もう、2月もあと1日を残して終りとなりました。。
新型コロナを意識してから 丸1年が過ぎてしまいまいました。 過ぎてしまえば
早いものですが、この間、大変な思いに沈んだ人たちも多くおられ、亡くなった人
も日本で8000人に近づいていますし、アメリカでは50万人を超え、これまでの大き
な戦争での死者の合計よりも多いというありさまで 大変な事態になっています。
このところ、感染者数も少くなってきており、ワクチン接種が進めば、東京オリ・
パラは無事開催できるのでしょうか?
そんな中ではありますが、またまた日本語の不思議さ、面白さを 簡単ですが、拾
ってみました。今回はその10回目になりました。
いきなり・・
・赤の他人 なんですが、どうして「赤」なのでしょうか? 青の他人、黒の他
人・・などとは言わないですね。
goo国語辞典に『「赤」は明白の意。全く縁もゆかりもない他人。完全に無関係な
人。』とあります。
この理由はあまりはっきりとしていないようですが、色の「赤」ではなくて、「明
らか」の音が、「赤」となったのではないかと。 Goo辞典の「明白」となっている
のもそうなんですね。 もう一つの理由として、仏教用語で「閼伽(あか)」という
のがあり、これは仏前にお水をお供えする水のことを言うそうですが、この水のよう
に「冷たい」関係である・・ところから、全くの他人・・という説もありましたが、
ちょっと無理筋かも・・と思います。
真っ赤なウソ というのもあります。「まぎれもないうそ。全くのうそ。」で、
強調された意味がありますね。 「赤恥」、赤っ恥などもあり、人の前で受けるひ
どい恥。赤面するほどのひどい恥。・・ですね。
復習しますと、「赤」は「明(あか)るい」「明らか」の「明」と同一語源で、
名詞の上に付くことで、その言葉を強調する「全くの」「すっかり」「明らかな」
「それ以外の何物でもない」などの意味を持つと整理されていました。
余談ながら、タクシー業界用語に「赤はじ」というのがあるそうですが、この意
味は、緊急時でもないのに防犯灯が作動している(社名表示灯が赤く点滅してスー
パーサインにSOSが表示している)のを指摘された場合に用いる、とあり、これに気
づかずに走行していて警官が発見した場合 青切符(1点)が切られる・・のだそう
です。これは、赤色の光度が増減する灯火を点灯して走行することは道路交通法で
禁止されているからだそうです。
交通違反の時、赤切符は免停や免許取り消しなどの重度違反(例、30㎞/hオーバ
の速度違反など)青切符は、それより軽度な違反や事故で 例として、30㎞/h未満の
スピード違反など。 白切符というのもあり、これはシートベルト無着用などの軽
微な違反だそうです。違反の時に、処理される伝票の色からそのように言われるそ
うです。
・行平鍋 雪平鍋 ともありますが、どちらも正解だとありました。
平安時代初期の公卿、在原行平 中納言に因んだ名前なんですね。
行平は、弟の業平(在原業平)とともに、天皇の血筋(孫)でありながら、皇位
係争に巻き込まれることを恐れ在原氏を賜り、臣下となった人なんですね。ある時、
須磨に蟄居を命ぜられ、3年ほど過ごしますが、そこでは、二人の海女(松風、村雨
と名付ける)を仕えさせ塩造りをしたときに使った鍋を「行平鍋」、そして出来た
塩は雪のように白いことから「雪平鍋」と呼ばれているとありました。 配流の身で
ありながら、かなりプレイボーイ風でもあったと伝えられているようです。
行平鍋
(ネット画像より)
で、蟄居が解けて、因幡国の国司の長官に任じられて、赴任する時の歌が百人一
首にあります。(二人の恋人に贈った歌とあります。)
『立別れ いなばの山の 嶺におふる まつとし聞かば 今帰り来む』
また、松風、村雨については、後の 能、歌舞伎などの演目としても取り入れられ
