います。

〇スカル スカルとは、両手に1本ずつオールを持って漕ぐ艇の種類で、1人乗りは
シングルスカル、2人乗りはダブルスカル、4人(コックスを入れて5人)はクオド
ブルと呼ばれます。これに対して、両手で1本のオールを持って漕ぐ艇をスウィープ
タイプといいます。エイト(漕ぎ手8人+コックス)もスウィープタイプの艇で、
ボート競技では最大の人数で、最も高速となります。「舵手(コックス)付きエイト」
の略称です。

〇まとめ ナックルフォア、シェルフォア、ペア、エイトの種目は水を漕ぐオールが
すべて1人1本(片方)です。また、シングルスカル、ダブルスカル、クォドルプルは
水を漕ぐオールがすべて1人2本 (両方) です。

〇レガッタ ボート競技のことです。

                 

 学生時代、ボート部だった私は、シェルエイトの選手で、7番を漕いでいました。
船首から、バウ、2番、3,4,5,6,7番ときて、整調(ストローク)で8人(エイト)
そしてコックスの計9人のチームです。夏休みなどは勿論合宿ですが、試合が近づくと
学校に行くのではなく淀川(堂島川)の川べり(桜ノ宮)にある艇庫に行く毎日でしたね。

 若き日の(私の)練習風景         写真で8本のオールの右最手前が私
 

 

 

 

琵琶湖周航の歌1~6番

 

 

 

 

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大いなる西部  (bon)

2024-06-18 | スポーツ、芸能、映画

 映画を観ました。 BS3で最近録画していたので・・。

 1870年代といいますから、日本では明治の初めころのテキサスが舞台で、アメ
リカでは南北戦争が終わって、大陸横断鉄道が開通した頃にあたりますが、未だ
近代化されずにある荒涼とした砂漠地に牧場を営む大牧場主が支配するそんな時代
の西部劇なんですね。

  西部劇定番のモニュメントバレーではなく、カリフォルニア州の大牧場一帯と
モジャブ砂漠がそのロケ地で何とも広大な情景が画面いっぱいに常に描かれていま
す。
  原題は、「The Big Country」で、それを表しているのですが、合わせてそこが
すべての世界であってしかも、すでに近代化が始まってきているのをしり目に、
ここでは昔ながらのがすべてを制する式の土地柄をも指しているのでしょう。

          (ネット画像より)

 この映画は、そのような地域の風習を破り新しい価値観によって時代を切り開く
・・そんな意図が読み取れるとともに、主たる人物 5人の性格・習慣等の対比が
描かれていて大変面白かったです。 面白いという娯楽性よりはむしろ、新しい
人間社会の価値観と統制のあり方を示唆する優等生が描かれていたのかもしれません。

 そんな広大な大牧場主を東部出身の一人の紳士がやってくるところから映画は
始まります。 婚約者、大牧場主の娘に会うためにはるばるやってくるのです。
この地域には昔から争っている、特に砂漠の水場の利用を巡っても利権を争って
いる2つの大牧場主がいますが、そんな相手側の息子連中に、嫌がらせされ手荒な
歓迎を受け、婚約者は反撃を求めますが、東部出の彼は穏やかにやり過ごしてしま
うのです。

         (ネット画像より)

 東部出身の紳士(グレゴリー・ペック)は、元船長でガンベルトなどはしない
人格者で、結婚相手の大牧場主の元少佐(チャールズ・ビッグフォード)のところ
に来るなり、娘に密かに心を寄せている牧童頭(チャールトン・ヘストン)から、
荒馬に乗ってみろなどとけしかけられますが、この時も体よく断わりを入れるなど
その行動が臆病に見え、次第に意気地なしと見られて行くのです。

 ある時、一人で馬にまたがり地図とコンパス(磁石)をもって荒野にでかけた時
も、娘やみんなは、未経験者が一人で出かけたのなら当然迷ってしまっていると
心配しますが、元船長である彼は大海原の航海と同じようにコンパスを使って無事
戻ってくるのですが、周りはこのような男に次第に魅力を感じなくなるのです。

 しかし、東部出の彼は、一人で出かけた理由は、両大牧場主の紛争の元になって
いる水利権を所有している学校の女教師(ジーン・シモンズ)のところに行って、
利権を買う手はずを整えたりしていたのです。そして、荒馬にも自らの意思で乗り
こなしたりもして、決して臆病者ではなく勇気のある人物ですが、人にそれを吹聴
するタイプではないのですね。

         (ねっと画像より)

 2つの大牧場主は、いよいよ水利権を巡った争いが緊迫してきた折、相手側の大
牧場主(バール・アイヴス、アカデミー助演男優賞受賞)に、東部出が一人で交渉、
解決に向かうのです。 こちらの大牧場主はむしろ正義派で、水利権問題は解決
するのですが、長年の両者の諍いは激化し、とことん決着をつけるべく行動に移っ
てしまうのです。

                

 
 東部と西部の物事の解決方法の違いの非暴力と暴力が、一人の人物の行動を介し
て忍耐強く見事に描かれていて、それが同時に、大いなる西部の近代化への流れ
として表現されていると思いました。

 ガンによる激しい撃ち合いなどはありませんが、冒頭での疾走する馬の曲乗りや
ロディオの面白さ、人知れぬ二人の決闘場面などそれなりに西部劇を深めるシーン
があります。 撃ち合いやインディアン等との争いなどの見せ場はありませんが、
大きな強い信念が貫かれていたようでした。
 映画の出だしは、東部からはるばる婚約者の元にやっては来ましたが、価値観や
性格などの違いから、結局は、結婚はしないのですね。お互いの心は離れてしまい
ます。

 

 この映画は、1958年に製作、公開されています。 監督、ウイリアム・ワイラー、
原作は、ドナルド・ハミルトン、音楽は、ジェローム・モロスで、アカデミー賞に
ノミネートされた有名な作品です。3時間弱の長編映画でしたがしっかりと楽しめ
ました。

 

 

 

 

THE BIG COUNTRY/大いなる西部 HD

 

 

 

 

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ビッグ・フィッシュ  (bon)

2024-05-09 | スポーツ、芸能、映画

 暑かったり、肌寒かったり・・このところ雨模様の日が続いています。
BS1の録画していた映画を観ました。

 

