画像は(季節の花300)より
赤い薔薇 クリーム色の薔薇
並んで咲いて 共に美しい
この美しさは薔薇だけに授けられた気品
もてはやされながら高ぶることのない矜持
赤い薔薇には 赤い薔薇の気品
クリーム色の薔薇には クリーム色の薔薇の矜持
並んで咲きながら 互いに邪魔しない
紅い薔薇にもクリーム色の薔薇にも . . . 本文を読む
トケイソウ
画像は(季節の花300)より
時計草は大地の腕に巻いた腕時計
めしべにはお洒落な長針と短針
スイス製の奇抜な職人の最高傑作
どうやって時間を見るの?
現代人はいつも「時」に縛られている
これは時を忘れるために創った時計だ
大地の腕に巻いた腕時計には
聖なる愛の花言葉が送られた
八月の太陽にも平然と咲く大地の花
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菜の花畑
(季節の花300)
一面にひろがる菜の花畑
きれいに咲いた菜の花を見ているうちに
やがて実になって油を出すんだよな
どこに油が潜んでいるのだろうと疑問を持った
そういえば胡麻でも大豆でもエゴマでも
植物の種はみな油分を含んでいるんだ
子孫のために必要な油なんだろうな
将来子孫が生きるために歯車をまわすんだ
こうした植物 . . . 本文を読む
シャガ
画像は(ウィキペデイア)より
シャガの咲く季節になって
この花は幾多のイクサを鎮撫して
長い歴史を見守ってきた花だと実感する
なにかの縁でこの地に移り住んで
山襞に群生するシャガを愛でてきたが
天然の要塞を彩るにふさわしい慰撫の花だとも
戦にスポットを当てれば歴史はイクサ
少ない耕作地を耕して実りを得た人びとは
歴史 . . . 本文を読む
チューリップ
画像は(季節の花300)より
咲いた 咲いた チュー―リップの花が
あたまの中で唱歌が鳴りひびく
そうか 埋めたままの球根が花開くころだ
億劫がらずに庭へ出てみようか
おう 咲いた 咲いた 見事なもんだ
季節にうながされて みな一斉に
だけど不思議だなあ まだまどろんでるよ
咲いては見たものの まだ眠い眠い、と
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世の中でサイババがブームになっていたころ
ぼくは身体術に凝っていた彼に誘われて
大学の体育館で身体術のイロハを説かれた
阿吽の動作から手ほどきしてくれたが
なんだかインド的な思想でヨガを連想した
あ・え・い・お・う~~ん
両腕を上にあげて胸を広げ気を吸い込む
胸を掻き抱いて全身に気をめぐらせ
体を小さく折ってう~んと息を吐く
彼と出 . . . 本文を読む
空の上の方でガラガラと音がする
どうやら神様がひっこしを始めたようだ
このところ無謀な人間が増えたから
住み慣れた場所が安全じゃないらしい
いま吉祥寺のバーバラにお告げがあったとか
バーバラってハモニカ横丁の占い師?
神様も今どきの通信技術は信用してないらしい
それでお告げを利用したのか
神様は空に見切りをつけたのか
さらに上へ行っても何かの監視の . . . 本文を読む
鷺宮という街にぼくは20年ほど住んだ
妻は生まれてからずっとだから断然古株だ
そのころの事になると話が尽きない
ぼくは呆れたり微笑んだり爆笑したり
5歳ごろの彼女はまるで野生児だった
追いかける母親を振り切って逃げる逃げる
途中で下駄を脱ぎシャツを脱ぎ
パンツも脱いでスッポンポン
そのまま馴染みの本屋に飛び込んで
目指す本を見つけて立ち読みだ
お . . . 本文を読む
とうとう来たか
冬だもの
笑うしかないね
ゲゲゲ 来たろう?
ダジャレっぽいな
誰じゃ?
頭の中どうなってるの
スカスカ
温暖化は止められる?
ムリムリ
トリプル発生だぞ
タイフーン?
感心してる場合じゃない
かどわかされた
歴彦と書いて何と読む
読みたくない
ウクライナどうなった?
ハルキウ奪還
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(ウェブ画像)より
林の中の吹き抜けの拝殿には
たまに見たことのない神様がいる
木漏れ日に覆われた夏の昼下がり
たまたま拝みに立ち寄ると
薄暗い拝殿の奥で横になっていた
通り抜ける風がよほど心地よくて
うとうとと眠り込んでしまったのか
ぼくも昼寝をしたかったが
神様の横では畏れ多いから
すごすごと引き下がったのだ
. . . 本文を読む
なんだか 今年は遅くないか
五月半ばに やっと実をつけたキウイに
おそるおそる 話しかける
冬の冬眠期に 枯れ枝のほかに
伸びかけていた蔓を 剪定してしまった
あれはまずかったなと 臍をかんだ
だってさあ きみが領地の外にまで手を伸ばし
ゆらゆらと揺れているのが 気になったのだ
気持ちよさそうで 羨ましいほど自由だったから
&n . . . 本文を読む
ユキノシタ
(季節の花300)より
奥鬼怒の<夫婦が淵温泉>を目指した八月
よれよれの軽自動車で灼熱の太陽に焼かれ
川俣温泉を横目にひたすら砂利道を遡ったのは
主従3名の俳句吟行が目的のはずだった
宿の主人のもてなしは山奥で採取したマイタケ
20センチもある天然物のキノコは
肉厚の歯ごたえとかおりで主従を魅了した
青竹の盃になみなみと注いだ . . . 本文を読む
リクライニングの椅子が ググっと倒れる
ハイ 大きく口を開けて
言われるまま 口を開けると
虫歯の治療をしますから 麻酔をうちます
先生が ワ二の急所を押える
ワニは目を細めて さらに口を開ける
歯茎が熱くなって 感覚が鈍くなる
歯の根元を削る音が 耳もとで響く
だいじょうぶですか 先生の声が聞こえる
返事ができないので ワニは軽くうなずく
終わ . . . 本文を読む
ふくろう
(無料ウェブ画像)より
鳥と呼ぶには不器用だけど
それでも狩りはうまいほう
枝がしなって落っこちそうだが
気を逸らさずに獲物を見張る
鋭い目つきに大きな黒目
耳には高性能の集音器を備え
地上で野鼠が動いたりすれば
ピクピクと反応して一気に襲う
でも失敗はしょっちゅうさ
クルマのライトに目がくらみ
窓ガラスに当た . . . 本文を読む
ベニサンゴバナ
(季節の花300)より
この世には不思議がいっぱい
ベニサンゴバナもその一つ
海のものとも山のものともわからない
忘れかけた格言の出どころは
もしかしてあなたじゃありませんか
どこかから熱帯魚が寄ってくる
いやいや蝶々のはずでしょう
わかっていても混乱する観察日記
ちょうちょやハチをさておいて
エンゼルフィッシュなど来たら大ご . . . 本文を読む