この日の夜は、シュターツオーパーで「カルメン」です。何か月も前から切符をとって
いたのです。ついにこの日がやってきました。この建物の正面を見て、「あれっ。
入り口はどこ?」って思いますよね。でっかい正面口が開いているかと思いきや、
ややはじのほうの木のドアを自分で開けるのでした…^^;
中に入るとこんな感じです。一階の平土間席なので、このためにジャケットやら
ネクタイやらを持っていったのですw
こういう建物の風格も「社交場」という雰囲気を醸し出しています。
席は一階8列目の中央やや右。素晴らしい席です(^益^)b
バルコニー席で優雅に飲み物でも飲みながら見るのもいいでしょうが、ま、今回は
(も?)ひとりですしw
休憩時間中には、飲み物に加えてこんな軽食もあります。ちょっと食べてみたかった
けれど、スパークリングだけにしておきましたー。
さて肝心のオペラのレヴュー。ほぼ満席であるにもかかわらず、わが隣は二つ開いて
おり、ひとつ左に動いて両サイド空席というラッキーなシチュエーション。
指揮のダン・エッティンガーは意外と若い。30代?カルメン役のリナ・シャハムは
カルメンを当たり役にしておるようです。確かにラテン系の美人でスタイルも良く、
我儘で気が強く情熱的で魅惑的というカルメンはこういう人でないとね。演技も
巧かった。そこは9点。ただ声量がいまひとつ。。。ドン・ホセもエスカミーリョも
それぞれ10点満点中7点でした。唯一ミカエッラのアニタ・ハルティッヒの声が
素晴らしく今回の最高点。カーテンコールではカルメンやドン・ホセを抑えて圧倒的な
大拍手。観客の反応も厳しいのはさすが本場を感じる。
ゼッフィレッリの演出はどうか。日本で見たゼッフィレッリ演出、スカラ座の「トゥーラン
ドット」はあまりの豪華絢爛さに度肝を抜かれたが、まあ「カルメン」はそういうものでも
ないしね。カルメンがホセを誘惑する物語の最初の山場では、たくさんの取り巻きが
カルメンに「お目当ては誰なんだ?」と迫る瞬間、しばらく全員がマネキンのように
固まって、舞台の一番左にいたカルメンだけが動き出し、一番右にいるホセに想いを
歌い出し、両サイドの二人だけが浮き上がって動く演出は印象的でしたが。
オペラは歌い手、オーケストラ、指揮者、演出家、それに加えて素晴らしい劇場が
すべて集約されて出来上がる壮大な舞台。ホント贅沢な一夜でありました(^益^)b
舞台がはねたあと、地下鉄やバスに乗っては興ざめ。興奮を少しずつさましながら
夜の通りを散歩しながら帰るのがいいですね。ついカルメンの鼻歌も出てしまう^^;