昨日(5/29)の第89回ダービーは、3年振りの6万を超える大観衆の下、石川さゆり
の「君が代」で始まり、武豊のダービー6勝の記録で終わりました。
若かったころ、中央競馬会に、今でいう馬券のネット購入を、電話で投票する仕掛け
を営業に行ったことがありました。頼まれもしないのに、押しかけて売り込みに行っ
たのでした。もちろん、オッズも見ることが出来、自宅から馬券投票ができる仕組み
です。あらかじめ銀行口座を設定する必要はあるのですね。
最初は、あまり乗り気ではない感じでしたが、3か月くらい過ぎたころ、先方から
声がかかり、説明会に及んだのです。この説明会は、講演会みたいな位置づけで、講
演料の代わりに、『第50回ダービー』と刺しゅう入りの記念ネクタイ2本とタバコか
何かをいただいたのを覚えています。39回も前のことなんですね。 この仕掛けは、
後にシステム化されて事業として稼働したのです。(この話は、2018.5.27拙ブログ
にアップしています。)
そんな想い出が蘇ってきた、月末のブログ記事となりました。 いつものように、
順不同で、思いつくままの5つの言葉です。
・佇まい なかなか難しい字があてられています。「たたずまい」。人偏に「宁」
とあり「チョ」とも読むようですが、どうもこの「宁」に、立ち止まる、待つ、待ち
ているなどの意味があるようで、例えば「貯」は、貝(お金)が留まるということの
ようですね。
前ぶりが長くなりましたが、「佇む」は、 goo辞書に 『1 立っているようす。
また、そこにあるもののありさま。そのもののかもし出す雰囲気。2 身を置くところ。
暮らし方。また、なりわい。』 とあり、1の例として「家並みの―」「庭園の落ち
ついた―」、2の例として「人間さまざまの―」などが挙げられていました。
(ネット画像より)
この言葉の成り立ちを要約すると、「たたずむ」に、「反復・継続」の意味を表す
助動詞の「ふ」を付けて「たたずまふ」つまり「その場所にずっといること。結構
な間そこにいること」を意味し、この「ただずまふ」の音がだんだん変化して、
「たたずまい」となったとあります。
もともと日本的な感性にしっくりくる言葉なのでしょう。「源氏物語」の「若紫」
には「霞(かすみ)のたたずまひもをかしう見ゆれば」などとあるようです。
「佇まい」は「だらしない佇まい」「下品な佇まい」といったように、ネガティブ
な言葉を伴うことはなく、「すばらしい」「閑静な」「堂々とした」などの良いこと
を表すのですね。
(ネット画像より)
・分量外 最初の「佇まい」で立ち止まってしまいましたが、先の拙ブログの
「実山椒の佃煮」を作る時のレシピに 山椒を茹でる時に「塩、分量外」とありまし
た。
料理レシピにおいて分量とは、その料理に必要な材料の量や割合を指していますが、
それ以外に使用する塩、砂糖、バターなど、分量以外のものを指して分量外というの
だとありました。
何だかわかりにくいですが、料理レシピの例でみるとよくわかります。
例えば「ほうれん草の胡麻和え」では、
ほうれん草・・・一束
すりごま・・・5g
醤油・・・小さじ2
砂糖・・・小さじ1
塩・・・・大さじ1
と、材料の並びに塩があると、味付けに塩が入ってしまう可能性があり、これはしょ
っぱすぎてしまいます。つまり、ここでの「塩大さじ1」は、材料ではなく、ほうれん
草を茹でる時に使用する「分量外」なんですね。
間違いが起こらないように、材料に並べて書かずに「分量外」として記述されるの
です。
・コンビーフ 英語では corned beef といい、「corned」とは、岩塩を砕いた
粒状の粗塩で肉を漬けることを意味するとあり、牛肉を塩漬けにした食品のことなん
ですね。日本では一般に、塩漬けの牛肉をほぐして牛脂で固めた缶詰を「コンビーフ」
