昨年暮れにウイン10に変える機会に、PCを新しくしましたら、それまでの使用状態に 戻すのに、IDやパスワードなどがいろいろと出てきて、サービスごとに必要なID、PW を記録したノートと首ったけになり、ようやく落ち着いてきたところです。
PCやスマホがあれば、知りたいことは何でも即座に手に入れることができるし、昔の ように本や、辞書、辞典などに埋まらなくても手軽にスイスイ情報を取り出すことが できる時代になっています。
(ネット画像より)
変な例えで恐縮ですが、仮に縄文時代での人々の情報を想像してみると、お天気や 風などの気候、作物、狩猟に必要な事柄など生活に密着した情報で、これらのいくつか は蓄積されたり加工されたりしていたかもしれませんが、文明が発達して、社会が 複雑高度化するにつれて扱う情報の種類や量は限りなく増えてくるのでしょうね。
何が言いたいのか・・といえば、情報の種類や量が増大し、情報の「整理」や 「管理」がますます重要になり次第に大変となってきているということで、手元の 会報の記事、『情報処理との闘い』(増井俊之氏、慶応大学環境情報学部教授)に 触発されて、すこし情報周りを廻ってみました。
初めに、「情報」について、ことさらに取り上げることもない、周知のことです けれど、今一度おさらいをしてみました。
ウイキペディアに、『情報とは、 あるものごとの内容や事情についての知らせの こと。 文字・数字などの記号やシンボルの媒体によって伝達され、受け手において、 状況に対する知識をもたらしたり、適切な判断を助けたりするもののこと。・・』と あります。 なるほどそうですね。 さらに、このほか、表記媒体によって伝達され ないけれども、受け手主体が、その物体やシーンから情報として何らかの意味を理解 する・・つまり、物体やシーンは何も語らないけれども、それを見た本人が何らかの 情報を得るというのもありますね。 例えば、リンゴを見た時、 “フジ”なのか “つがる”なのかや甘そうだとか、出来 が良いとか、あるいは、ある街角を見て、賑わっているとか、人の流れはどうだとか、 建築的にはどうだとかなど見る人、つまり見る人の目的意識によってその景観から 何某かの情報をそれぞれに受け取っているのですね。リンゴや街角は何も語っている わけではないけれども、見る側の問題意識によって情報が発生しているのですね。
ある伝達された情報でも、たとえば、テレビから気象情報が流れてきて、明日の お天気や気温などを聞いた時、運動会の前の日であれば、それが晴れかそうでないのか をキャッチしますし、気温によって上着をチェックしたり・・しかし、そのような イベントがなければ、聞き流してしまう・・ このように、自らの行動や判断に必要 な情報はキャッチして行動にうつしているのですね。 この時、情報を記憶したり、 行動に反映したり、自らの判断の参考にしたり“情報処理”しているのですね。
ウイキペディアに、『情報処理(information processing)とは、元の「情報」から、 計算により加工・抽出などをおこない、別の形の情報を得る手続き(プロセス))で ある。利用・活用が可能な付加価値を目的とすることが多いが、定義としてはそれが 目的でなくてもいっこうにかまわない。定義としては、「情報処理」とは、電子計算機 を使用して、情報につき計算、検索その他これらに類する処理を行なうことをいう。』 などかなりハードよりの定義です。 一方、認知心理学では、『information processing とは人間の思考を理解すると いう目標へのアプローチである。認識を脳という「ハードウェア」上で「精神」という 「ソフトウェア」が動作して処理しているものとみなす。』とあります。
つまり、情報処理は、コンピュータで行うことだけでなく、人の行動の多くも情報 処理であると解釈でき、IT機器の発展によって、人間の情報処理能力が強化されて きたのです。
『読書から送金まであらゆる点で社会を変えたWebは、人間生活全体に衝撃的な影響 を与え続けており、IoT的な全世界コンピューティング時代にはさらに大きな変化が あるだろう』と述べられています。
そこでこれらの情報をうまく活用してゆくためには、増井氏が言われるまでもなく、 情報の「整理」と「管理」が重要であるのです。
