12月も半ばを過ぎ、季節外れの話題で恐縮ですが、あのシオカラトンボのトンボ の話題です。
この12/9にIUCN(国際自然保護連合)は『絶滅の恐れのある動植物(絶滅危惧種) をまとめた「レッドリスト」の最新版を発表し、トンボ類の種の16%が絶滅リスク に直面していると指摘した』と12/11の読売朝刊にありました。 で、早速、ネット調べをしてみました。
世界のトンボ類 6016種のうちすでに絶滅した種と情報不足の種を除く4285種の 中で今回約16%に当たる675種が絶滅危惧種に指定されたのです。 つまり、今回 初めて地球規模のトンボ類評価が行われた結果、世界中でトンボ類の深刻な減少が 起きていることが明らかにされたのです。
(IUCN記事より) 原因としてトンボ類の繁殖する沼沢地や自然河川が広範に消失していると指摘し、 湿地の消失はほとんどが持続不可能な農業と都市化により引き起こされているとし ています。
南アジアと東南アジアでは、主にパーム油などの作物用の場所を作るために湿地 と熱帯雨林地域の開墾により全種の1/4以上が絶滅の危機に、中南米では住宅および 商業用の森林の伐採により、さらに農薬やその他の汚染物質、気候変動によって種 に対する脅威が増大し、これらは北米とヨーロッパのトンボに対する最大の脅威と なっているというのです。
IUCNのトンボ スぺシャリストの議長V博士は『トンボは淡水生態系の状態の非常 に敏感な指標であり、今回の評価はそれらの衰退の規模を明らかにしており、今後 の保護に向けて、政府、農業、産業が、たとえば主要な生息地を保護し、都市の湿地 にスペースを割り当てるなど、開発プロジェクトにより湿地の生態系保護を検討す ることが重要である』と指摘しています。
IUCN事務局長は 『地球規模でこうした生態系は森林よりも3倍の速さで消えつつ ある。沼沢地や他の湿地は、われわれにとっては非生産的で不快な存在と思われる かもしれないが、実際はわれわれの生存に不可欠な恩恵をもたらしているのです。 炭素を貯留し、清澄な水と食料を供給し、洪水から守り、世界の既知の生物種の10分 の1にとっての生息環境も提供してくれている』と警鐘を発しています。
(IUCN記事より)
IUCNは、International Union for Conservation of Nature and Natural Resources の略で、「自然及び天然資源の保全に関する国際同盟(通称:国際自然保護連合)」 とよばれています。 1948年の設立で本部はスイスに置かれています。 日本は1980年にIUCN日本委員会(IUCN-J)が設立され、1995年に国家会員として 加盟しています。 IUCNの種の保存委員会では、毎年「絶滅の恐れのある生物リスト(レッドリスト)」 を作成しており、最新のIUCNレッドリストには142,577種が掲載されており、その うちの40,084種が絶滅危惧と評価されています。 (注:生物の全種数は約212万 8,000種あるとあります。)
日本では、2016年のトヨタ自動車とIUCNのパートナーシップ協定が大きなエポック となり、レッドリストから作成されるレッドリストインデックスが、SDGs15(陸の 豊かさを守ろう)の達成指標の一部となりました。世界の生物多様性の保全状況を みる物差しとなるIUCNレッドリストの作成に、日本や日本企業が様々な形で貢献し ているのですね。
長くなりますが、日本には約200種近くのトンボがいるそうです。 私が子供の ころ、疎開していた田舎ではもちろん、終戦後の大阪の街中の池にもヤゴやアメン ボウ、コウイムシなどがいました。 疎開先では、夏の夕方、糸の両端に小さな 重りを付けて赤いセロファンに包んだ“もんどり”?といっていた、それをトンボ が来るのを見計らって空に投げる。と、トンボは、それが虫かと思って食べに来る と糸に絡まって落ちてくる・・そんな遊びをしたことがあります。
トンボは、ヤゴのころは水中の虫を食べ、成虫になると蚊などを食べる益虫ですが、 人工飼育は難しいとあります。 自然環境保護の指標に、トンボやホタルの生息状況 が用いられていますが、蛍は比較的育て易いそうですが、トンボに対しては自然の 池などを適宜確保しておかないとなかなか繁殖が難しいので、積極的なこれらの環境 を保全することが求められているようです。 最後にトンボの種類です。(ウイキペディアより) 均翅亜目 (イトトンボ亜目)ほとんどの種類が翅を閉じて止まる。 ・ イトトンボ科:キイトトンボ、セスジイトトンボなど ・アオイトトンボ科:アオイトトンボなど ・モノサシトンボ科:グンバイトンボ、モノサシトンボなど ・カワトンボ科:ハグロトンボなど 他
アオイトトンボ (ウイキペディアより) 不均翅亜目 (トンボ亜目)後翅が前翅より広く、休む時は翅を開いたまま止まる。 ・ヤンマ科:ギンヤンマなど ・オニヤンマ科:オニヤンマ ・トンボ科:シオカラトンボ、アキアカネ、ウスバキトンボなど 他
シオカラトンボ アキアカネ (共にウイキペディアより) 均翅不均翅亜目 (ムカシトンボ亜目)翅を閉じて止まる特徴がある。 ・ムカシトンボ科:ムカシトンボ
とんぼのめがね VIDEO
こんなトンボもありました。 長渕剛 - とんぼ 【歌詞付き】 VIDEO