秋の恒例行事、読書週間は今日から始まります。今年第77回だそうです。
今夜は「十三夜」です。昨夕5時ころには、まだ薄明るい東の空低いところに、
大きな白っぽいお月さまが静かに昇って来ていました。今夜は晴れていると、
さらに膨らんだお月さまに会えますね。
10月も早く過ぎたように感じています。
あれこれと雑用があったり、接骨院のあちこちを探したり予約したり・・などを
しているうちに、気が付けばもう月末近くなっている。 ハローウインの話題が
このところ割とにぎやかになって来ていますね。駅前に、宝くじの「ハローウイン
ジャンボ」の幟が出ていました。
不思議な日本語も数を重ね、整理しかけてはいますが、今半分くらい書き出した
ところで、まだ、出来上がっていないのです。ダブらないように気を付けながら
言葉を選んでいますが、早く整理しないといけないと思っています。
例によって、思いつくままランダムに列記しています。 では今回もよろしく
です・・。
・おもむろ 漢字では「徐」ですから、意味は分かりますね。コトバンクには、
「動き方がゆっくりしているさま。しずか。ゆるやか。おもふる。おもむる。」
とあり、「おもふる」の変化したものとする説があるようですが、定かではない
としています。
日本語不思議辞典には、「おもむろ」は古語で「ゆっくり」を意味する「おも
ぶる」に由来するのではないかとしていて、現在でも「落ち着いて、ゆっくり動く」
という意味で使われますが、文化庁の調査によると現在は40%以上の人が「不意に、
突然」という意味だと思っているようだとあります。
平成26年度「国語に関する世論調査」の結果では、この言葉の意味を正しく理解
していた人は44.5%だったそうで、40.8%の人が誤用とされる「不意に」という
回答を選択したそうです。本来の意味を知って驚く人も多いとあり、ネット上では
「“いきなり何かをし始める”って意味だとずっと思ってた」「『おもむろに』って
語感にゆっくりしたイメージが全然ないし、誤用されるのも仕方ないかも」などの
声があるとか・・。
「おもむろに」とほとんど同じ使い方をされる言葉に「やおら」があり、こちらも
「ゆっくりと」という意味ですが、間違って「急に、いきなり」という意味で誤用
されるケースが多いとあります。
平成29年度「国語に関する世論調査」の結果を見てみると、「やおら」について
誤った意味で覚えていた人は全体の30.9%。正答である「ゆっくりと」を選んだ
人は39.8%で、言葉の意味が「わからない」と答えた人の割合も23.5%あったそう
です。
「おもむろに」や「やおら」が誤用される理由は、“いきなり”という意味の
「やにわに」と混同されているという説もあるようですが、SNS上では「どれも語感
が近いから紛らわしい」「『やおら』と『やにわに』、『おもむろに』をいつも
間違えてしまう」と悩む声もあったとか・・。
(ネット画像より)
長くなりますが、こんな解釈もありました。つまり、
『「おもぶる(徐)」「おもむろ(徐)」は、「おもみゆれゐ(重身揺れ居)」。「みゆ」
が前音のM音にも影響されつつB音化している。重い身がゆっくりと動く状態を表現
したもの。「おもむる」とも言うでしょう。語尾が終止形「う(居)」になり「おもみゆ
れう(重身揺れ居)」なら「おもむろ(徐)」になる。「おもぶるに」「おもむろに」は、ゆっ
くりとした重々しい印象であることを表現する。これは漢文訓読系の表現のようです。
つまり、人々の日常会話から生まれている表現ではない。』
・うだつ ウイキペディアの解説をコピペしました。『平安時代は「うだち」
といったが、室町時代以降「うだつ」と訛った。 本来は梁(うつばり)の上に
立てる小さい柱のことを言ったが、そののち、自家と隣家との間の屋根を少し持ち
上げた部分を「うだつ」と呼ぶようになった。桃山時代に描かれた洛中洛外図屏風
にはうだつのある長屋が描かれている。 桃山時代から江戸時代初期にかけては
木製のうだつが存在するなど、当初は防火壁と言うよりも屋根が強風で飛んだり
するのを防ぐ防風の意味合いや、また装飾的な意味合いが強かった。(中略)
うだつを上げるためにはそれなりの出費が必要だったことから、これが上がって
いる家は比較的裕福な家に限られていた。これが「生活水準が向上しない」「出世
できない」「状態が今ひとつ良くない」「見栄えがしない」という意味の慣用句
「うだつが上がらない」の語源のひとつと考えられている。』