  原題「Big Fish」は、2003年制作のアメリカ映画で、ファンタジー、冒険、
アドべンチャードラマです。Big fishというのは、「誰も知らないホラ話」という
意味合いだそうですが、原作は、アメリカのダニエル・ウオレス(1959~)のベス
トセラー『ビッグフィッシュ -父と息子のものがたり』で、これを独特のファン
タジー映像を取り入れた父と子のものがたりとして描かれていました。

         (filmarksより)

 事件物や、サスペンスではなく父と子のよくある話を、自分の生きてきた人生を
誰しもがそのように思いたい、誇張して他人にもわかり易く楽しませる内容に仕立て
て語る・・そんな父に子供の頃には興味を持つが、次第に成長するにしたがって、
そんな話に嫌気を覚えるのですが、そのうち、それが父の一途な生き方であった
のではないかと思えてくるのです。 

 父は、現在病の床に伏していて、その死期にも気づいていますが、その父の枕
もとで、それまで聞かされてきた物語が、一つひとつ語られるのです。 そして、
その物語が展開するうちに息子に見守られながら息を引き取るのです。
 父の葬式には、大勢の、そして物語に出てきた人々にも囲まれて見送られている
シーンで終わります。


 人は、とくに若い頃、いろいろな好奇心に満ち、いたずら好きで怖いもの見たさ
も手伝いながら、恐ろしいことにも勇敢に立ち向かい、そして戦い、決して悪の
道には踏み込まず、素晴らしい女性にも出会い、時には、花園に囲まれた英雄の
ように多くの人々にも知られている・・そんな自分の夢見る人生を描き切った思い
が描かれているのだと感じました。

        落雷で焼失した住宅セット(アラバマ州)
        (映画.COMより)

 一つひとつのものがたりは、誇張された嘘に飾られてはいますが、それは自分が
歩み直面した事実を、自らの憧れで思い描く形で表現されているのかもしれません
ね。

 物語の部分の映像は、とんでもないつじつまの合わない(と思える)シーンや
まるで夢の中にいるような情景が矢継ぎ早に通り過ぎるのです。そんなバカげた
シーンの数々が流れていますが、それらは、あるいは深層で思い描いている夢を
誇張して具現化(映像化)されているのかもしれないと思え、見終わった後には
何となくほんのりとしたメルヘンチックな感覚に誘われているように思いました。
 それなりにほのぼのとした映画でした。


 劇場公開翌年の2004年に第76回アカデミー賞作曲賞にノミネートされ、第61回
ゴールデングローブ賞最優秀作品賞他にもノミネートされていました。 また、
ミュージカルとして、2013年にシカゴで初演され、2017年以降に再々日本公演が
されていたようです。

 さらに、今年(2024年)5月30日~6月16日には、宝塚歌劇星組公演が東急シア
ターオーブ(渋谷ヒカリエ11階)で予定されていました。

         宝塚歌劇星組ミュージカル
         (東急シアターオーブより)

 

 

 

【コロンビア・ピクチャーズ100周年!】映画『ビッグ・フィッシュ』2003年公開 父と息子の絆を描く。ティム・バートンが贈る心あたたまるファンタジー! #TBT

 

 

 

 

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ナバロンの要塞  (bon)

2024-04-17 | スポーツ、芸能、映画

 昨日(4/16)も外は良いお天気で、日中は風邪が強かったですが少し暑いくらい
になってきました。 BS1で録画していました映画を観ました。
  この映画はもう何度も見たことがあり、ストーリーなどは分かっているのですが、
画面展開やスリルというか何度見てもいいですね。  港に出かけると、そこには
船があり、忙しく車が行き交っていたり、釣り人がいたり・・ それは行く前から
わかっていることですが、実際に現場に行ってみると、それまでは気が付かなかった
ことなど、新しい発見があったりして、楽しいのと同じような感じかもしれません。

         (ネット画像より)

 ひょっとして拙ブログに、感想などを記事アップしていないだろうか?と繰って
みましたら、なんと、2013.7.4「ナバロンの要塞」にアップしていました。 もう
10年以上前であったとは、如何に月日の経つのが早くなってきたか、改めて思い直
した次第です。初めての時は、映画館での封切でしたからこれはずいぶん昔になり
ます。
 

 前置きばかりでなかなか本題に入りませんが、この映画、1961年のイギリス・
アメリカの合作映画です。 私が学生の頃に初めて観たのですね。イギリスの冒険
小説家マクリーンが1957年に発表した同名の小説が原作で、彼の第二次世界大戦に
おける海軍の経験なども基になっているのでしょうが、これを企画し脚本を描いた
のが、あの「真昼の決闘」などを仕上げたアメリカのフォアマンでした。彼の苦難を
乗り越えた経験からどんな状況下でも信念を貫こうとした彼の不屈の精神が込められ
た作品ともいえるのでは‥ との評がありました。

                

 第二次大戦下の1943年、エーゲ海はドイツ軍の制圧下にあり、ケーロス島(架空の
島)のイギリス軍2000人の生命は全滅の危機にあった。イギリス軍救出のためには、
海路途中に睨みをきかせるナバロン島(架空)の断崖の洞窟に据えられたドイツ軍の
2門の巨大大砲を何とか破壊する必要があった。 唯一の可能性は、ナバロン島の
南部の400フィート(約120m)の絶壁は見張りも手薄で、これをよじ登り潜入する
ことだと提案されるのです。

        ナバロンの要塞  
           (ネット画像より)


 作戦を実行するために、世界的な登山家(グレゴリー・ペック)、爆薬の専門家
(デヴィッド・ニーヴン)、それにギリシャ人役のアンソニー・クイーンやアンソ
ニー・クェイル、さらにスタンリー・ベイカー、リチャード・ハリスら名優の名演技
がリアリティーと迫力を盛り上げているのです。

 作戦開始から、ナバロン島を目指す船は大嵐にあうなど危機また危機の連続で、
ハラハラドキドキですが、どんな絶望的な状況下でも任務を遂行しようとする決意、
そこには非情ともいえる局面もありますが、人間的なつながりも見せながら、成功率
の高くない作戦に果敢に取り組んで行くのです。

