(新春の深大寺にて)
人混みは予想どおりであった。
バス通りはクルマの列で、なかなか前に進まない。
それでもバス待ちの人を掻き分けて参道に向かう。
昨年にぎわった「鬼太郎茶屋」に敬意を表して、まずパチリ。
店内には人があふれかえっていて近づけないから、屋根の上の下駄と壁のキャラクターで我慢しよう。
正門から入ってまず参拝。「今年もよい年になりますように」。
つづいて<おみくじ>を引いたが微妙・・・・。
「凶を引くのが一番いいんだ」
近くにいた若い男女二人連れの一方が、しきりに強調するので「そうかなあ」と思う。
「・・・・これ以上悪いのはないんだから、あとは良くなる一方だろう?」
男の子の説明に、女の子が納得したかどうか。
自分の運勢はそれよりマシなのだから、ありがたく受け入れることにする。
(齢も齢だし、一歩前のスタート位置をもらったことを喜んで・・・・)
<おみくじ>は、誰にとっても気になるもの。
別のカップルも、顔を寄せ合って互いの運勢を読んでいる。
こちらの二人はニコニコ顔だから、きっと<いい卦?>が出たのだろう。
それとも、二人でいれば何があっても楽しいか。
周囲を幸せにする仲睦まじさであった。
一方、商売一筋、参道の賑わいをよそに、わき目も振らずに蕎麦を打つ若者二人。
そこだけ、シーンとした空気が張り詰めている。
なんとも清々しい気持ちになって、帰路に向かう。
深大寺蕎麦を有名にした<湧水>が、目に入る。
新しく立て札を立てたのは、昨今のフィーバーのせいだろうか。
いままで気づかなかったのは、こちらがぼんやりしていたからか。
人混みを離れ、自転車でエッチラオッチラ帰り道。
公園で親子連れが凧揚げに興じている。
どれも今風のカイトで、日本古来の<奴凧>が見当たらない。
(望む方が無理か・・・・)
買ってきた破魔矢を日本凧に見立てて、青空を背景に空高く浮かべてみた。
(おわり)
続いて「新年も幸せでありますように」。
深大寺の新春散歩、連続写真で楽しませていただきました。
そして、そこにはやはり〈窪庭色〉が滲み出ているんですね。
目線が鋭いというか、温かいというか……。
ともあれ、本年も文章と写真でいろんな技をみせてくれますように。
近場の初詣で変わり映えもしませんが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
写真のテクニックなど、いつも真似をさせていただいています。
これからも、よろしくご指導ください。