まだ9月(9/27)というのに肌寒いくらい、最高気温は20℃に届かない、しとしと
と降る小雨のお昼前、JR目白駅が待ち合わせでした。
駅前から、学習院を右に見て、まだ緑みどりしたイチョウ並木の目白通りをバスで目白
台3丁目まで来ました。
今日のお目当ては、友人の企画による、永青文庫(美術館)の観賞から、肥後細川庭園、
松聲閣、関口芭蕉庵、江戸川公園までの美術鑑賞と庭園散策でした。
バス停を渡ると、そこは、野間記念館で、よく手入れの行き届いた庭園の奥にしっとり
としたたたずまいの記念館の前まで行きました。 横山大観展を開催中でしたが、今回は
ここはパスして、ちょっと早めのランチとしました。
富士山のふもとの自社運営するオトワファームから取り寄せているという、「野菜倶楽
部 oto no ha Café」で、大きなお皿にたっぷりの野菜サラダランチでした。多種の野菜と
ハムの角切りにスープ付き、それにコーヒーとまるでベジタリアン?の感じ。
店内は、ほぼ満席でしたが、ほとんどが女性だったようです。
永青文庫正面 入口
細川コレクション「永青文庫」では、この期間『大名美術入門~殿と姫の美のくらし~』
とのテーマで、肥後熊本藩主、細川家の甲冑や調度品などのお宝が展示されていて、解説
を読むうち、ガラスの向こうに展示されている具足や陣羽織が、実際に身につけられていた、
またお道具類なども実際に使われていたとの感覚が急に迫ってきて、一瞬その世界にグッと
引き込まれました。
これまで、同じような展示を何度も観てきましたが、それらは美術品として鑑賞し、ガラ
スを通すことで現実との距離が明確にありました。 このような身近な思いに一瞬引き込ま
れたまま、細川家の長い系図をまじまじと見入ってしまいました。
そんな思いを抱きながら、柔らかな糸のような雨の中を、目白台から神田川に至る急に
下る地形を巧みに利用した、池泉回遊式の広々とした「肥後細川庭園」に入りました。
人影もなく、傘を差して、眼下の池を眺めながら回遊し、元細川家の学門所であった
「松聲閣」(しょうせいかく)を見学しました。大正ロマンを感じさせるお屋敷の2階から、
庭園が一望できここでもひと時、遠い世界にいるような感じでした。
1階のお茶室で、お抹茶をいただきながら静かな語らいに時を過ごしました。
肥後細川庭園(松聲閣2階から) 出口付近
お茶をいただきながら・・窓の外は庭園
外はまだ小雨。 神田川沿いに江戸川橋方向に少し行ったところに、左側に急な上り坂
「胸突坂」があり、それをちょっと上がったところの「関口芭蕉庵」に入りました。
ここは、江戸の水を確保するため神田上水の改修工事が行われていた頃(1680年ころ)
に、工事に携わっていた松尾芭蕉が住まいにしていたところだそうで、この地に復元した
とありました。 あの芭蕉がまさか!という気がしましたが、当時、ここは「竜隠庵」と
呼ばれた水番屋で、そこに住んでいたのだそうです。
神田川沿いに正門がありますが、めったに開門されず、胸突き坂の裏木戸のようなところ
が現在の出入り口となっているのでした。
関口芭蕉庵(現在の出入り口)
池を囲む鬱蒼とした木々の庭を回るほど、これが当時の面影なのかとも思ったりして、
管理人さんに問い合わせていると、とにかく一人でお守していて、手入れも行き届かなく
て申し訳ないという感じで、いちいち正門を開けるのも大変なのだとか・・。
ちょうど、書道展が開かれていて、勧められるままに座敷に上がり、ご自身の作品も出展
されている 若い女性書家から直々の解説をいただき、芳名録に記帳するなど得難い体験を
しました。
桜のころは、大変な賑わいとなるソメイヨシノの大木の並ぶ神田川沿いの道も、今日は
ひっそりとして、左側上方に椿山荘を見ながら最終点の江戸川橋まで来て、お別れとなり
ました。
小雨もほぼ上がったようでしたが、細い小雨は、今日の行程の印象をより一層深める演出
であったように思われました。
しっとりとした、楽しい充実した一日でした。
最後に、ランチどころの写真です。
ランチをした 野菜倶楽部 oto no ha Café 野菜サラダランチ