夕方5時になると、ロープウェイが終わり、下界とは切り離された標高2600ⅿの世界。
後ろの宝剣岳の向こうに日は沈み、はるか下界には稜線のシルエット。
まもなく暗くなる時間になりました。
ロープウェイのガタコトいう運転音が消えると、山はものすごく深い静寂に包まれます。
普段は騒音でいっぱいの都会に住んでいると、こういう完全な静けさにはとても遠ざかって
いたな、と改めて気づきます。音のない世界に癒される。
この日は20人ばかり泊まっていたようです。お食事はなかなか立派。酒を飲んでいたら、
頭がズキズキしてきました。そりゃあ昨夜はだいぶ飲みましたが、翌日の夜になってから
二日酔いになるわけはない。飲んでいて頭が痛くなるなんて??
実は寝るときになってもっと頭痛がひどくなり、結局ほとんど眠れず。ハタ、と気づいたのが
高山病。一気に2600ⅿまで登ってきましたからね。調べてみると、標高2500ⅿを超えると
4人にひとりが高山病になるそうです。症状は頭痛で眠れなくなるって、そのものですー。
夜に外に出て星空を見ました。雲が流れて星が見えたり隠れたり。でも雲海の上にきれいに
見えている時間もありました。北斗七星と北極星などがよく見えましたよ。ちなみに地平線に
近い所の星もよく見えたのが印象的でした。だって普通、低い位置は明るくて星がよく見え
ないでしょ?真っ暗なら、本来天空のドームいっぱいに星が見えるはずなんだ!
しばらくすると、満月が煌々と輝いて、そのおかげで星がよく見えなくなるというアクシ
デント(?)。これは計算外でした。でもこの画像、雲海に月の光が当たっていて、それは
それできれいでしょ。