 しかし、ギリギリのところで、この難攻不落の要塞「The Guns of Navarone」の
爆破に成功するのです。

                

 何度見てもそのスリルと戦争の中の人間模様というか, 厳しい中にも暖かい人間
関係を改めて見ました。

                

 映画の音楽は、有名なデミトリー・ティオムキンになるもので、こちらも久しぶり
に懐かしく感じられました。 真昼の決闘、OK牧場の決闘、ローハイドなどの西部劇、
ジャイアンツ、老人と海などたくさんの映画音楽を作り出しているのですね。

 

 

ナヴァロンの要塞 (1961)  ミッチ・ミラー合唱団

 

 

 

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シャレード  (bon)

2024-02-27 | スポーツ、芸能、映画

 録画していた映画を観ました。(ダイハツのシャレードではありません。)

 ロシアがウクライナに侵略を始めて2年という長い日が過ぎ、先の見え
ない息が詰まりそうな日々が続き、一方では、アメリカ共和党候補選では
ヘイリーの地元、サウスカロライナ州でもトランプが勝利したとの報に、
一層陰鬱な流れに押し流されている日常を過ごしながら、一方で、娯楽
映画に時間を割いている矛盾を感じながらの観賞でした。

 先のスノーデンなどの事実に基づく危機映画ではなく、全くのフィク
ション、ロマンティック・サスペンス映画です。

 『シャレード』(Charade)は、1963年のアメリカ映画で、主演ケーリー・
グラント、オードリー・ヘプバーン、監督はスタンリー・ドーネンです。
日本でも大ヒットしました。
 シャレードとは、フランス語で、謎解き、言葉当て遊び、ジェスチャー
(遊び)、謎言葉などの意味があり、この映画では「謎解きゲーム」の
意味だそうです。

        (ネット画像より)

 映画は、特急列車から一人の男が殺されて外に放り投げられるシーン
から始まります。いわゆる「張り手型」の導入手法で、観客を一気に引き
付けて、画面が変わると、今度は雄大なスキー場を見晴らすテラスに、
富豪の夫と離婚を決意し、大きなサングラスをかけたレジーナ(オード
リー・ヘプバーン)が、テーブルに座りながらお茶しているシーンに変わ
ります。

 レジーナが豪華な自宅に帰ると、家財はすべて処分されてなくなって
いて警察官が一人訪ねてきていた。レジーナは、警官から列車から放り
出された男が自分の夫だと告げられ、夫は家財一式を競売にかけ25万ドル
をもってパリを離れる列車に乗ったともいわれ、遺品を受け取りに出頭
するよう言われます。
 レジーナは、警察署に出向き、くだんの警部から遺品(小さなバッグに
入った手帳、櫛、万年筆、レジーナに宛てた未投函の手紙、偽名のパス
ポート4通)を受けとり、途方に暮れて自宅に帰ってきたところに、スキー
場で知り合ったピーター(ケリー・グラント)が現れ「夫の事件は新聞で
知った。何か協力できることはないか」と申し出る。

 レジーナは、パリのアメリカ大使館から呼び出しを受け、彼女の夫は、
かって第二次大戦中対ドイツ戦に従事していて、仲間3人と共に25万ドル
相当の金塊を輸送する任務にあったところ、4人はこの金塊が盗まれたこと
にして密かに埋め、後に4人で山分けするということにしていたが、その後、
ドイツ軍の攻撃を受け4人は散り散りになってしまう中、彼女の夫が独り
金塊を掘り返し、持ち去ったのだと知らされるのです。

 そんな設定で始まったこの映画は、25万ドルを巡る人間の本性を疑い
始める展開へと進むのです。4人組の生き残りの3人は、当初、夫人である
レジーナが25万ドルの行方をしっているのではないかと詰め寄ってくるが、
そうでないとしたら3人のうちだれがそのありかを知っているか、お互いが
疑心暗鬼になり、さらにレジーナをかばうピーター(3人と旧知)も怪しい
と睨まれ、25万ドルを追って物語が進んで行くのです。

       (ネット画像より)

 夫が残した遺品を何度も調べ、どこかに鍵があるのではないか? と
並行して男4人の行動が疑われるなどサスペンスドラマの展開が続き、4人
のうち次々と謎の死体で発見されて行く流れのなか、大きなヒントから
そのありかを発見する・・そんなドラマでした。

 映像の展開や、流れはヒッチコックのそれを思わせる場面があり、一度
見たような気がしますが、雨が続いた寒い日に楽しく見終わりました。

 この映画でのヘプバーンは、あまり茶目っ気がなかったようでした。

 

 

 

Charade | Soundtrack Suite (Henry Mancini)

 

 

 

 

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「東京物語」  (bon)

2024-01-06 | スポーツ、芸能、映画

 映画を観ました。

 昨年暮れに録画していたNHKBSの小津安二郎監督の「東京物語」「秋刀魚の味」
「お早よう」の3本立てです。あの「寅さん」映画の御前様役の笠智衆が、この3本
とも出演していて、とても味があり、その他の俳優も懐かしい人ばかりが出ている、
ちょっと昔に戻ったような気がしました。「お早よう」は初めて観ましたが、その他
は過去にも観ていてなおじっくりと鑑賞出来ました。

 

 東京物語  1953年(昭和28年)に公開されたモノクロの映画です。 笠智衆、
原節子が主演で、原節子は「紀子」の名前で出ていますが、この映画より先の「晩春」
「麦秋」にも紀子の名前で出ていて、「紀子三部作」と呼ぶことがあるそうです。 
 ここでは、息子次男の嫁の役ですが、次男はすでに亡くなって8年になる一人暮らし
の心優しい嫁を演じています。
 尾道から上京した年老いた両親(笠智衆、東山千恵子)が、長男(山村聰)の家族
や長女(杉村春子)の家にも世話になるが、どことも生活が忙しくゆとりがないよう
で、言葉では優しくしてくれているがどこか冷たい感じが否めないけれども、皆精
一杯やってくれているとの感謝を抱きつつ、悲哀に似た一抹の寂しさを抱く。
 それに比べて次男の嫁は一人暮らしながら精一杯よくしてくれ、むしろ血のつな
がりよりも、元々他人だった人の方が親身にこたえる・・そんな姿を通して、家族の
絆、親と子、老いと死など人間の一生をしみじみと、しかし鋭く描かれていました。

