今日は二十四節気の「春分」です。お彼岸の中日ですね。全国的にお天気は雨模様の ようですが気温は高く、春本番ですね。私の地域は、朝からお天気で雨は来ないですね。 花だよりも聞かれ、今日は東京も開花宣言され、しばらくは賑わうことでしょう。 ベランダの陽光ざくらもそろそろ咲いて来ています。
先週の月曜日から、風邪の症状で、特に喉の痛みがこれまでにない激しさで、内科から 耳鼻科へと移って、鼻から細いカメラを入れて、喉の奥を見る・・を既に3回もやって、 自分の目で初めて自身の喉の奥、声帯を画面で見ました。 検査結果は、特段悪性のモノ は無く、ようやく回復してきました。 明日(3/22)もう一度病院で検査して異常なし! を期待しています。
このような状況でしたが、次第に元気が戻り、先ごろ手元に届いていた会報に、喉に 関する記事が掲載されていましたので、しばらく お休みしていましたブログ記事に取り 上げてみました。
「誤嚥性肺炎から命を守る術」と題した、昨年10月に行われた講演記録(稲川利光氏、 医博、原宿リハビリテーション病院筆頭副院長)から、表題部分に注目して拾い読みして みました。 前置きが長くなり申し訳ありません。
加齢に伴って、足腰が弱り、体力が落ちてくることは避けがたいことですが、同時に 飲み込む機能も落ちて来るというのですね。「誤嚥性肺炎」なる言葉はよく知られている ところです。
食べて、物を飲み込むとはどういうことか? そして、その機能を老化から少しでも 防止して 健全に保つにはどうすればよいか? 先ず、下の図を見てください。
嚥下と呼吸に係わる器官 (日本耳鼻咽喉学会HPより)
嚥下と呼吸に係わる器官で、鼻と口は喉で繋がっていることは、よくわかっていますが、 気管と食道が喉頭のところで、立体交差のようになっているのです。 そのどちらかを 振り分ける役目は、「喉頭蓋」という弁の働きなんですね。この部分は、さらに次の図に、 喉頭部を真上から見たところを示しています。
(日本耳鼻咽喉学会HPより)
余談ですが、今回、私が耳鼻科で鼻から入れたカメラで撮った画像はまさしくこの図で したから、かなり奥まで挿入されていたのだと分かりました。 で、この喉頭蓋の上部の “八”形になった部分とその周りが赤くなっていました。
で、嚥下の瞬間は、食塊が咽頭まで移動してくると、自動的に「嚥下反射」が起こり、 唇が閉じ、軟口蓋(のどちんこ)が持ち上がって、鼻腔と口腔が遮断されます。 一方、 喉頭が持ち上がり、喉頭蓋が下がって喉頭の入り口を塞ぎ、声帯を閉鎖して肺との交通が 遮断され、瞬間的に咽頭内は密閉状態になって、食塊は食堂に導かれるのです。 これら一連の動作は、嚥下反射によって引き起こされ、正常では、0.5~0.6秒の短時間 だそうです。 このように、食べ物を飲み込むには、多くの器官の神経や筋肉が巧みに協調して動くの ですが、それらのいずれかの筋肉や神経がうまく動かない時に嚥下障害が起こるのです。
嚥下障害には、以下のケースがあるとありました。すなわち
①舌の食塊保持がうまく出来ず、嚥下反射が起きる前に食塊が咽頭に流れ出す ②嚥下した後にも咽頭に食塊が残る ③嚥下時に食塊の一部が喉頭に侵入する(喉頭侵入) ④嚥下時に食塊が鼻腔へ逆流する
私の経験では、たまに③が起きることがあり、咳き込んでなかなか元に戻らない時が あったり、ひどい時には息が止まって“ヒィ~”と詰まったような声が出て“死ぬかと 思う”時もありました。
人には、誤嚥防御反応という防御機能が備わっています。 ①嚥下時、喉頭蓋が喉頭侵入を防ぐ ②仮に食塊が喉頭まで侵入しても、嚥下中は声帯が閉じているので誤嚥が防げる ③嚥下直後、②で閉じていた声帯がパッと開いて。呼気が出て、この呼気によって喉頭 に侵入している食塊を上方に吹き飛ばし誤嚥を防ぐ ④食塊が気管に入った時は、咳嗽(がいそう、cough)反応が起こって強い咳が出て食塊 を喀出します
通常は、このような防御機能により、誤嚥が防げられていますが、高齢なると、体力が 低下し咳嗽反応が弱くなり、気管に入ったものを喀出するだけの呼気が不十分となり、誤 嚥や窒息に繋がる場合があるのです。普段から体力を養い呼吸機能を落とさないよう心掛 けることが大事なんですね。
末尾に、誤嚥予防体操を引用しますが、その前に、誤嚥性肺炎の予防に役立ついくつか の知識をまとめてみたいと思います。
①口の中を清潔に保つ 誤嚥性肺炎の中で一番大切なことは、口の中を清潔に保つこ ととありました。 口の中に、食残があればそれが腐敗して大量に菌が発生するのです。 食事をしていなければ、歯を磨く必要はない・・と思いがちですが、これは誤りで、食べ ることで唾液が出て 口の中がきれいに保たれるのです。 食事が出来なくなって、咀嚼も しなくなると唾液の分泌は極端に減り、口の中はあっという間に汚くなるのです。 ②口を閉じ、鼻から呼吸をする 口から食べる能力を維持するには、舌の働きを低下 させないことが大切で、そのためには口を閉じていること、鼻から呼吸をすることが条件 となるというのです。当たり前のようですが、高齢者が入院したりして、身体を横にして いると、首筋が伸びて、口が開きやすく、舌は後ろに引っ込んでしまう事が多々あるとい うのですね。 ③よく噛む、座って食べる どういうことかといえば、誤嚥といえば飲み込むことが 重要視されますが、噛むことも大事だということです。よく噛むことは、唾液腺の活動を 高め、意欲、記憶、覚醒を司る脳の前頭前野等の血流が増え 元気が出るというのです。 寝そべって噛むのと、座って噛むのとでは噛む力「咬合力」が違うのだそうです。
長くなりました。では最後に、嚥下予防体操例を引用します。 会報の講演記録にも、 同様の解説図がありましたが、ネットから、下図を引用しました。 医療法人 めぐみ訪問看護ステーション(理学療法士青木淳氏)HPより引用しました。 下図の体操を、あまり力を入れずに、5~6回繰り返すとありました。
嚥下予防体操(めぐみ訪問介護ステーションHPより)
昨日は、風もなく良いお天気で、気温も上がり暖かな春日和でしたが、外出を控えて、 テレビで映画を観ていました。 古いアメリカ映画『傷だらけの栄光』(ポールニューマン 主演、1956年、モノクロ)
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