どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

どうぶつ・ティータイム(121) 『新春の深大寺にて』

2011-01-03 14:32:57 | 行事

      (新春の深大寺にて)


         
   



 人混みは予想どおりであった。

 バス通りはクルマの列で、なかなか前に進まない。

 それでもバス待ちの人を掻き分けて参道に向かう。

 昨年にぎわった「鬼太郎茶屋」に敬意を表して、まずパチリ。

 店内には人があふれかえっていて近づけないから、屋根の上の下駄と壁のキャラクターで我慢しよう。



   



 正門から入ってまず参拝。「今年もよい年になりますように」。

 つづいて<おみくじ>を引いたが微妙・・・・。

 「凶を引くのが一番いいんだ」

 近くにいた若い男女二人連れの一方が、しきりに強調するので「そうかなあ」と思う。

 「・・・・これ以上悪いのはないんだから、あとは良くなる一方だろう?」

 男の子の説明に、女の子が納得したかどうか。

 自分の運勢はそれよりマシなのだから、ありがたく受け入れることにする。

 (齢も齢だし、一歩前のスタート位置をもらったことを喜んで・・・・)



   



 <おみくじ>は、誰にとっても気になるもの。

 別のカップルも、顔を寄せ合って互いの運勢を読んでいる。

 こちらの二人はニコニコ顔だから、きっと<いい卦?>が出たのだろう。
 
 それとも、二人でいれば何があっても楽しいか。

 周囲を幸せにする仲睦まじさであった。



    



 一方、商売一筋、参道の賑わいをよそに、わき目も振らずに蕎麦を打つ若者二人。

 そこだけ、シーンとした空気が張り詰めている。

 なんとも清々しい気持ちになって、帰路に向かう。



   



 深大寺蕎麦を有名にした<湧水>が、目に入る。

 新しく立て札を立てたのは、昨今のフィーバーのせいだろうか。

 いままで気づかなかったのは、こちらがぼんやりしていたからか。



   



 人混みを離れ、自転車でエッチラオッチラ帰り道。

 公園で親子連れが凧揚げに興じている。

 どれも今風のカイトで、日本古来の<奴凧>が見当たらない。

 (望む方が無理か・・・・)

 買ってきた破魔矢を日本凧に見立てて、青空を背景に空高く浮かべてみた。


     (おわり)



 



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2 コメント

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〈窪庭色〉の新春風景 (くりたえいじ)
2011-01-04 18:11:21
あらためまして「おめでとうございます」。
続いて「新年も幸せでありますように」。

深大寺の新春散歩、連続写真で楽しませていただきました。
そして、そこにはやはり〈窪庭色〉が滲み出ているんですね。
目線が鋭いというか、温かいというか……。

ともあれ、本年も文章と写真でいろんな技をみせてくれますように。
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新年おめでとうございます (窪庭忠男)
2011-01-04 23:00:44
そしてコメント第一号ありがとうございます。
近場の初詣で変わり映えもしませんが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
     
写真のテクニックなど、いつも真似をさせていただいています。
これからも、よろしくご指導ください。
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