どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

どうぶつ・ティータイム(65)B

2008-10-09 00:00:44 | ドライブ

     紅葉の志賀草津高原ルートをゆく(2)<草津白根>

 白根山レストハウス横の駐車場に入り損ねたおかげで、先ほど遠望したクマザサと紅葉のコントラストを下から見上げることができた。
 全山紅葉というのも好いが、緑のなかに、ぽっ、ぽっと彩りを配した眺めも心地よい。
 草や木の呼吸が、清々しい山の気となって上空の青に吸い込まれていくようだ。
 日本にはいろいろなスカイラインがあるが、秋のこのルートは眺望といいスケールといいナンバーワンか。そこまで言わなくても、三本指には数えられるだろう。

 ほどなく渋峠を越える。
 後ろにしたのは万座山か。横手には横手山? 
 白根山と横手山の間を通過しているそうで、絶好のロケーションが用意されている。
 しかし、あと一ヶ月半ほどで、この山岳ロードは冬季閉鎖される。
 長野オリンピックで道路は整備されたが、横手山スキー場、丸池スキー場など志賀高原の人気スポットへは長野側からしかアプローチできなくなる。

 どういう理由か、志賀高原側に入ると山の様相が違って見える。
 一番はっきりしているのは、紅葉が少ないことだ。
 紅葉前線が遅れてくるのか、それとも広葉樹が少ないのか。
 南側と北側で受ける太陽光の量によって、樹相ががらりと変わってしまうと言われている。
 そうした例は、高尾山などでよく知られているが、山襞が入り組む志賀高原には当てはまりそうにもない。

 ホテルが目立つようになり、湯田中温泉へ○○キロの表示が出るようになった。志賀高原ルートも最終コーナーに差し掛かったのか。
 幸運だったのは、丸池スキー場近くで稀に見る紅葉スポットに出合ったことだ。穏やかな丸い池が道沿いに広がっている。その池を囲んで白樺と紅葉が光り輝いている。池の中に浮かぶのは睡蓮か。
 名は判らないが、これを逃したら悔いが残る。
 クルマを降りて、囲いの内側に足を入れカメラを構えた。

     (つづく)

 

 

 

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2 コメント

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人はうつろえど自然は巡る (知恵熱おやじ)
2008-10-09 12:52:14

白根山は健在ですね。
久し振りに白根の姿に接することが出来て嬉しかったナー。

あの日共に登った友の一人はもうこの世にありませんが、白根山は変わらぬ姿で記憶を呼び覚ましてくれます。
自然はありがたいですね。

それにしてもあの日は寒かったねー。
懐かしい写真を有難う。

知恵熱おやじ
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写真と美文で描く (くりたえいじ)
2008-10-09 12:54:52
このルートのドライブ、早くも佳境に入ったようですね。きれいな画像がそれを物語っているみたい。
 
筆者の、移りゆく季節と彩色へのこだわりが前面に出ていて、それが読む者を引きずり込みます。そのキメ細やかな心と筆力を羨ましく感じました。

前回の中年男の白根山登り、ほんの数行表してありますが、あの風の強さにさぞや惑わされたことでしょう。人は誰でもそんな経験をしているはず。

さて、終着までにまた、どんな景観を写真と文章で示してくれるのでしょうか。
"窪庭流"ドライブの成果を楽しみにさせてもらいますよ。
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