「うだつ」の写真を探しました。
(トリスミ集成材より)
うだつの街並み
(瀬戸内Finderより)
・びびる 怖気づく、萎縮する の意味ですが、現代語だとばかり思っていま
したら、古くからある言葉なんですね。一説には平安時代からといわれているとも
ありましたが、これはさすがに行きすぎているようです。 語源的には、大地の
震動音や物の震動音「ビビ」に反応して尻込みするする状態から「ビビる」が生ま
れたとする説、「びくびくする」の略で、「ビビる」になったという説があるよう
ですが、後者の方がより妥当ではないかとありました。
(ネット画像より)
また、上方方言に「ビビる」がいろいろな意味に使われてきたとあり、・尻込み
する、気後れする ・けちけちする ・音がふるえる ・小さく振動する ・大小
便を漏らす などが挙げられていました。
「けちけちする」という意味が、お金を出すのに尻込みすることからきている
とすれば、どれも「ふるえる」という要素が共通していることから、「びびる」は
物のふるえるさまを表すオノマトペに由来していると考えてよいのではないかとの
意見もありました。 どちらももっともなようですね。
江戸時代に芸人たちが舞台前に緊張して尻込みする様子を「びびる」といった
ともいわれているそうです。
・退屈 goo辞書に、1、することがなくて、時間をもてあますこと。また、その
さま。「散歩をして―をまぎらす」「読む本がなくて―する」 2、飽き飽きして
嫌けがさすこと。また、そのさま。「―な話」「―な人」 3、疲れて嫌になる
こと。「呪咀 (じゅそ) することの及ばぬとて、かの后たち―し給ふ」〈伽・熊野
の御本地〉 4、 困難にぶつかってしりごみすること。 5、仏語。修行苦難に
負け、精進の気をなくすこと。
(ネット画像より)
とあります。意味的には、1,2,3あたりが妥当かと思いますが、語源的には、
むしろ 5の仏教用語からのようです。 すなわち、仏道修行の苦しさや難しさに
屈して、仏道を求める心が退き、精進努力する心を失うことを意味しているのです。
そこから、くたびれて気力がおとろえること、畏縮すること、困りはてることなど
の意味になり、さらに転じて、倦怠の意となり、ひまをもてあますことになった
そうです。
余談ですが、退屈と暇の違いは何か? ネットから・・暇とは、何もする必要
のない時間で、これはその人のあり方には関係のない客観的な条件です。 それに
対して、退屈は何もすることがなくて不快だという主観的な感情や状態を指します
とありました。しかし、暇を持て余す‥とくれば、これは退屈に近寄って来ている
のでしょう。
ボアアウト症候群というのをご存じですか? ボアアウト症候群とは「退屈症候
群」ともいえる状態で、仕事に対して物足りなさややりがいのなさを感じながら
「退屈な状態」を過ごすことで、気力の低下を感じる状態のことです。働く意欲
が低下する状態で、こうした状態が続くと、ストレスやフラストレーションが溜
まり、長く続くと自己評価の低下、不眠やうつ状態に至るともいわれています。
一昔前にはあったかもしれませんね。
・ややこしい 複雑で分かりにくい、紛らわしいなどの意味で使われますが、
「雑学ネタ辞典」に面白い表現がありました。西日本の地域でよく用いられる言葉
で、「赤ちゃん」「赤ん坊」のことを「ややこ」と呼びます。「ややこ」は漢字
では「稚児」または「嬰児」と書きますが、「赤ちゃん」はかわいいけれども、
時に泣き出し、なぜ泣いているのか分からないことも多く赤ちゃんの世話は難しい
面がある。その世話のわずらわしさから、複雑で分かりにくい、面倒だ、などの
意味になったとあります。
「ややこ(赤ん坊)」+形容詞化語尾「し」で、「ややこし(い)」となります。
また、「赤ちゃん」の対義語は「大人」であり、これに由来して「ややこしい」の
対義語は「大人しい」となります。「おとな」+「しい」。
(ネット画像より)
もう終わりますが、古語に「心をわずらう」という言葉に「ややむ」という動詞
があり、そこから派生して「ややましい」(ややこしい=心わずらわしい)という
形容詞となったとの見方があり、この「ややましい」を「ややこ」との類推で転
じた一種の洒落言葉が「ややこしい」となったのではないか、との意見もありま
した。
まったく、ややこしい話ばかりで、退屈でしたでしょうか?
(ネット画像より)
Yasmin Levy - Una Noche Mas (SR) - HD