どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

<おれ>という獣への鎮魂歌 (2)

2006-02-11 00:47:49 | 連載小説
 喫茶店での会話は、戦勝祝いのように沸騰した。  おれは、いきり立つ若者たちの言葉を、ボックス席の底で他人ごとのように聞き流していた。  おれの頭の中に、労働基準監督署の存在が浮かんだ。どれほどの力を与えてくれるものか見当もつかなかったが、諦めの思いの中で微かに点滅しはじめた希望のようなものを、若者たちに示した。  反応は、予想を超えた。  おれは、おれを称える若者たちの言葉に心をくすぐられたが、 . . . 本文を読む
コメント