どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

『悪童狩り』 (7)

2006-02-01 17:02:01 | 短編小説
 立ち入り禁止の柵に沿って築山を半周すると、裏側に隠れた少年たちの動向が分かりそうだった。  数馬は、いつになくゆっくりと足を運びながら、自分の気持ちがいささかの方向性を持つのを待った。  いまはまだ、道がそこへ向かっているから進んでいるだけだ。言ってみれば、道の意思だ。  まもなく道は築山にぶつかり、右に大きく曲がる。そこから左回りの円を描きながら、ロープに沿って丘の裏側に回りこむか、途中から分 . . . 本文を読む
コメント