 2012年に英国映画協会が発表した史上最高の映画ベストテンで第1位、昨年(2023年)
でも同率第4位を記録しているという。

 他に、中村伸朗、東野英次郎、香川京子、大坂志郎など懐かしい顔ぶれがいました。

         (gooブログより)

 

秋刀魚の味 1962年(昭和37年)の映画です。こちらはカラーでした。この映画の
公開翌年に死去した小津監督の遺作だそうです。
 ちなみに英題は An Autumn Afternoonだそうです。

 妻に先立たれた初老の父親(笠智衆)が男手一人で育てた娘(岩下志麻)を嫁に
出す父親の気持ち、嫁に行く娘の心境をこまやかに描き出す・・小津作品の要素を
多分に含んだ作品とあります。

 長男夫婦(佐田啓二、岡田茉莉子)は共稼ぎながら団地に暮らし、初老の父は、
娘(岩下志麻)と次男(三上真一郎)と平和に暮らし、時折中学時代からの友人
(中村伸朗ら)と仲良く酒を汲み交わしたり、今は落ちぶれている恩師(東野英次郎)
を交えた酒席を持つ、さらには軍隊時代の部下(加藤大介)とも飲んだりなど充実
した日々を送っています。

 そんなある時、恩師の老先生が酔いながら、娘(杉村春子)の話に移り、母親を
早くに亡くしたことから、便利に使って婚期をなくし独身のまま、今は中華そば屋を
手伝っている状況を後悔していると吐露したことから、自分も婚期を迎えている娘が
いることに気が付き何とかしたいといろいろと行動に移すのです。

 友人たちの協力もあって、無事に娘は結婚しますが、残った父親の老いと孤独が
切々と滲み出てくるのでした。ほのぼのとした明るい話題の展開の中に、父の心境の
変化が描かれていたのでしょう。

 この時代、一般人にもゴルフが浸透しだしていた頃で、映画の中でも、長男がマグ
レガーのゴルフクラブを先輩から月賦で譲り受ける話なども取り入れられていました。

 普通の庶民が、程よく焼けた秋刀魚を口にし、そのおいしさに満足しながらフト
自分だけでないもう一つのことに思いが行くそんな秋の物語なんでしょうか?

 良い味の映画でした。

         (松竹パンフより)

 

 お早よう  1959年(昭和34年)の監督第50作の映画で、小津監督最初のカラー
映画だそうです。これまでの作品とは、一味違った軽妙な、そしてこの時代の庶民
生活の状況をコメディタッチで描かれていました。

 多摩川沿いのよく似た一戸建てが並ぶ新興住宅地を舞台に元気な子供たちにふり
まわされる大人たちと近隣との付き合いの煩わしさなどが細かく描かれていたよう
です。この界隈で一軒だけテレビを持っている家に男の子たちは大相撲中継に夢中で
上がり込んで見させてもらっているが、この家の夫婦は派手好きで近所の評判は良く
なく、子どもたちが上がり込むのを嫌がっているが家にはテレビがなく子供たちに
せがまれている。

  この一角の組長宅夫婦(田中春雄、杉村春子)の隣にガス会社に勤めるサラリー
マン(竹田浩一)、その向かいに住む5人家族(笠智衆、妻三宅邦子それに二人の息子、
と妻の妹久我美子)の子供たちが面白く主題を演じていました。少し離れたところに
翻訳の仕事をしている男(佐田啓二)とその姉(沢村貞子)は自動車のセールスウー
マンが住み、佐田啓二と久我美子がお互いに惹かれ合っている風でしたが  それ
以上の展開はなく、これらの近隣の日常生活がもう一つの主題でもありました。

 さらに、テレビ受像機を月賦で購入したり、鉛筆などの押し売り(殿山泰司)が
あったりと時代の特徴が随所に取り入れられ、当時の地域での付き合い方、悩みなど
都市部の発展が始まる状況がつぶさに描かれていたようでした。

 小津監督の映画では、ちょっと変わった視点で捉えられていたようでした。

         (松竹パンフより)

 

  これらの映画(特に東京物語)を通して、笠智衆にしろ、東山千恵子にしろかなり
の年配に(見ている時は自分よりも年上のように)感じていましたが、妻が息を引き
取るときの年齢が68歳の設定であることがわかり、自分が捉えていた年齢と画面上の
年齢があまりにも違う(画面の年齢が若い)のに驚きました。当時の68歳はこんな
感じだったのかと改めて思いなおしながら、彼等よりはるかに年老いている現在の
自分が浮き彫りにされたような気がしました。
 もう、孤独と死のすぐ近くまで来ていると・・。

 

 

 

『東京物語 ニューデジタルリマスター』予告編

 

 

 

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かもめ食堂  (bon)

2023-12-10 | スポーツ、芸能、映画

 映画を観ました。
 2006年公開の日本映画『かもめ食堂』です。 群ようこの小説をもとに、全編
北欧フィンランド、ヘルシンキを舞台に製作された、穏やかでゆったりとした人々
の交流を広げて行く様子を描いた作品でした。

 『かもめ食堂』は、フィンランド語でRuokala Lokki (ruokala=食堂、lokki=
かもめ)というそうですが、“ルオカラ”とは、“レストラン”より気安い“ラ
ヴィントラ”、それよりもっと身近で小さい“食堂”のことだそうです。

          (Movie Walker より)

 ある夏の日、一人の日本人女性がヘルシンキに小さな日本食の食堂を開店した
ことから物語が始まります。彼女(サチエ)を演じるのが小林聡美で、現地の女性
から見ると小柄で童顔なので、一見子どもにみられ“子ども食堂”とか“小さい人
のおかしな食堂”と敬遠されお客は全く来ないのでした。

 そんなある日、日本かぶれの現地の青年が入って来て、アニソン「ガッチャマン
の歌詞」を教えて欲しいと頼まれたのがきっかけとなり、書店で見かけた背の高い
日本女性(片桐はいり)に声をかけたことが縁となり、親しくなってこの店で働く
ことになるのです。

