昨日で4日連日猛暑日となる危険な暑さになっています。日中にベランダに出て
みたらシャツの上からでも太陽の熱がじりじりと押さえつけるような感じの暑さに、
ホンの短い時間しか出ておれない・・照り返しもあって・・、植物たちはそれでも
頑張っているのです。
以前は、ターフを張って日陰などを作ってあげましたが、それも最近では何もし
てあげなくなってしまいました。
昨日のお昼のニュースでは、関東地方に続いて列島すべて(北海道を除く)、早
や梅雨明けしたと報じていました。短い地方では2週間くらいの梅雨でしかなかっ
たようです。 水不足や電力不足が心配ですね。
そんな中、いつものように、変わり映えしませんが、不思議な日本語(26)の出番
となりました。 今回はちょっと長めの文言になってしまいました。
・大丈夫 普通、丈夫(じょうぶ)といえば、体が健康で元気であるとか、もの
が壊れにくい、堅固であるとかの意味を指しますから、大丈夫はそれが「大」つまり
「もっと」「より一層」となるかと思いきや、そうではないのですね。
goo辞書には、1あぶなげがなく安心できるさま。強くてしっかりしているさま。
「地震にも―なようにできている」「食べても―ですか」「病人はもう―だ」
2まちがいがなくて確かなさま。「時間は―ですか」「―だ、今度はうまくいくよ」。
副詞では、まちがいなく。確かに。 とありました。
もともと、(語源由来辞典によれば)「丈(じょう)」は長さの単位で、1丈
(=10尺)は日本では3.03mですが、古代中国では、1丈は約1.7mで、成人男性の
身長を基準とした身体尺であったそうで、「夫」は男性を指し、大丈夫は、立派な
成人男性の意味だったそうです。
そこから派生して「非常に強い」「非常にしっかりしている」「非常に健康であ
る」の意味。さらに「間違いない」「確かである」の意味でも使われるようになった。
とあります。 また、励ましや期待の意味で「大丈夫だろう」と使われたり、「ま
ちがいなく」「たしかに」といった意味から、「きっと」や「多分」といったニュ
アンスを含んで「大丈夫」が用いられるようにもなってきました。
(ネット画像より)
「大丈夫」を、これら使われている状況を整理してみますと以下のように、かなり
いろいろと変化している様子が分かります。(LIVE JAPANN より)
① 強くてしっかりしている・危なげなく安心できるさま
「これは造りがしっかりしているから、スーツケースにそのまま入れても大丈夫」
また、人に対して例えば、頼りになる人・安心できる人・仕事ができる人などに対
して(頼りになる観光ガイドさんを見て)「あの人に任せておけば大丈夫だね」
② 間違いがなく確かなさま (美術館の閉館時間まで十分な時間があるか受付で
確認したいとき) 「まだ、時間は大丈夫ですか?」 また、何かが上手くいくこと
を祈るときにも使います。(日本語が上手く話せなくて、がっかりしている友人に
対して)「今度はきっと大丈夫、上手くいくよ」
③ 必要・不必要の意を確認する (レストランで提供されたお水を約半分飲んだ
ときに、店員がそれを見て) 「お水のおかわり、大丈夫ですか?」
(コンビニでお弁当を買った時、)「お箸は大丈夫ですか?」
これに対する返事にも、「不要」「NO」の意味で「大丈夫です」などと。
④ 問題がない (待ち合わせに遅れてきた友達に対して) 「遅れてごめんなさ
い!」 「大丈夫だよ」「全然大丈夫だよ」
(翌日の観光を楽しみにしているとき、天気予報で明日が曇りのち雨と知って)
「明日の天気、大丈夫かな」
⑤ 可・不可の意を確認する 「靴を脱がずにここに入っても大丈夫ですか?」
「水着を着て温泉に入っても大丈夫ですか?」
⑥ やんわりと断る (スーパーのレジで店員が商品を袋に入れ始めたときに)
「大丈夫です、袋を持っています」 (日本人の友達が和菓子を勧めてくれたけど、
苦手なとき) 「ありがとう、大丈夫です」
・可憐 ウイキペディアには、『その可愛らしさゆえ、見ている者に保護欲
を掻き立てさせるような状況。』とあり、言葉の手帳にも、可憐の意味は『愛らし
くて、その可愛らしい形や様子が見ている人の守ってやりたいと言う保護欲を掻き
立てる状況のこと』とあります。
「憐」は憐れむで「同情したくなるような」もしくは「かわいそうな」と言う意味
ですが、「未熟であどけない」「いじらしく可愛らしいさま」を意味し、そういう
感情から同情して「守ってあげたくなる」と言う時に「可憐」と使われているとあ
りました。
「可」とは何か? そんな疑問が湧いてきて、デジタル大辞泉の解説を見てみま
した。「可」には、次のような意味がありました。すなわち、
- よい。よろしい。成績評価では良の次のランク。可否、不可
- よろしいと認める。 可決、許可、認可
- できる。なし得る。可視、可能、可燃性、不可欠、不可分
- するがよい。それに値する。 可憐、可及的
ちょっと難しいですが、「それに値する」に可憐 がありますから、憐をさらに推
し進める・・ということなんでしょうか?
