どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム185 『瑠璃蝶草と呼ばれたい』

2018-02-17 00:00:19 | ポエム

 

     ロベリア

    (城跡ほっつき歩記)より

 

 

 

  ロベリア この小さき花をロベリアと呼ぶ

  春のときめきを身体いっぱいにあらわし

  色とりどりに咲いて女たちの琴線にふれる

 

  陽光の下 ときおり笑みを漏らし

  隠された多情のサガを風にさらす

  あらたな恋の出現を予感させる瑠璃溝隠

 

  たとえば この花の色はムラサキ

  気まぐれな仲間には青や白

  そして幼さが抜けきれないピンクの震え

 

  ちょっぴり毒を隠し持つルリミゾカクシ

  不良っぽい男に目が行くロベリア・エリヌス

  キキョウ科ロベリア属の脈々たる血の系譜

 

  だけど私はルリチョウソウと呼ばれたい

  日本の蒸し暑さに耐えて可憐に咲くのだから

  ムラサキシジミ蝶のように瑠璃蝶草となって舞いたい

 

  

 

  

 

(注) キキョウ科ロベリア属(ミゾカクシ属)
属名は英国のジェームス1世の侍医でもあった植物学者ロベール(1538-1616)の名に因むそうです。

 

 

 

 

 

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