          (ウイキペディアより)


 ある時、シナモンロールを焼いていて、その良い香りに引き込まれて何人かの
客が来るようになり、次第に店の味が評判となり繁盛するようになりました。それ
からいろんな人々と交流が広がって行くという、華奢な日本女性が我慢強く頑張る
姿が、しかし、その姿はやさしく、相手を包むようなさわやかで余裕を感じさせる
ものでした。優しい芯の強い女性が描かれていました。 おにぎりもおいしそう
でした。

         (ネット画像より)

 事件性のない、穏やかな人々の交流の中から人生を思い描き未来に向かってさわ
やかに生きて行く姿がスローライフに展開されていたようでした。

                     

 フィンランドで思い出しましたが、国連の『世界幸福度ランキング』で、6年連続
トップを占めているのがフィンランドで、拙ブログにも「世界幸福度ランキング」
(2023.7.11)で取り上げていました。早稲田大学にも留学していた、フィンラン
ド人のラウラ・コビロウさん(女性34歳)の講演録が会報に掲載されていたから
ですが、素晴らしい国のようですね。高額なはずの税金も殆どの人が納めたいと
いうのですね。
 フィンランドは、サンタクロース、ムーミンで有名ですね。オーロラ、サウナ
もそうですが、浪漫の漂う感じですね。しかしそんなフィンランドも今年4月に
NATOに加盟しましたね。

              

 お話変わりますが、少し前に韓国ドラマといっても、バラエティ番組として1時間物
21回連続の『ユン食堂2』を楽しく見た記憶があります。韓国のベテラン俳優4人
(ユン・ヨジョン、ィ・ソジン、パク・ソジュン、チョン・ユミ)が、スペインの
テレリフェ島、ガラチコという小さな村に韓国料理の小いさな食堂で、食材の仕入れ
から、仕込み、調理、配膳まですべて俳優がやってのける構成でした。
 1か月間限定の食堂でしたが、次第に現地のお客の好評を受け大繁盛するのです。
ドラマのようなシナリオもなければ、ただ、お客と俳優たちの調理からお客応対
など店員として働く自然で真剣な姿が印象的でした。 ビビンバやチャプチェを
はじめ、デザートにホットクまですべて対応していましたね。

 

 

 

映画 『かもめ食堂』 予告編

 

 

 

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キネマの神様  (bon)

2023-11-20 | スポーツ、芸能、映画

 松竹映画100周年を記念した 山田洋次監督の映画「キネマの神様」を観ました。

 この映画、ご難続きであったそうです。2020年12月公開の予定でスタートした
ものの主役の志村けんが新型コロナに感染し出演辞退となりそのまま帰らぬ人と
なってしまったのです。新型コロナは急速に拡大し政府は緊急事態宣言を発出して、
撮影などは中止せざるを得なかったのです。

 そんな中、志村けんの代役を、元事務所が同じであり仲良しであった沢田研二が
勤め、予定がかなり遅れて2021.8.6に公開されたのでした。

 映画の始まりは、テレビ映像に19年のラグビーW杯の映像が流れ、終りの方では、
新型コロナのマスク姿が写り、映画館では、三密を避けるべく座席を飛び飛びに
するなど、生々しい映像もありました。

        (映画.comより)

 作品は、2008年に刊行された、原田マハの同名の長編小説を基に、山田洋次監督
が脚色し映画化されたもので、映画の撮影現場や、脚本、監督など映画人を虜に
した題材の流れに、一人の男の人生と彼を取り巻く人々との愛や友情、家族の物語
が山田監督独特のタッチで進められていたようでした。

 

『映画監督を目指し、助監督として撮影現場で働く若き日のゴウ(菅田将暉、俳優・
歌手、箕面出身)は、撮影所近くの食堂の娘・淑子(永野芽郁、西東京市出身)や
仲間の映写技師テラシンとともに夢を語らい、青春の日々を駆け抜けていた。しか
し、初監督作「キネマの神様」の撮影初日に転落事故で大きなケガを負い、作品は
幻となってしまう。大きな挫折を味わったゴウは夢を追うことを諦めて、映画界
から離れてしまうのです。 後に、お酒と競馬に明け暮れ借金に責められる日々を
おくり家族を悲しませる毎日でした。』

        (エンタメOVOより)

  撮影技師だったテラシンは、自身の夢であった映画館を開いていて、年老いた
ゴウ(沢田研二)は、昔馴染みとして出入りしていた。 そんなあるとき、50
年も
昔に描いた脚本「キネマの神様」を孫が読み、ひどく感心し、映画雑誌の脚本募集
に応募し、見事脚本賞に輝くのでした。ゴウは昔の夢をこの年で始めて手にし、
家族に感謝しハッピーエンドを迎えますが、ゴウはテラシンの営む映画館の客席で
昔関わっていた映画を観終わると、その場で息を引き取っていたのです。

 

  以前、やはり山田監督の作品「キネマの天地」を観ましたが、こちらの俳優連中
は、まさしく「寅さん」と同じ役者オンパレードで、松竹映画の草分けを描いた
映画でした。

  山田監督としては、映画製作を対象とした映画ですからそれはお手の物だと思い
ますが、それに素人を引き込む努力を惜しみなく発揮しながら、そこに人生模様
をちりばめるお馴染みの手法が生き生きと芽生えているのですね。

  新型コロナの話題などが出てきて、一層身近に感じながら何だか変な感じもあり
ましたね。 映画は良かったです。

      ふたりのゴウ(現在と50年前) 
       (映画.comより)

 

 

 

『キネマの神様』特別映像~完成までの物語~

 

 

 

 

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「裏窓」  (bon)

2023-10-17 | スポーツ、芸能、映画

 映画を観ました。 NHKのBS映画劇場で放送されていた録画「裏窓」です。

 1954年のアメリカ映画で、アルフレッド・ヒッチコック監督、主演は、ジェームズ・
スチュアート、グレース・ケリーらのサスペンスものです。

 超有名な映画ですから、すでにご覧になられた方は多いと思いますが、もう70年
近く前の映画なんですね。この頃のヒッチコック作品で、グレース・ケリーが出演
している映画、「ダイヤルMを回せ!」(1954年)や「泥棒成金」(1955年)を数年
前に観ましたが、ヒッチコックだけあってどれもスリルとサスペンスに満ちた映画
ですね。

