どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

<おれ>という獣への鎮魂歌 (6)

2006-02-21 02:58:18 | 連載小説
 ヨシモトは、まだインドにいるのだろうか。地球が回る音を聴くことはできたのだろうか。  彼が去って、もう五年は経ったはずだ。その間、おれは転職を繰り返し、そのたびに薄汚れていったような気がする。  ヨシモトが身近にいれば、おれの生き方も少しは変わっていたかもしれない。大学の道場の片隅で、彼とともに瞑想し、「あ、うん」の呼吸で宇宙と一体になることができたのだから。 「あ、え、い、お、う~」  心と身 . . . 本文を読む
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