小出の朝を迎えました。駅へ行く途中に魚野川を渡ります。これは谷川岳から流れて
きて、まもなく信濃川に合流して日本海に続きます。
方向から言って八海山かな?
旅館のチェックアウト時間から列車の時刻まで1時間ほどあるので、喫茶店を検索
したら、ひとつはやってませんでした。グーグルマップに「営業中」とあるのに
閉店しているのはありがちです。駅近に食堂があり、そこは喫茶もやっているので
入ってみました。おばーさんのワンオペ。ふたりきりなのでしばらくおしゃべり。
旅の話や東京の話、こちらの雪の多い生活の話になり、そして昭和レトロ好きなことが
わかって盛り上がってきたのですが、まもなく列車の時間がきてしまいました。
「楽しかったー」と喜んでくれましたよ。
さて上越線で山越えです。
湯沢までは谷あいの盆地を行きます。実はこの翌日に大雪で、猛吹雪でホワイトアウト
したというニュースを見ました。喫茶店のおばーさん大変だったろう。「1年のうち
5ヵ月は雪に埋もれてる」とこぼしていましたからね。
この次の日に一面が真っ白になり、4月までは銀世界なのです。
列車は谷川岳を山越えしていきます。山を登るとき線路はぐるりと回ります。
どうなるんだろ?
ここからぐるりのはずだ!
するとずっとトンネルで真っ暗! そりゃそうだ。。。
ぼうっとしていると、気がつかないうちに山越えが終わってしまいます。歩いて行く
ときは大変な難所だったわけだが、列車に乗ってしまえば苦も無く反対側にw
ここは水上です。反対側の列車に乗り換え。この時期だから乗客も少ないですが、
観光の季節には乗り換えのときに席を確保するためにみなさん走っていくとかw
ホームに立っていると、向かいの壁におさるさん。見えますか?真ん中の上のほうです。
猿は群れですから、ゾロゾロとグループが通過して行きました。
なんかこっちをちらちら見ていましたよ。
顔の赤いやつと、あんまり赤くないやつがいるんだな。どっちのほうがモテるとか
あるのかな? カワイイ小さな子供もいました。
「小出」と聞いてすぐに日本のどこなのかわかる人は少ないかもしれません。
「魚沼」と聞けばコシヒカリ、新潟の米どころだな、とわかるかもしれませんね。
アーケード街は人っ気がありません。酒場を探して歩く。
しばらく行って一本裏の道に行くと、このように少し繁華街っぽくなってきた。
ここに入ることにしましたー。
長く風呂に入って長く列車に乗って来たので、ビールが旨いぞ。
ちとボケてしまいましたが^^; ここは新潟。地酒がズラリとあって飲み比べ
セットで選べるので、左から「雪蔵」、「緑川」、「魚沼で候」をチョイス。
この3日間、会津の酒を飲み続けてきたので、どれを飲んでも新潟は・・・_| ̄|〇
新潟出身の友人が「新潟の酒はどれもこれも全部まずいですよ」と言っていたのを
思い出す。スミマセン、これは個人による感想ですから。しかしこれだけ味わいが
ガラリと変わるもんだな、只見線の西と東は!
手前は馬刺し。スミマセン、これも会津のは極上でしたので。。。刺身は内陸部
なので贅沢を言ってはいけません (´-ω-`)
消去法で「魚沼で候」を改めて頂きました。繰り返しますが、会津で最高峰の酒を
飲みまくった直後ですから、その落差はしかたないんです。イケメン俳優の映画を
見た直後に俺を見れば誰だって・・・爽やか青年の大谷君を見たあとで俺を見れば
誰だって・・・ということなんです。
こういうときはバーに行くべし。基本地酒ではなく、世界中の酒が置いてあるはず
ですからね♪
感じのいいご夫婦がやっていました。お、まだシャインマスカットのカクテルがある。
飲んだことのない「長濱」が目についたので注文しました。琵琶湖の北に醸造所が
あるそうです。2本あって、どっちにしようか相談したら、ハーフで飲み比べさせて
くれるということで、少しずつテイスティング♪
伊那のバーで飲んだ「嘉之助」があるので、こちらも2種類飲ませて頂きました。
田舎で人通りも少ない場所で、なかなか立派なオーセンティックバーです。
秋田のバーで「山崎ボルドーワインカスク」を飲んで以来、ワインの香りがする
ウィスキーにはまっていますが、その話をすると「アードベッグ アンソロジー
ザ・ハーピーズ・テール」という酒を勧めてくれた。これはスモーキーさを特徴
とするアイラ島のウィスキーですが、それがなんと甘口の貴腐ワイン、ソーテルヌの
樽で13年寝かしたというもの。こりゃあ~飲んでみたい!