卑近なところで、当ブログのカテゴリーは、科学・生物、健康・医学、鳥たち、 日々雑感・散策・旅行、花鳥風月、音楽、グルメ、読書、同窓会・・など、ブログ立ち 上げ当初の記事アップに際して、種々の分類を設定して、アップ記事を分類整理して ゆくつもりでいましたが、それから10年以上過ぎた今、ほとんどの記事は、日々雑感 と蓼科浪漫倶楽部・畑くらいで、カテゴリーを設定している意味がなくなってきてい ます。
つまりある記事をアップするとき、どこに分類すればよいかを吟味しますが、健康 のこと、グルメっぽいことなどでも、まさしくそのことについて記事しているのでは なく、どちらかといえば雑感に近いこともあり、このようなカテゴリーには入れずに 雑感にまとまってしまいました。 情報の分類整理は難しく、蓼科農園の記事でも、野菜がメインの時もあり、散策・ 旅行の記事がメインであったり、同窓会的な内容であったり、気候であったり、社会 問題であったり様々な内容が主体であり、その時、カテゴリーをどこに分類すればよい か迷うところです。
これらの記事は、すべて蓼科・・にまとめてしまいましたが、昨今の話題でいえば、 「新型コロナ」関連は、健康・医療か、政府の対応、世界の動き、引きこもり状態など いろんな主題があり、必ずしもコロナに特化した内容でないものもあります。 なので、日々雑感にまとめてしまう・・羽目になっています。
増井氏の記事で、『階層的情報整理の原理自体は単純で美しいが、情報をどこに 置けばよいか考えるのは難しい。結局何でも、同じところに放り込んでしまい整理が 破綻してしまう。』とあり、『情報は階層的に分類して整理すべきだという思い込み に起因するのであって』、その解決策として、『「検索機能」と「情報間リンク」を 活用する』、『Webの情報は分類されていないのに、優秀な検索エンジンと沢山の リンクのおかげで破綻せずに済んでいるのが証拠である。』と述べられています。
当ブログでも、以前にどこかで記事アップした覚えがあったり、それがどの様な 内容であったかなど、確認したい時がありますが、そんな時、goo検索機能(画面右上) に、検索項目を入力し、“当ブログ内”で検索すると、関連した記事が出てきます。 あわせて、検索項目が記事の内容にあっても、検索結果にピックアップされますから、 大変参考になっています。
また、情報処理には、情報の整理のほかに、情報の管理が重要事項としてあります。
情報内容が改ざんされないよう、さらに通信上の情報セキュリティを万全にする ことは勿論ですが、さらにこれら情報にアクセスする場合の個人認証による管理が 重要です。つまり、パスワードですね。
コンピュータを共同利用するためにパスワードが発明されたのは、1961年だそうで、 60年経った現在も広く使われています。 しかし、このパスワードが簡単に創作され ないように、英数記号、大文字小文字混在など複雑ですし、同一パスワードは危険と なれば、いくつか区別して使用する必要があるなど、かなり煩わしいし覚えきれなく なっています。
私は、別に小さなノートをパスワード帳として、見出し分類を付けて整理しています。 あまり使わないサービスの場合には、このノートを見ながら入力しています。
増井氏の場合、「EpisoPass」というシステムでパスワードを生成して使っている とあります。 EpisoPassは、パスワードを記憶する代わりに、自分の昔の記憶から パスワードを生成するというもので、たとえば、「公園で転んだのは?」のような 些細な経験を質問にして、その回答が「奈良」ということで文字列を生成し、それを パスワードとして利用するというものなんです。 https://episopass.com/ で使えるそうですから試してみてはいかがでしょうか? 増井氏は、『自分の体験に基づく記憶は忘れる心配はなく、情報管理に気を使う必要 がない。』 これまでのように、自分で考えた文字列をどこかで記憶しておく・・ という古い常識を捨てることだ、と言われているのですね。
私はまだ、古い常識にしがみついているのです。
長い記事になったわりに、うまく言い尽くせなく申し訳ありませんでした。 羊頭狗肉?
本文内容と関係ありませんが・・ VIDEO