さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

パブは人種のるつぼ

2011年05月04日 | 英国

 ニューカッスルではひとつの通りに何軒もパブが並んでいて、それぞれいろいろな特徴を持っています。

 ヘイマーケットにあるThe Percy Armsというパブには、とりわけ変人が集まってきます。明らかにキ印が独り言をいいながら出たり入ったり、奇怪な行動をとっている。また別のキ印は、手当たり次第に他の客に手品(?)のようなものを見せて回ります。同席していた友人が、そいつが電車の中で同じ行動をしているのを見たと言っていました。このパブが彼のフランチャイズなのでしょうw

 また変な目つきをしながらマリアナを吸っている奴もいます(英国では、少量の所持は見逃すのです)。明らかにラリっている車椅子の男もいます。よせばいいのに車椅子ではしゃいでグルグル回り、ドシンとひっくり返って、店員に「帰って寝ろ!」と言われていましたが、まったく聞いちゃいませんでした。障害者も自然によく見かけるのです。

 あるパブでは、週末で混んでいるというのに異様に静かでした。ちょっとあとで気がついたのですが、みんな耳が聞こえない人たちなので、手話でやりとりをしていたのです。

 また別のパブでは、ずっと缶に入ったマリアナを手で巻いて吸い続け、踊ったり喚いたりしているのもいました。あるとき座席はスーツの男性、上品なドレスの女性、カジュアルな若者やホームレスのようなのもぎっしり詰まっていて、わたしはその真ん中にいましたが、ドラッグに酔った男が、突然ウォッカのようなきつい酒を口に含んだと思ったら、ブワっと豪快に噴き出しました。私を含め、周囲の数人は頭からそのシャワーを浴びましたが、驚いたことにみんな笑っているのです。私はすぐに帰って体を洗い、服はクリーニングに出しましたけれど…。

 英国のパブは、むかし労働者階級が入るパブリック・バーと、上流階級の人間が入るサルーン・バーに分かれていましたが、最近はもうその垣根はありません。だからいろんな人種のるつぼなのです。ネクタイをした人の隣に、ずっと洗濯してないような服の人がくっついて座っていたりするんです。明らかにティーンエイジャーもいるし、赤ん坊を連れた母親もいたりします。

 とあるパブでは、微妙な雰囲気の女性たちが座っており、男性客に声をかけて交渉をしている。公娼なのでしたー(^益^; ちなみに、交渉が成立すると外に出て行き、道端で「行為」をします。。。 この女性たち、トイレに立つ度に飲み物を持って入ります。なんでだろ(?)、と思っていたら、隙を見せると飲み物に何か入れられる心配があるからだそうです。大変ですねェ。。。

 Crows Nestというパブでは、週末は音楽が大音量でかかり、ダンスホールみたいになったりします。生後何ヶ月も経っていないような赤子が乗ったベビーカーもたまにいます。めちゃくちゃに混んでいて、耳をつんざく音楽とむせかえるようなタバコの煙の中に赤ちゃんがいるのです。その母親軍団は、酒を飲みながらアバの「ダンシング・クイーン」がかかったときには、大声で歌いながら踊り始めましたw(゜゜)w 英国のパブは、誰のものでもない、あらゆる人間のためにあるのです。

*最近はパブも全面禁煙になりました。ある意味で健康的になりましたが、これもまた文化のひとつなので、寂しいところもありますね。



 さてみなさん、驚かないで下さい。この赤い印が、全部パブなのです。ニューカッスルはそれほど大きな街でもないのに、これだけあるんですよー(これだって一部なんですけどw)。たまげるのはこの密度ですね。よくもまあ競合できるものです。それだけ恐ろしいほどのニーズがあるということなのですよ。