               (ネット画像より)

 で、この「裏窓」(Rear Window)は、ニューヨーク、マンハッタンのとあるア
パートがその舞台で、カメラマン(ジェームズ・スチュアート)が撮影中の事故で
足を骨折し、左足全体をギプス姿で、車いす生活を強いられています。 もう何
週間も部屋から一歩も出られず暇を持て余したカメラマンは、中庭の向こうのア
パートの住人の生活を覗き見る楽しみを覚えるのです。 彼を訪ねてくるのは、
彼の恋人(グレース・ケリー)と世話係の看護師くらいで、もっぱら会話の場面
が続き、画面は窓から見えるアパートの様々な人々の生活だけという、舞台劇の
ような設定なんですね。

 彼は覗き見に次第に興味を持ち始めている時、夫婦喧嘩ばかりしていた妻が忽然
と姿を消すのです。双眼鏡やカメラの望遠レンズで不審な様子を追いかけるよう
になるのです。

 彼の目線とスクリーン画面が一体となり、おまけに動作は見えるけれども中庭
の向こう側の窓ですから音が小さく聞こえる程度で言葉は聞こえない。彼の想像
がドンドンと膨らんで行くのでした。映画の視聴者は、彼と同じ状況に置かれて
いて、彼の目の動きや仕草でその状況を共有して行くのです。

          (ネット画像より)

 どうも殺人が起きたらしいと分かるのですが、その相手にこちらで覗いている
ことがバレて、逆に彼の部屋に侵入してくるシーンにはドキドキさせられるのです。
身動きが取れない車いすの彼に、じわじわと男は迫ってくるのです。 このあたり
はヒッチコックのお家芸の演出で、この映画のクライマックスでしょう。

 また、恋人役のグレース・ケリーは、シーンごとに素晴らしい衣装を着用して
その美貌を披露していました。ヒッチコックは彼女を評して "Grace Kelly is a
snow covered volcano"(雪に覆われた活火山)と述べた有名な逸話があるとあり
ました。

 話は脱線しますが、グレース・ケリーは、1929年生まれで裕福な家庭の3人姉妹
の真ん中でおとなしい性格であったようですが、20歳で女優となり、急速に上昇し
25歳『喝采』でアカデミー賞主演女優賞を受賞しており、翌年、モナコ公妃となり
ます。大きな話題になっていましたね。3人の子に恵まれますが、52歳の時に自ら
運転する車の交通事故で他界してしまうのです。 

 そういえば、まだ22~3歳の頃、渋味のある中年男の孤独と苦悩を演じるゲーリー・
クーパーと共演した、あの「真昼の決闘」にも妻役で出ていましたね。

          (ネット画像より)

 「裏窓」は、全編スタジオセット撮影という限られた空間でこれほどまでの緊迫
感や恐怖感を生み出しているのはさすがとしか言いようがありませんが、映画評
にはさらに次のような解釈がありました。
『彼(カメラマン)が裏窓を通して人生を知るという大きなテーマにある。妻の
浮気を疑い、ついには殺害してしまうセールスマンの夫はもちろんのこと、男たち
を手玉にとるように見えて、実は純情だったことが最後に分かる踊り子、失恋の
末に自殺しようとして、隣家の窓から流れてきた美しいピアノ曲に救われる孤独
なオールド・ミス。いつまでも冒険を追い求め、自分の人生を築くことから逃げ
ている彼にとって人生とは何か、自分にとって大切な人は誰かを教えるライフレッ
スンになっている。そして、人間の真の姿を知るには、表側からではなく、裏窓
から見るに限る、と。』

 かなり深いですね。

 

 

 

Caught Snooping - Rear Window (7/10) Movie CLIP (1954) HD

 

 

 

 

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Shall We Dance?  (bon)

2023-09-05 | スポーツ、芸能、映画

 今週は、ずっと雨予報でしたが、日曜日(9/3)は、これまでと同じような猛暑で
がっかりしていたところ、昨日は朝起きた時には細かな雨が降っていました。 
ようやく雨が降ってくれたと思ったら、午前中早い時刻にはもう、かぁ~っと日が
差して、期待外れに終わりました。 今日も又、お天気です。35℃こえか? 
一度、ザ~ッと来てほしいところです。

 昨日(9/4)は、BS3の映画『Shall We Dance?』を観ました。
2004年制作公開のアメリカのロマンティックコメディです。ピーター・チェルソム
が監督を務め、リチャード・ギア、ジェニファー・ロペス、スーザン・サランドン
らが出演しています。  軽いコメディですから、そのまま見ていると、どこか、
かって日本映画で観た『Shall We ダンス?』と似ていると感じながらどんどんと
進んで行きました。

        (ネット画像より)

 観ていると、主役の真面目そうな紳士は、役所広司に似ているし、ダンス教室の
講師役は、かなりのプロポーションですが、草刈民代のような雰囲気だし、競技会
に出るパートナー役も、渡辺えり(子)似の感じが出ていたり、後半で、竹中直人
が演じていたカツラがズレたりするシーンもあり、ほとんど日本の映画と同じじゃん! 


 そんなことを思いながら、映画が終わって、ネットを見ましたら・・1996年に
公開された周防正行監督の映画のリメイク版だと分かりました。 それにしても、
かなり忠実に再現されていて、配役のイメージまで似ていて これはこれで面白かっ
たです。

         (ネット画像より)

 日本の『Shall We ダンス?』は公開された頃に見ましたが、大ヒットということ
ですから、多くの方々がご覧になっていると思います。 両映画の役名と俳優を
対比させてみました。

     両映画の役名と俳優(上段がハリウッド版)
   

 真面目な会社勤めが電車の窓からダンス教室の華やかな灯りと、そこに映るダ
ンサーに心を寄せ、会社も家にも内緒でダンス教室に通う。 心をひかれた女性は、
ダンス講師で、実際教室での相手役は別人だった。 ある時ダンス教室の講師と
話す機会があり、食事に誘うが、講師からそのような下心で教室には来ないでほ
しい、ときつく諭されるが、その時はすでにダンスの楽しさを覚えると同時に、
ここでやめてしまえば、講師の言ったとおりになることからそのまま続けていた。
帰宅が遅いことに不信を抱き密かに調べるが、ダンス教室に通っていることが分
かる。

 ダンス競技会に出場するため、パートナーと猛烈な練習を重ね競技会でもいい
線を行くが、パートナーのドレスのスカートが落ち失格となる。 競技会には、
妻と娘が観戦に来て素晴らしいダンスを踊る父親に感動する。

 

 随分前に観た映画なのに、シーンなども覚えていたり、ハリウッド版に導かれ
ながら面白く拝見しました。 俳優のイメージまで合わせるとは!

        竹中直人の演技(オリジナル版)
         (ネット画像より)

 学生時代と就職後少しばかり、社交ダンスといっていた頃にダンス教室に通って
いたことがあります。就職で東京に来て、今は無き新宿コマの地下にダンスホール
があって、早い時間帯だと、プロのダンサーがいて、1ステージ(ワルツからワルツ
迄だいたい20分くらい)300円だったように記憶しています。
 そういえば、コマ劇場を正面に見て、左手のビルの2階にオデオンという名のダン
ス教室がありました。当時は、はやっていたというか、ダンス好きが多かったよう
ですね。
  懐かしい昔を想い出しました。

 

 

 

Shall We Dance (10/12) Movie CLIP - The Waltz (2004) HD

 

 

 

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「エビータ」  (bon)

2023-08-14 | スポーツ、芸能、映画

 1996年のアメリカ映画です。 観られた方も多いかと思いますが、私は初めてで
した。

 先ごろBS3で放送されていたものです。1978年初演の大ヒットしたミュージカル
『エビータ』をマドンナとアントニオ・バンデラスの主演で映画化されたものです。
 強く逞しい女性の象徴として「エビータ」の愛称で慕われた実在の女性、エバ・
ペロンが描かれたもので、恵まれない境遇に生まれながらもモデルや女優を経て、
アルゼンチン大統領夫人にまで昇り詰めた彼女の33年にわたる短くも激しい劇的な
生涯が綴られています。

           (ネット画像より)

 アルゼンチンの田舎町で私生児として生まれ、父親の葬儀にも参列を許されなかっ
た不遇の幼少期のエバは一転、15歳の時、流しのタンゴ歌手に無理やりくっついて
ブエノスアイレスに上京して女優を目指しますが芽が出ず、酔客相手のタンゴダン
サーとして生活しながらオーディションを受けるも落ち続けるうちカメラマンの愛人
となり、水着グラビアなどで売り出し、次にはプロデューサー、そして石鹸会社社長
と次々と男を変えながらのし上がって、ついに1944年に軍人ホワン・ペロンと出会う
のです。

         エバ・ペロン
         (ウイキペディアより)

 ペロンは、労働組合から絶大な支持を得、愛人関係のエバと共に権力を目指して
活動を始めます。二人は結婚後、エバはラジオ番組や演説を通じて、ペロンを応援し
広く民衆の支持を得るようになるのです。 46年にペロンはとうとう大統領となり、
エバは26歳にしてアルゼンチンのファースト・レディとなるのです。夫婦共々民衆
から絶大な支援を受け、南米におけるポピュリズムの元祖的な存在となります。

 聖俗両面を持つエバ役をマドンナが熱演しますが、アルゼンチン本国ではマドンナ
の主演に賛否両論あるとありました。

        笑顔のペロン夫妻
         (ウイキペディアより)

 エバの人気は「聖母エビータ」として慕われ、すごく盛り上がり、バルコニーに
立ってエバが演説をするシーンでも膨大な数のエキストラが動員されたとありました。

 強い意志により夢を実現してきたエバも、病には勝てず民衆とペロンの愛を乞い
ながら(You must love me)、1952年 33歳の若さで亡くなるのです。ブエノスアイ
レスで行われた葬儀には数十万の市民が参列するのです。

 

 この映画は、97年のゴールデン・グローブ賞では作品賞、主演女優賞、主題歌賞を
受賞しており、アカデミー賞ではアカデミー歌曲賞を受賞しています。

 2018年には、東急シアターオーブで、ミュージカル「エビータ」がオリジナル演出
版で上演されています。

 実話なんですね。

        東急シアターオーブでのミュージカル
        

 

 

 

Madonna - Don't Cry For Me Argentina (Official Video)

 

 

 

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折れた槍  (bon)

2023-07-27 | スポーツ、芸能、映画

 さきごろBS3で放送された、1954年に公開されたアメリカ映画です。

 1880年代のアメリカ南西部の大農場を営む、家族内の問題、銅精錬所の廃液が
川に流れる環境問題、さらにこの家族の後妻がインディアンの娘で一人息子をもう
けていることなど人種問題などが描かれた映画で、この原案を描いたフィリップ・
ヨーダンは、第27回アカデミー賞の原案賞を受賞しています。また監督のエドワー
ド・ドミトリクは、第12回ゴールデングローブ賞国際賞を受賞しています。

        (ネット画像より)

 大農場主の役は、あの「老人と海」で知るスペンサー・トレイシーで、厳格な
少々手荒い父親を演じています。 亡くなった先妻との間に3人の息子がいて、
長男役にはリチャード・ウイドマークが、息子を代表して父親に反発しているの
です。後妻には、インディアンの娘を迎え、その間に一人息子がいて、先妻の子
3人とはそりが合わないが父親には贔屓されていて、それがまた兄弟間のわだかま
りを増長しているんですね。

 ある時、牛泥棒が入ったとの知らせで、父親は長男、四男をお供にして牛泥棒を
捉えますが、なんと次男、三男の仕業で、父親のやり方に反発した行動だったの
です。 またある時には大量の牛が、川の水を飲んで死にますが、この原因が銅の
精錬所からの排水であったことから、精錬所と掛け合いますが埒が明かず、暴動
事件を起こし精錬所を壊してしまうのです。この当時のアメリカの産業は急激な
成長期にあるのですね。この暴動は当然裁判沙汰になり、農場主側が不利な立場
にあり、懇意にする知事に何とか取り持ってもらえないかと頼むシーンでは、四男
と知事の娘が懇意に付き合っているが、この結婚は許さないとの条件で、裁判の
口利きを引き受けたり、四男にはインディアンの血が入っていることに釘を刺し
ていたのでした。

