さて天草へ渡ります。天草は熊本の西にある島ですが、もう50年も前に橋がかかって車で
行けるのです。なので熊本の交通センターからバスで一直線なのですが、まずは電車を
使います。私の旅のポリシーは、まず電車、しかたなくバス、根性で徒歩、あれば自転車
も使う、という優先順位ですから。
しかしなあ、電車だと終点の三角港まで。世界遺産に登録された建物や、そのあと天草に
渡るバス停があるのは三角西港。その間は歩いて1時間ほどか。ま、不便でものんびり
行くかー。例によって新幹線が出来たせいか、在来線のホームは0番線ときたもんだ。
この路線、なんか「A列車で行こう」とかいうオサレな企画車両が走っています。
特別料金を払い、ハイボールが飲めて若い客室乗務員が記念写真を撮ってくれるとか。
便利な時間帯に走っているわけだが、わざわざ避ける。風来坊ひとりじゃねwww
この普通列車で僻地まで行くのですが、それでも中国人観光客がちらほらいました。
席は向かい合わせの狭い4人掛け。となりのボックスに若い青年と母親の中国人親子が
やってきました。そしたら、母親のほうはこちらのボックス、俺の隣に座りました!
隣の青年は向かいの席に荷物を置き、ひとり悠々と座り、俺の隣の母親と話している。
ふつーそうするか?中国語で「サンスー」と言っていたので、ああ、三角まで行くのね、
とわかりがっくり^^;
三角駅はオサレな造りで十字架が立っており、まるで教会みたい?
港に面したとんがりコーンは、ぐるぐる歩いて上に登る展望台です。
時間はたっぷりあるので、上に登ってみました。ほとんど人はいませんが、それでも
中国人グループが観光をしていました。
ちなみに30度をゆうに超えています。日差しが痛いくらいです。西港まで1時間歩くのは
かなりきついな、と思ってバス停に行ってみると、10分後にあるではな~い~かっ!
バス到着の直前に、若い中国の(台湾とか香港などの可能性もあるが)お嬢さんがキツイ
香水の臭いをプンプンさせて、無言で「三角西港」のパンフレットを見せる。母親は
後ろに立っていた。行きたいのであろうと察して、英語で「いまバスが来るところだよ」
と教えてやる。
すると「シークルーズ」とつぶやく。「観光船が出るところは知らないよ。駅のなかに
観光案内所があるから、そこで聞かないと。でもバスはいま来るところだぞ」と教えて
やったが、そのままバスに乗った。最後まで礼どころか言葉なし!
バスの中では、他に客がいないのに、お嬢ちゃんは俺の前に座りやがる。下品な化粧品の
臭い、香水の臭いは何より嫌いなんだが!しかしいったん座った席を変えると嫌がって
いるのがわかる気がするので、なーんか我慢するはめになりました。。。
というわけで、バスで楽して三角西港に到着。臭いねいちゃんにつきまとわれないように
さっさと歩き出す。こちらの建物は、復元されたものですが、元ホテルの「浦島屋」。
いかにも明治時代に建てられた洋館という感じですよね。
一階はカフェになっており、二階はいろいろ展示品が置いてありました。
おう、ラフカディオ・ハーンが来たのかー。彼はこの地を絶賛したらしいです。
おととしは彼が熊本で住んでいた家を訪ね、昨年は出雲、そしてギリシャでつながりが
ありました。そして今年になって青梅で「雪女」の舞台の話に遭遇。行く先々、あちこちで
ハーンと接点がある私なのです。
彼はアイルランド人の父とギリシャ人の母との間に生まれ、アイルランド、英国に
育ってアメリカで就職し、日本にやってきてこちらでお嫁さんをもらいました。
こういうコスモポリタンな人生、いいねえ。