と呼んでいますが、本来は長期航海用や軍需品として使うための保存食糧である塩蔵
牛肉のことだそうです。欧米では、一般的に缶詰ではなく、ブロック肉であるとあり
ます。
日本農業規格(JAS)では、「畜産物缶詰又は畜産物瓶詰のうち、牛肉を塩漬けにし、
煮熟した後、ほぐし又はほぐさないで、食用油脂、調味料、香辛料等を加え又は加え
ないで詰めたものをいう」と定義されているのだそうです。そのまま食べたり、サン
ドイッチや炒め物などの材料にするのですね。
若い頃、キャンプや山に入るときなどに持参して、現場で肉代わりに重宝した経験
がありあります。蓼科農園でのディナーでは、オードブルに出てきたこともありました。
(ネット画像より)
市販されているコンビーフは先細りの缶がお馴染みですね。この独特の缶は、1875
年にアメリカの食品会社が発明したそうで、薄切りをつくるときに中身を取り出しや
すくしたそうです。また、開缶は、缶付属の「巻き取り鍵」と呼ばれる缶側面の一部
を帯状に巻き取り式になっているのですね。当時は、安全に缶を開ける「缶切り」など
の方法がなかったのですね。でも、現在でも、コンビーフだけ?は、この式で開ける
のですね。
(ネット画像より)
日本では、1948年に野崎産業(現:川商フーズ)が瓶詰で、2年後にあの缶詰で発売
したとありました。当時国鉄の鉄塔や首都圏路線の電柱に「ノザキのコンビーフ」看板
があったのを覚えています。
(ネット画像より)
・あざとい 私はあまり使うことはありませんが、goo辞書によれば、1 やり方が
あくどい。ずうずうしく抜け目がない。「―・い商法」 2 小利口である。思慮が
浅い。あさはかだ。「考え方が―・い」とあります。
つまり、「あざとい」とは、意図的に人の心をときめかせることを意味していて、
漢字では「小聡明い」と書き、本来はこざかしく抜け目ない様子を表す言葉のようです。
「浅はか」といったニュアンスで用いることもあるそうです。
最近では、「あざとい」という言葉は、計算ずくで行うかわいい仕草やポーズに用
いられるのが特徴だとあり、あざとさに苛立ちながらも、かわいいからつい許してし
まうという複雑な心情を表しているのだそうです。
あざといと同じようなニュアンスを持つ言葉に「小悪魔的」というのがあります。
人の感情をくすぐるという点で、両者に共通点があるようですが、小悪魔的は女性の
魅力に対して用いられる言葉なのだそうです。
「あざとい」は、男女だけでなく、動物や物事の演出などにも用いられ、「あざとい
男子」「あざとさがあるキャラクター」など幅広いニュアンスで使用できるそうです。
・奥ゆかしい 言語由来辞典に『 奥ゆかしいとは、奥深く上品で心がひかれる。
深い心遣いが感じられて引きつけられる。奥ゆかしいの「ゆかしい」は、動詞「ゆく
(行く)」の形容詞形「ゆかし(行くし)」で、「行きたい」という意味。』とあり
ます。
『「奥まで(見に・触れに)行きたい」というところから、奥ゆかしいは「心がひ
かれて、その先が見たい・知りたい・聞きたい」「奥の方へ心がいざなわれる」とい
う感情を表すようになった。そこから、奥ゆかしいは「慎み深く上品で心がひかれる」
「こまやかな心配りが見えて慕わしい」という意味を表すようになり、現代では、特
に女性の控えめで上品な態度の形容として用いられるようになった。』そうです。
ここで、古語「ゆか・し」について調べますと、1見たい、聞きたい、知りたい
2心が引かれる、慕わしい、懐かしい などの意味がありました。
2の意味で、『山路来て何やらゆかしすみれ草』―芭蕉 が挙げられていました。
(ネット画像より
お疲れさまでした!
Eddie Fisher - Oh! My PaPa 1954