どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

<おれ>という獣への鎮魂歌 (7)

2006-02-23 12:46:49 | 連載小説
 昼休みの早指し将棋に、おれの出番が多くなった。  ゴトウさんが、おれのことを実力以上に吹聴するものだから、社員はおろか社長まで様子を見に来るようになった。  何日か前のこと、横に立った長身の男の圧迫感に耐えられず、おれは身じろぎしながら振り仰いだ。その瞬間、薄ら笑いを浮かべた社長の視線が、おれからゆっくりと放れていった。  理由は分からないが、おれは嫌われているなと直感した。おれの何かが癇に障っ . . . 本文を読む
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