
「紅葉の軽井沢から大戸関跡まで」
先々週だったか、週央に長野・群馬の端っこをひとめぐりしてきた。
今年の秋は暑かったり寒かったり季節の変化が緩慢で、中途半端な気温の高低差のせいか、劇的な紅葉を見ることはできなかった。
もっとも、こちらも紅葉の追っかけをやっているわけではないから、最盛期を見逃した可能性もある。
いや、たぶん時期を失したはずで、ほんとうはもっと美しい景観にめぐり合えた人もたくさんいるに違いない。

というわけで、会心の写真ではないが、秋の風情がちょっぴり味わえる画像を探してみた。
始めの二枚は、星野リゾートの横を抜ける細道から別荘地を見降ろしたもの。
ときおり旧式のベンツが停まっていたりして、なんとなく絵になる場所である。
ここからロマンチック街道を経て、北軽井沢の我が家に至るルートは、日常を離れ身も心もリラックスできる特別の空間である。
肺に入る空気まで軟らかく、細胞がしっとりしてくる気がする。

ちょっとご無沙汰すると雑草に覆われる畑越しに、隣地の紅葉が目に映る。
わずか一、二本の紅葉だが、常緑樹のなかではひときわ艶やかだ。
一泊とんぼ帰りの忙しい日程では、これもまたありがたい眺め。

草津の温泉につかって、一気に新道を突っ走る。
八ツ場ダムの周辺道路は、渋川や高崎に抜けるルートをことのほか便利にしている。
無駄遣いに文句言いつつ、有料道路以上の高速道を無料で走っているのだから、われながら恥知らずかも?
雁が沢で一般道に降り、郷原から右に曲がって榛名に向かわずまた右へ。

突き当たったところにあるのが大戸の関所跡。
国定忠治が処刑された場所である。
巷間に流布されている話は、おおむね講談用に仕立てられたものだそうである。
人殺しに関所破り、体制側に立てば極悪人だが、ほんとうはどうなのか。
美化しすぎるのも困るが、決めつけるのもどうかと思う。
先日の集中豪雨で崖崩れするほどの山道を抜けると、倉渕、室田を経ていよいよ高崎市内に入る。
ここまで来て、まだ半道。いやいや家までの距離のやっと半分ということ。
高速に乗るか一般道で行くか、その日の気分次第、混みかた次第。
秋の気ままなドライブでした。
(おわり)

その後も別の親分との抗争、そして役人の追及逃れの関所破り(大戸関・碓氷関)と、生涯安住の地はなかったようです。
一口でいえば、まるで西部劇を観ているよう。
捕縛され、江戸での取り調べののち大戸関に移送され、磔の刑を執行されたそうです。
西部劇ならさしずめ「縛り首」ですが、忠治は「磔」槍ぶすま。
バックに音楽が流れてきそうです。