カタクリ
(城跡ほっつき歩記)より
カタクリは地上のスティーヴン・ホーキング
天窓をみつめて宇宙の夢を見つづける
夜が明けると周りは緑の渦に囲まれ
彼を支える家族や友人が漂流しはじめるのだ
カタクリの葉のまだらは星雲の妖しさ
始まりも終わりも見定められない時間の概念に
ホーキングは時空の特異点をピン留めした
あらゆる真理は卓越した仮説によって覆される
カタクリの花は内気そうに下を向いているが
実はお茶目で好奇心のかたまりなのだ
友人の誰よりも早く女の子をゲットし
むらさきのマントで気を引く伊達男になる
人は証明できない理屈に可能性を視る
科学者は侮辱するか熱烈な信奉者のどちらか
ホーキングは幸運にも天才に位置づけられ
ケンブリッジを空の高みにまで押し上げる
筋萎縮症もジェーンの献身も暗黒の中の輝き
ブラックホールから漏れ出す光こそ宇宙の謎
カタクリの地下茎が良質のでん粉を産むように
神は人知れず始まりを創造したのかもしれない
神は天の支配者という前提がいやなんだ
ホーキングだからこそビッグ・バン理論がよく似合う
宇宙のすべてを説明するたった一つの方程式を
そろそろ見つけなければならないが・・・・
カタクリは地上のスティーヴン・ホーキング
博士を支えるたおやかな献身が重力に撓う
等しく美しいふたりの女性は聡明すぎはしないか
愛の姿はたった一つの方程式で証明できるのだろうか
<参考>=『博士と彼女のセオリー』は、 2014年にイギリスで製作された伝記映画で、理論物理学者のスティーヴン・ホーキング 博士と彼の元妻であるジェーン・ホーキングの愛の物語でもある。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます