もうかなり前に、“お受験(おじゅけん)”とか“公園デヴュー”などという言葉を聞いた
覚えがありました。小学校や さては幼稚園に入学する試験を突破するための親の活動を、
皮肉交じりで言った言葉かと思っています。 このような事態は、幸い経験がないまま、既に
下火となっているのかと思っていました。
ところが、先頃(1/28)の、読売新聞朝刊1面の広告欄を見てギョッとしました。
『 お受験・英才教育の真実 天才・奇才のつくり方
・他誌では読めないー小学校新序列マップ
・志願者数/内部進学状況/寄付金/学費 最新お受験データ&ランキング
・大図解―名門小学校の試験傾向一覧
・子供たちの素顔&各校別ライバル・併願先
1/21号 週刊 ダイヤモンド(ダイヤモンド社) 』
(ダイヤモンド社HPより)
あぁ、このような小さな子供の世界にまだ競争が残っているのか! しかも、キャッチ
コピーの表現に“天才・奇才のつくり方”とあり、そこのところがあまりにも人工的な
イメージで、子供をあたかもモノのように捉えられているように感じました。 最近、
IPS細胞を豚に移植してヒトに向けた臓器培養の研究成果が報じられていましたが、とも
ども何やら殺伐とした雰囲気を感じたのでした。
「週刊ダイヤモンド」といえば、ウイキペディアによれば、1913年(大正2年)に経済月刊
誌として創刊された由緒ある雑誌とあり、数ある週刊誌とは一線を画している? などとも
思っていました。
しかし、どうやら、昔の“お受験”が、今もなお活発に息づいているのですね。 雑誌の
内容は読んでいないから分かりませんが、サブタイトルや広告の見出しから、かなり過激な
状況を推測してしまいます。
ネットを見ていますと、様々なサイトが目に止まりました。 一例として・・
○小学校受験新聞 http://www.jyukennews.com/
○お受験インデックス http://www.ojyuken-index.com/primary.html
○お受験じょうほう http://www.ojuken.jp/
等がありましたが、学校紹介、試験傾向、費用ランキングなどが掲載されているようです。
お受験ママのファッションなどのサイトもありました。
(ネット画像より)
そもそも、お受験とは何だったのか? ネットにありました。
『バブル経済期の1980年代以降、小学校受験ブームが到来した。 バブル崩壊によりブームは
一時的に沈静したが、ゆとり教育への危機感から「学力指導への期待」「地元の公立小学校へ
の不信」「激化する一方の中学受験のあり方への疑問」等、公教育や中学受験への不満を背景
に2000年頃から再び小学校受験熱が大きな高まりをみせている。』
『学校側も少子化への危機感から学校の門戸を幅広い層に広げる必要があり、少しでもよい
環境で子供を学ばせたいと願う親の熱意と相まって、首都圏や関西圏の一部では小学校受験は
珍しくない光景となっている。特に受験が盛んな渋谷区や千代田区、文京区などでは就学児童
の4割超が国私立小に進学する地区もみられる。』
『2006年から関関同立が相次いで小学校を開設することで関西の私立小ブームに火が点き、
関東でも第二慶應幼稚舎の2011年開校を控えて私立小への注目の更なる高まりが予想されてい
る。これら以外の有力私学も、早い段階での生徒の確保、高い学力レベルの維持、運営資金の
獲得、ブランド力の維持などを目的に小学校開設を計画しており、その成否が自校の存亡に関
わる問題と考えている』
また、小学校受験に対する批判記事もありましたが、その中の一部に次のような下りがあり
ました。
『・・・アメリカのワシントン・ポストは小学生受験に熱中する親を批判、子供たちは本当に
有名小学校に入りたいのだろうかと批判。日本はアメリカと違い飛び級制度がなくエリート
コースに乗るためには有名高校・中学・小学校に入ることが義務つけられていると説明。その
うち日本のエリートは産まれる病院のベッドの段階ですべてが決まるようになるだろうと皮肉
った。』
松竹映画、『お受験 OJUKEN』もあったのですね。滝田洋二郎監督、矢沢永吉の映画初主演
作品で1999年に公開されたとありました。