火の山
(地震と洪水伝説)
いま、図説「超古代の謎」という本を読んでいる。
ロエル・オーストラ=編、平井吉夫=訳、河出書房新社から1997年に出たシリーズの1冊である。
目次を見ると、スフィンクスの謎、ナスカの地上絵、ノアの箱舟、太古の伝説ゴーレムについての研究が4章にわたって紹介されている。
どの章も興味深い内容だったが、いま僕たちにとって最も身近に感じられるのは、やはりノアの箱舟伝説ではないだろうか。
ここ10年ぐらいで顕著になった異常気象、日本に限らず世界的な被害が毎年のように報じられている。
今年だけ見ても、北米のハリケーン、大竜巻、タイの洪水被害、そして極めつけは我が国の巨大地震や台風による惨状である。
こうした自然災害は、地球上の各所でさまざまに形を変え起こっているが、地球の運動もしくは宇宙の運行に照らし合わせてみると、すべてに因果関係があるらしい。
とくに異常気象と地震は一見無関係のように見えて、そうではないんだと気づかせてくれるのがノアの箱舟に関する伝承である。
折しも今年12月から来年1月にかけて、再びM9クラスの地震が心配されているという話もあり、関心を強めざるを得ない。
いたずらに不安を煽るつもりはないが、日本の太平洋沿岸部はいつどこで地震が起こっても不思議のない状況だと聞くから注意だけはしておいた方がいい。
先の東日本大地震で壊れたプレートが、そのままヒズミの解消と岩板安定につながると考える方がおかしいのだ。
地球は内部からのエネルギーが活発に動いていて、いわゆる活動期に入っているのかもしれない。
ノアの箱舟伝説は、現在の現象とは比較にならないカタストロフィ的地球変動が、1万2000年前にあったことを示しているという説を信じるか信じないか。
つまり、人類はその時代から地球上にあって、わずかに生き残った人々が世界中の各所に類似の記憶として残したのが洪水伝説だというのだから。
スフィンクス
この本ではスフィンクスについても、岩石に見られる浸食ぐあいから現在信じられている建造時代を遥かにさかのぼって考えている。
ピラミットの建造は紀元前2500年頃といわれているが、スフィンクスはそれよりも約1000年も早い遺物だというのだ。
洪水伝説といいスフィンクスといい、そして南米ボリビアのティワナコ遺跡やナスカの地上絵も、かなり古代にさかのぼる。
約1万2000年前に氷河時代を終わらせた地球の大変動と、まったく無関係ではないという。
即ち大陸が移動し、ぶつかり合い、山脈をつくり、火山が火を噴き、氷河を溶かし、洪水が地球のほとんどを水没させ、恐竜たちが折り重なって死んだ時代。
この時のカタストロフィを、縮尺100分の1(?)ぐらいで再現してみれば、なんとなく今回の大地震に思いが及ぶ。
プレートのもぐりこみ、土地の隆起と沈下、火山への刺激、噴火、地震そして津波。
大元は地球内部のマグマが、どう動くかだろう。
宇宙の運行とも関係して、今後のことは神のみぞ知るというところか。
にわかには信じられない説に満ちた本だが、日本のウガヤ・フキアエズ朝といった超古代文明の存在も語られるわけだから、現在の学説を鵜呑みにするのも躊躇される。
まあ、三夜ばかり、古代と現在を行ったり来たりした次第。
そして、自然・天地の発する信号に耳を傾けなくちゃ・・・・と思ったのだった。
(おわり)
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子供のころから何となく知らされていた伝説的な話なんでしょうが、未だに正体が分かりません。
次いで貴プログを読ませてもらった後に、富士山の恐ろしさを推測するようなテレビ番組を観てしまいました。
結局、恐ろしい推測だけで実相や正体は分からずじまい。
こうして思うと、今昔、古今東西、われわれは危うい地球上に乗っかっていて、いつ襲うかしれない自然災害におののいて生きているようなものかもしれませんね。
勉強家であられる窪庭さんが果敢にもその解明に努めている様子がうかがえます。
東日本大地震のあと、富士山のふもとで起きたM6クラスの地震で噴火しなかったのが不思議なくらいと言われれば、誰でもぶったまげますよね。
でも、危うい地表に乗っかっているだけと思えば納得じゃないでしょうか。
コメントありがとうございました。