ているそうです。
ちなみに弟、業平の百人一首の歌は、よく知られる 『ちはやぶる 神代も聞か
ず 龍田川 から紅に 水くくるとは』です。
人の名前が、道具に使われているのに、『孫の手』があります。手の届かない背
中などをかくものですね、かわいい孫に頼むように・・孫の手、と思っていました
ら、そうではなく、中国のその昔、『神仙伝』という書に出てくる仙女の名前「麻
姑(まこ)」だとありました。麻姑は、若く美しい容姿で、鳥のように長い爪をし
ていたと伝えられているようです。 孫の方が、何となくぴったりですね。
孫の手
(ネット画像より)
長くなりましたが、行平鍋の特徴は、表面が凸凹に打ち出されているところで、
平らなめんよりも表面積が広いため熱が伝わりやすく、保温力にも優れていて、変
形しにくく耐久性が高いとあります。・熱伝導性・保温性が高い ・軽い ・耐久
性がある ・安価である ・注ぎ口がついている ・異なるサイズを重ねて収納で
きる などが挙げられていました。
・めくるめく ネットから、「め‐くるめ・く」は、「目×眩く」で、『目が
くらむ。めまいがする。また、魅力にひかれて、理性を失う。 「―・くような高
さ」「―・く快楽の日々」とあります。 そのほか、「―・く光」(まぶしい光)
「―・くほどの輝き」 「―・く未来」(かがやかしいほど明るい未来) 「―・く
明るい人類の未来」などが挙げられていました。
この、「めくるめく」という言葉は、私にはちょっと、しっくりこない感じがし
ています。
・目くじら 目をつりあげて人のあらさがしをする。他人の欠点を取り立てて非
難する。 「小さなミスに―・てる」などといいますが、「目くじら」とは、顔の
「目尻(めじり)」のことで、「目くじり」とも言うとあり、「目くじら」は「目
くじり」がなまったものとありました。 あの、哺乳類のクジラとは関係がなかっ
たのですね。
また、「目くじら(目尻)を立てる」の「立てる」とは、目を吊り上げている様
子を表わしており、目尻、または怒った目つきという意味の「目角(めかど)」を
用いて、「目角を立てる」という言い方も同じ意味だとありました。
・身も蓋もない 「身も蓋もない」の「身」とは、「中身」ではなく容器本体のこ
とです。 言葉が露骨でなんの含みもないという意味で、それを言ってしまったら話
が続かないというときに使う表現だとあり、身も蓋もないわけですから、結局 何も
ない ことをやや反論的に強調していっているのでしょうか。
「身」という言葉にいろんな意味があり、次に列記します。1,生きている人間
のからだ。身体。「茂みに身を隠す」「装飾品を身につける」 2.わが身。自分
自身。「身を犠牲にする」「身の危険を感じる」 3,自分が何かをやろうとする
心。誠心。「勉強に身が入らない」 4,地位。身分。立場。「身のほどをわきま
える」「他人の身になって考える」 5 皮や骨に対し、食べられる部分。肉。「魚
の身をむしる」「身の小さな蛤 」 6,容器の、ふたに対して物を入れる部分。
また、ふた付きの鏡などで、ふたに対して、本体の方。 7.衣服の袖・襟・衽(お
くみ)などを除き、胴体を覆う部分。身頃 (みごろ) 。 8.刀の鞘に収まっている
刃の部分。刀身。 9、木の、皮に包まれた部分。 10.身ぶり。 とありました。
また、これと似た言葉に「元も子もない」があります。こちらの語源は「元金も
利息も」で、「利得を狙って失敗した挙げ句に、持っていたものまですべて失う」
という意味です。「身も蓋もない」は「はじめから何もない」ないのですね。「花
も実もある」は表面を飾るだけでなく精神面でも優れているという意味で、外観も
内面も充実しているようす・・なんですね。
今回は、ちょっと長くなり申し訳ありませんでした。
七つの水仙 / ブラザーズ・フォー