瓶コーラの美味しさは この世のすべて
喉から胃に落ちる前に 脳を支配する
脳神経は混乱し 虹色に発光する
鼻の穴からベントする炭酸が 歓喜の涙を道連れする
あの怪物はどこへ行ったのだ
アメリカそのものの魅力は・・・・
薬臭いと毛嫌いした祖母は アメリカを極めることなく
虹色の空でホゾを噛んでいるに違いない
ぼくには瓶コーラの手触りまでよみがえる
エルフの横っ腹から木箱のコーラを引き出し
右手で二本 左手で二本の首をつかみ
ふた箱同時に 店屋の奥まで運んだものだ
瓶コーラよ どこへ行けば会えるのだ
アメリカの魂そのものと・・・・
キャデラックもバーガーも足元にも及ばない
世界を洗脳した 怪物の身震いよ
缶コーラもペットボトルのコーラもいらない
あれらは不完全なものなのだ
製造コストや輸送コストを抑える戦略だろうが
そんなことではアメリカは衰退する
手間ひまかけても 瓶コーラを蘇生させよ
虹色に輝くアメリカを復活させよ
戦闘機や爆弾の代わりに 瓶コーラを突っ走らせよ
理性と欲望をシェイクした怪物コーラで驚愕させよ
(『突っ走れ瓶コーラ』2014/08/26 より再掲)
私も、その怪物の身震いに洗脳された一人です。
虹色に輝いていたアメリカの没落と歩みを同じくして瓶コーラもだんだんと見かけることが少なくなりました。