どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム63 『郷愁の月見草』

2014-09-27 00:18:03 | ポエム

  

      マツヨイグサ

     (季節の花300)より

 

   

月の出をひっそりと待つ

か弱き花よ

あなたに抱いたイメージは

竹久夢二の絵の中の少女

 

房総の海岸で待ち合わせた

浴衣の少女は

一人民宿を抜け出し

薄暮の浜でさざ波となる

 

遠浅の海で貝殻を拾い

岩陰にひそむ蟹と戯れるのもいい

人目を避けて宵闇を待つ

むき出しの脹ら脛が波を裏返す

 

<待てど暮らせど来ぬ人を

<宵待草のやるせなさ

大正ロマンに憧れるぼくは

朝方しぼんで赤らむ蕊を見つめるだけ

 

妄想は果てしなく夢は儚い

マツヨイグサの色はいろいろ

呼び名も曖昧に風を受けるが

実らぬ恋に似合うのは黄色い月見草

 

  


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2 コメント

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可憐な花 (aqua)
2014-10-04 17:43:02
こんにちは

道端にひっそり咲いている月見草を見ると
やはり竹下夢二のか弱き少女を思い出します

その後 どういう訳か
いのち短し 恋せよおとめ~~~という歌
『ゴンドラの唄』でしょうか?
いつもここだけを
口ずさんでいます

可憐で命の短い花ですね


浴衣の少女
とても好きな表現です
文学はいつまでも年を取らず
瑞々しさが伝わって来るようです


台風がまた来て
今度は関東直撃とか言ってます
嫌ですね~
どうかお気をつけ下さいね



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永遠の思い (tadaox)
2014-10-05 03:35:19
(aqua)様、おはようございます。
月見草の花は、いろいろの文人に取り上げられているようですね。
それほどポピュラーで可憐な花なのに、マツヨイグサの仲間はたくさんあって、色も白やピンクなどイメージが定まらないところがあります。
自分の中では、どうしても黄色でないといけないというこだわりがあり、この詩になりました。

台風はただいま奄美大島あたりを通過中とのことで、関東へは月曜日に接近するようです。
どこにいても安泰の場所はないようで、近頃では火山の心配までしなければなりません。
本命は地震でしょうから、ぼんやりと対策を考えたりしています。
ありがとうございました。
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