その人のことは茶色いミニチュア犬とともに思い出す
エリザベス・カラーを着けたその犬は疾うに虹の橋を渡ったが
一匹というより一人の仲間だった
海の見える高台に住んでいて
沖を通る外国航路の汽船を眺めて
マドロスパイプを咥えた横縞シャツの船員を想像していたに違いない
ソフトバンクの主砲・柳田がホームランを打つたびに
その人は「ギタ~」と言って喜んでいた
想い出は遠い
ぼくのブログの最初の読者で
永いこと相互訪問が続いたがいつしか途絶えた
そんなことは何とも思わないが
ときどき高台からの写真を目にすると
ぼくの知っている美しが原の風景を思い出すのだ
もっとも遥か下方にあるのは松本市の家並だが
双眼鏡さえあれば汽船の代わりにお城が見えたと思う
ぼくも4月には85回目の誕生日を迎えるが
どうやらあと10年は持ちそうだ
作家の宇野千代さんは「なんだかわたし死なないような」の
著書を発表して世間を騒がせたが
その心意気が頼もしい
想い出は若く そして遠いが
2025年1月の最終日に
一人だけのポエムを書いて
すべての思い出に感謝を捧げよう
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