        (ネット画像より)

 結局この四男が刑に服すということで決着がつきますが、長男はじめ3人の息子
はことごとく父親と対立し、自分たちの経営方針を貫く行動に出て、それをとが
めるために、既に弱っている身体を無理に馬上の人となり、息子たちを追いかける
のですが、その途中で馬上のまま死んでしまったのです。

 父親の葬儀には、四男は刑務所から一時外出が認められ、参列するのですが、
ここで、長男ら3人とは決別の意を表すインディアンの風習である槍を逆さにして、
長男の足元に突き刺し、敵対の意思を表すのです。

        (ネット画像より)

 刑を終えた四男は、その後反対されていた知事の娘と結婚し、二人で父親の墓に
参りに来た時、そこにはすでに母親(後妻)が供えておいた花束がおかれていて、
傍には槍がさしてありましたが、四男はその槍を折り、娘と二人して父親の農場
を守って行く・・そんなストーリーでした。

 発展途上にあるアメリカの種々の問題が描かれていました。先住民族との根深い
問題や都市化が進む時代の旧来の大牧場経営の歪みのような現象など、混とんと
した時代の一面を浮き彫りにしているようです。それに加えて、近代化する流れ
の中の若者たちと旧来の考えの親父とのずれなんかも描かれていたのでしょうね。

         (ネット画像より)

 荒野を馬で突っ走る姿は、西部劇のようでもありますが、街はすでに近代化の
走りの建物などが並ぶクッキリとした対象として描かれていました。ぶっきらぼう
で厳格な父親と優しい後妻、父親譲りの兄弟3人と腹違いの四男の性格の違いなど
娯楽的な要素は控えめであったようでした。

 

 

 

Broken Lance | #TBT Trailer | 20th Century FOX

 

 

 

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シェルブールの雨傘  (bon)

2023-06-23 | スポーツ、芸能、映画

 これまで何度も音楽は聴いていましたが、映画を観るのは始めてでした。
先ごろBS3で放送されたのを録画していました。

 1964年のフランス映画です。 ジャック・ドゥミ監督のこの映画は、音楽を
ミシェル・
ルグランが担当し、全編を音楽(歌う)のみでセリフが一切ないミュ
ージカル映画で、第17回カンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞した作品なんで
すね。そして、主題曲は世界中でヒットして、私なども音楽はよく聞いていま
した。

                 (cine tamarisより)

 原題は、Les Parapluies de Cherbourg (英題:The Umbrellas of Cherbourg)
で、フランスの北西部、ノルマンディ地区のイギリス海峡に面したコンタン半島
にある小さな港湾の町、シェルブールがその舞台で、その街の雨傘店の娘、主役
を演じるカトリーヌ・ドヌーブと近くの自動車整備工員との悲恋物語なんですね。

       ノルマンディ(白く囲んだところがシェルブール)
       (ウイキペディアより)

 ストーリーは、第1部旅立ち、第2部不在、第3部帰還、そしてエピローグに
分かれ、1957年から63年まで、アルジェリア戦争を挟んだ物語です。
 17歳の傘店の娘と愛し合う20歳の工員は結婚の約束をしますが、工員に兵役
の令状が届き旅立ち、娘は2年間の不在を苦悩のうちに過ごします。そこに裕福で
やさしい宝石商が現われ、娘の母親も気に入っているある時、宝石商から娘との
結婚の希望が告げられますがその時、娘のお腹の中に工員の子を宿していて躊躇
しますが、宝石商は、自分たちの子として育てようと結婚式を挙げます。

       (ネット画像より)

 その内、工員は兵役が終わって帰って来た時には、傘店は廃業してパリに移り
住んでいました。 工員は、一人悲嘆にくれますが、叔母さんを看病していた
やさしい女性と結婚し子供もでき、ガソリンスタンドを経営するのです。

 クリスマスの夜、パリからこの町に来ていた傘店の娘は、ガソリン補給のため
にこのガソリンスタンドに車を寄せるのです。 出てきた店主は、昔恋焦がれ
ながら分かれたあの工員だったのです。助手席の子は、あの時の工員との子供
だったのですが会うこともなく、娘から「今は幸せか」と聞く言葉にただ頷く
工員をそのままあとにして車は姿を消すところで終わります。ガソリンスタンド
には雪が降りしきりカメラはそのまま引いて行くのです。

       (ネット画像より)

 このようにストーリーは、よくあるパターンで、特にどうということもあり
ませんし、あのシェルブールの駅で別れたまま何年か後に偶然自身が経営する
ガソリンスタンドで再開するクライマックスの最後のシーンであるはずが、さ
らりと「今は幸せか」と一言聞くだけで別れてしまう・・なんだか惜しまれる
感じでもあります
が、しかしそれが、二人の今の幸せな生活を物語る、甘くほの
ぼのとした余韻として豊かなメロディーとともにフェードアウトして行くのです。

             

 ネットの評に、「何気ない普通のセリフが全て歌によって語られる。映画に
よるミュージカルの手法というものを根底から覆し、オペラの手法を導入した
革新的な表現である。 映画ではそのストーリーの部分に焦点を合わせるため
音楽は効果として使われるのが一般的だが、本作は全く逆であり、音楽ありき
ながらミュージカルの装飾的演出を排除した一般的な映画の表現である。」 
「やはり若き日のカトリーヌ・ドヌーブの存在感は圧倒的である。何より本作
に酔う人はミシェル・ルグランの音楽の魔法に掛けられていると言っても過言
ではない。」などが寄せられていました。
 イタリア映画のような心を揺さぶる激しい感情はありませんがメルヘンチック
な素晴らしい作品でした。

 

 

 

「シェルブールの雨傘 Les Parapluies de Cherbourg」~Soundtrack by Michel Legrand

 

【拾い物】追悼 ミシェル・ルグラン シェルブールの雨傘 壮大編曲ver (Michel Legrand - Les Parapluies de Cherbourg)

 

 

 

 

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