(新旧の対比が楽しい下町散歩)
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正月休みも最後の1月5日、運動不足の解消を兼ねて浅草まで行ってみた。
ついでに評判の東京スカイツリーも見てみたいと、重い腰を上げた次第。
いま下町が熱いという。
どんどん高さを増すスカイツリーとともに、浅草を中心とした下町人気が沸騰しているらしい。
そんなわけで、この日撮った浅草寺五重塔と、吾妻橋辻から見たスカイツリーの写真を並べてみる。
新旧の対比が、はっきりと見て取れる。
ともに美しい風景だから、訪れる人は皆満足だろうと思う。(アサヒビールのシンボルが妙に似合っている)
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たまたま地下鉄銀座線浅草駅近くで撮った人力車も、それだけで新下町風景に溶け込んでいる。
雷門の大きな提灯は有名で、しばしば映像で目にする。
今回は反対側からの画像を載せてみる。
むかし日本橋で数年勤めたことがあり、小舟町(コブナチョウ)の名前に反応したところもある。
まあ、これも対比のうちと思って並べてみた。
浅草寺の周りは、正月三が日押すな押すなの混雑らしかったが、さすがに五日ともなると人出も落ち着いてきた模様。
子供の頃ここで迷子になり、大泣きした記憶がよみがえる。
どこかの小父さんに慰められても泣きじゃくっていたのだが、父親が現れるまで実に心細い思いをした。
そのくせ、近くの店で食べた<天なんそば>の旨さは大人になるまで覚えているのだから現金なものである。
因みに、当時<天ぷらそば>が海老2本、<天なんそば>は海老1本と決まっていたように記憶している。
ただ、現在そのような違いはあるのだろうか。
関東近在から浅草見物に来たぼくたち親子には、<天なんそば>がお似合いだったことは言うまでもない。
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浅草寺参拝も済み、近くの今戸神社まで歩いてみた。
その途中で寺を二つ見かけたが、その一つは禅寺だった。
名前は忘れた。
ただ、「今戸神社は、まだ先・・・・」という感じの矢印付き案内板が可笑しかった。
勝手な想像だが、きれいに掃き清められた境内の雰囲気から、この禅寺のプライド? が伝わってきた。
今戸神社は、有名な縁結びの神様。
奉納された地蔵さんの数々は、どのような縁によるものだろうか。
良縁を願うたくさんの絵馬にも驚いたが、「招き猫」発祥の地が今戸との説明書きもあって、ここにも新旧の対比を感じたわけ。
地蔵の縁起と、「招き猫」の現世ご利益的信仰の間には、どこか相反するものが横たわっている。
その一方、人間が抱える大いなる矛盾を、懐深く受け入れる社寺の偉大さに気づかされる。
西欧から見れば、理解しがたい曖昧さだが、われわれ日本人はこうした思想、こうした信仰によって生き延びてきたのだと思う。
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もうひとつ、毘沙門天を祀る「待乳山聖天」(まつちやましょうでん)にもお参りをして、久々の下町散歩を切り上げた。
浴油祈祷のルーツと、お札代わりの大根まつりの由来はわからないので、ゆっくり調べてみよう。
ずいぶん歩いたようだが、歩数計では一万歩を少し超えた程度だった。
年の初めに、気分爽快だったのが取り柄か・・・・。
(おわり)
それは遠い昔のことでしょうが、そんな思い出が蘇る下町散歩。
その辺りをいろいろと説いてくれても、やはり幼児のことがチラホラと覗いていいます。
そんな想いの、おとなの散策、してみたいものですねえ。
そうではなくて、未知の場所へも出かけていく積極性を持ちたい。