4月も終わります。 昨日(4/29)から大型連休ということで、空港は大混雑
だったそうです。コロナを気にすることがなくなって(感じで)外出する人も
多くなりました。
大型連休、ゴールデンウイークなどの言葉は、今は耳の上をかすめて聞こ
えてきます。やはり若い時の連続するお休みは、いろいろと貴重だし普段と
違った計画も立てていましたね。子供が小さい頃もそんな感じでこのお休み
を捉えていたようでした。
連休前半のお天気は良さそうですが、後半は所によっては荒れた天気になる
とかの予報ですから、皆様お気を付けてお楽しみください。
さて、不思議な日本語は、36回目となり、そろそろ今までにピックアップ
した言葉を忘れてきた感じでもあり、過去のブログ記事を拾って整理(例えば
50音順とかに)する必要が出てきたようです。今回は、整理しないで、いつも
のように順不同で5つを挙げてみました。
・桟橋 この言葉を挙げたのは、あの船着き場の桟橋をなぜ、障子とかの
あの「桟(さん)」なのか不思議だったからです。そして、なぜ「橋」なのか
も気になるところでした。しかし、これらの意味については、残念ながら調
べられませんでした 。後にありますように「桟」に「かけはし」の意味が
あり、個人的には、人や物が橋と同じように通ることが出来るので、このよう
に言っているのでは‥と思いました。
goo辞書に、1 船を横づけにして、人の乗り降りや貨物の積みおろしなどが
できるように、岸から水上に突き出して造った構築物。床面を木・鉄・コン
クリートなどの柱で支える。2 建築現場などで、高い所に上るために傾斜を
つけて足場にかけ渡す板。 とあります。
また、岸壁とは、水域に対して壁状の構造をしており、船舶を係留して人や
貨物の積み卸しができるようになっているところを言いますから、桟橋も同じ
目的ですが、「岸壁」は船舶を横づけするために、港や運河の岸に沿い垂直
に築いた擁壁 であるのに対して、「桟橋」は、船を横づけにして、人の乗り
降りや貨物の積みおろしなどができるように、岸から水上に突き出して造っ
た構造物 であるとあり、その区別はあるのですね。
干満の差が大きいところでは、浮桟橋にしてあるところもあります。横浜港
の「ぷかりさん橋」は客船のターミナルで、かって、ここから横浜西口迄船に
乗ったことがありました。
ついでに、「波止場」や「埠頭」というのは、これらの構造物があり、舟の
着く「港」一体、区域を指して言われるようですね。
歌謡曲によく出てきますね。 船が発着するところだからでしょうね。
「なみだの桟橋」「未練の波止場」「波止場しぐれ」「岸壁の母」・・
「桟(さん)」は、 かけはし=けわしい所にかけ渡した橋 との意で、
1.木を組み合わせてかけ渡したたな。また、床の下にわたす横木。ねだ。
2.板のそりを防ぐためにわたす横木。戸・障子のほね。
なので、あの船着き場の桟橋とは構造は似ていてもあまりに違い過ぎるよう
に思ったのでした。
南房総原岡桟橋
(南房総HPより)
・もっけの幸い もっけの幸いとは、思いがけない幸運を言いますが、
「物怪の幸い」と書くのですね。 言語由来辞典によれば、「もっけ」は、
人にたたりをするといわれる死霊や生き霊の「もののけ(物の怪)」のこと
だとありました。
「もののけ」が「もっけ」となり、「妖怪」「変化」の意味となって、室
町時代頃から「意外なこと」の意味になり、「意外な幸運」「思いがけない
幸せ」を「もっけの幸い」と言うようになったそうです。
「幸いや幸運)に類似するものに、「不幸中の幸い」や「棚から牡丹餅」
などがあり、その反対(逆)では「泣きっ面に蜂」や「弱り目に祟り目」が
ありますね。
「もっけ」の方言で、山形では、「もっけ」には、稀有の意があり、気の
毒だ、ありがとう、の意味になるそうです。『こげな所まで「もっけ」だの
助けてくれて「もっけ」だ』というように、「もっけ」の言葉の裏側に相手
へのねぎらいと恐縮している様子がうかがえるとあります。 同じ「もっけ」
で津軽弁だとモノノケの意味を指すことがあるそうです。
・蛇口 水道のあの「水の出てくる口」のことなんですが、どうして「蛇
(へび)の口」なのでしょうか。 ウイキペディアに『その語源は、日本の
近代水道初期に道路脇の共用栓(公共水飲み場用の水栓)のデザインで、生物
としての蛇を用いたことに由来する』とあります。
もともと、1887年(明治20年)に横浜で日本の近代水道が始まったそうで
すが、その時はイギリスから輸入した共用栓は獅子(欧州で水の神)の頭部
から水が出るようになっていたが、日本で制作する時、それが龍であった。
「龍頭(竜頭 りゅうず)」」と呼ばれたこともあったが、龍は空想上の動物
であるため龍の元になった蛇となり「蛇体鉄柱式共用栓」といういかめしい
名前となったのだそうです。
水道栓獅子の頭部から
(ウイキペディアより)
蛇口は水の出口だけを指していますが、この全体の器具は水の開閉や流量
調節のための「栓」(バルブ)があり、水栓またはカランと呼ばれています。
水の開閉にレバー方式がありますが、これには上げ止め式、下げ止め式の両
方があり、下げ止め式が安全であり欧米では圧倒的にこの方式だそうです。
「カラン」は懐かしい言葉ですが、オランダ語で「鶴」を意味するkraanから
来ているそうですが、銭湯などにあったアレでなつかしいですね。
・おっつけ は、1、やがて。そのうちに。まもなく。 2、すぐに。た
だちに。の意で漢字では「追っ付け」。(goo辞書) 「追っ付け」は、すぐに
追いつける程度の遅れというところから、このような意味になったのではな
いか・・とあります。
ネット検索すると、大半の見出しは大相撲の「おっつけ」(押っ付けとも
書く)が出てきました。
自分の肘を自分の脇に押し付け(「おっつけ」の名はここに由来している)
手は相手の肘に外側から当てがってしぼり上げ、相手の差し手を封じるため
に行う動作のことなんですね。(ウイキペディア)
(ネット画像より)
・普段 普段とは、いつもその状態であること。日頃。日常。平生。のこと
ですが、なぜ、「普」と「段」なのか疑問でした。 言語由来辞典によれば、
『「普段」の本来の漢字表記は、「不断」である』とあり、不断の「絶えない
こと」「いつまでも続くこと」の意味から、「いつもの状態であること」
「日頃」の意味が派生したのだそうです。 いつもの普通の状態の意味から、
当て字で「普段」と書くことが多くなったとありました。
つまり、不断の意味変化から、音が同じ普段が使われるようになったので
すね。
「晴れ着」の対として「普段着」の語があるように、普段は「特別な時・
場合」と対立した意味を含む言葉であり、「普段は真面目」と言えば、「特別
な場合は不真面目」といった意味が含まれるのです。
普段も真面目はどうでしょうか? 日頃よほど真面目でない人のようですね。
森昌子 なみだの桟橋 (1986-06-29)