・敗北 なぜ北なんでしょうか? 敗北とは、戦いに負けること、負けて逃
げることを意味しますが、なぜ北なんでしょうか?
語源・由来を調べましたら、敗北の「北」は、方角を表しているのではない・・
とありました。エッ?
「北」の漢字は、二人の人が背を向け合っているさまを示し、「相手に背を向け
る」「背を向けて逃げる」の意味があるのだそうです。そこから、戦いに負けて逃
げることを「敗北」と言うようになり、単に、争いに負けることも意味するように
なったそうです。
(ネット画像より)
そして、「北」という字が方角を示す言葉になったのにも、理由があるというの
です。
フジテレビユー番組の豆知識に次の下りがありました。
『「天子南面」という言葉があるように、天子(皇帝)は南を向いて座るものだ。
京都の地図を見ると「左京区」が向かって右側に、「右京区」が向かって左側にあ
るが、これは南側を向いて座っている天皇から見た左右に合わせて名前が付けられ
たためだ。もともと「せなか」という意味で使われていた「北」という文字が、次
第に天子の「せなか」が向いている方角を表す言葉として使われるようになったた
め、体を表す時に使われる「月」をプラスして「背」という漢字が作られ、区別し
て使われるようになったと言われている。』 う~ん!
・タカ(をくくる) 漢字で書くと「高」なんですね。 語源由来辞典に次の
ようにありました。『たかをくくるの「たか」は、「生産高」「残高」など物の数量
や金額を見積もった時の合計額のことで、数量の程度を表す「高」である。
「くくる」は「まとめる」「物事に区切りをつける」の意味で、この程度(高)
だろうとまとめる(括る)ところから、「物事のありさまをあらかじめはかる」
「予想する」を意味し、安易に予測したり、大したことはないと侮ることを「たか
をくくる」と言うようになった。
「たかをくくる」に、大したことはないと侮る意味が含まれるようになったのは、
戦いの際に勝敗を予測するために、相手の領地の「石高」を計算したことからとい
われる。』とありました。
(ネット画像より)
ついでに、「高」をgoo辞書で見てみますと、
- 数量・金額などを合計したもの。収穫量や知行 (ちぎょう) の額、また金銭
の総額など。「生産―」「石 (こく) ―」 これは一般的に使われています。 - 基準となる額に比べて高値であること。「五円―の相場」
- 程度の高いこと。また、限度・限界。 ㋐物事のゆきつくところ。つまるところ。
㋑せいぜいのところ。→高(たか)が、知れたこと - 物事の要点や、あらまし。大略。
- 名詞・動詞の上に付いて複合語をつくる。
「―殿」「―照らす」「―笑い」「―話」「―鳴る」「―知る」「―敷く」
・ままある 「ままある」の「まま」って何のこと? 「時々ある」という
意味の言葉に「ままある」というものがありますが、この「まま」とは何でしょうか。
日本語不思議辞典に次のようにありました。 『「ままある」を漢字で書くと、
「間々ある」になるそうです。「まま」は「間々」です。この「間々」は、物事
の合間合間という意味で、その出現頻度を示すと、「時々、時折」ぐらいになるよ
うです。「しょっちゅう出てくるわけではないが、珍しくもない」という意味だと
思われます。』と。
また、「そのまま」などでの「まま」は漢字で書くと「儘・随・任」で意味が違
います。こちらはずっと同じ状態というような意味ですね。
「まま」は読みが同じでも意味が違うものがたくさんあって、間違うことがままあ
りそうです。
お疲れさまでした。 熱中症にはくれぐれもご注意されますように!
Brahms Hungarian Dance No.5