ドライ&スモーキーなきつい香りと、甘いデザートワインの香りの融合。いつも
厳しくてコワイ先輩が、いきなり笑顔でやさしい言葉をかけてくれたような?
もしくは地味でおとなしい女の子が、ある夜妖艶な服で現れて、足がちらりと見えた
とか?その落差の融合が魅惑的なのです。
すっかり酔っ払って夢ごこちw 十分に堪能してお支払いのビルを頼んだあとで、
マスターが「これを是非試して・・・」と出して来たのがAnamorhic。説明は
アードベッグのファンクラブHPより転載。
「アードベッグ アナモルフィック」は、最高蒸留・製造責任者ビル・ラムズデン博士の奇想天外な発想による、カスク・チャーの風味の限界を押し広げる大胆な実験から生まれました。アードベッグの伝統的なバーボン樽からカスクヘッドを取り除いた後、トーストする過程でより多くの木材を露出させるために樽を深く削り、その後“ハイ・モカ”と呼ばれるほど樽を激しく焦がし、アードベッグのスピリッツを充填させます。その結果、スウィート、スモーク、ハーブ、スパイシーという4つの風味の次元を行き来するかのように移り変わる、“4D(4次元)”な味わいが生まれました。
これぞスモーキーなウィスキー、アードベッグを愛する人の新次元な体験。
マスターの奥様は「あらあらw」と言いながら、もう一度請求書を書き直したのでした。
幸せに酔っ払ってフラフラと宿に帰りました。知らない町で、道に迷うことなく
無事生還できました。
太陽は山の向こうに隠れてしまいました。
橋梁を渡る度に轟々という音に眠くなってきた目が覚める。
只見川はいくつものダムに堰き止められて、まるで湖のように川面が鏡のよう。
これはこれできれいな景色だし、川の氾濫・災害がなくなるわけですが(さらに
大がかりな公共工事で関係者には大金が落ちる)、流れは淀んで水は汚くなるん
ですよね。魚もいなくなる。
急に明るくなりますが、これは逆光だからです。
お、雪山だ。
重要文化財級の家ですねー。
只見駅で10分停車。ここらあたりで日が落ちて、暗くなって外は見えなくなり、
本を読んで少し寝ました。。。
まもなく終着です。
ついに小出に到着し、只見線コンプリート。降りた乗客もまばらでした。
駅から街に向かっていくとかなりのシャッター街。
お宿は少し寂れた旅館。風呂は共用でしたがあまり期待はできないし、朝は温泉宿の
風呂に入り、そのあと昼間につるの湯で3時間ほどゆ~っくり入り、明日は昼に
小野上温泉の日帰り温泉に入る予定なのでやめておきました。もうすっかり暗くなって
いるので早速酒場に繰り出そう。
会津川口駅で30分停車をしたあと(笑)、ふたたび列車は西に向かって走り出す。
この立派な家はいま無人? もったいないなあー。
どれも大きな家。3世代で住んでいたのでしょうねえ。大人数で暮らす家に、お嫁に
来たら大変だったろうなあ。。。
またもやダム。車内でアナウンスが入り、列車は少しスピードを落としてゆっくり
見せてくれました。この沿線、いくつもダムがありますね。
右の建物、傾いて膝をついた感じです。
こういう集落の人々、どういう仕事をして暮らしているのかな。
うわー、立派! まわりの家と離れているし、夜でも大音量で音楽が聴けるなあ。
実はこの翌日、大雪が降って視界もなくなるほどだったというニュースを見ました。
おそらくは1日で雪景色になったことでしょう。
「鉄道*絶景の旅」という番組が好きです。前のシリーズの峠恵子さんナレーションの
ときのファン。こういうところを列車が走っている映像はとっても素敵ですが、
乗っていると列車は見えないからなあー。
まもなく日没です。
おっ、白鳥?
優雅ですねェ。
つるの湯で十分すぎるほどまったりしたあと、ふたたび只見線の早戸駅に戻って
きました。朝の9:24にやってきて、次の列車が14:39!東京の我が家の最寄り駅は
毎日2~3分おきに10両編成がやってくるのに慣れて感覚が毒されているからなあ。
日が短い季節なので、もう太陽がすっかり傾いてきたぞ。
きたきた♪
しばらくは只見川に沿って列車は走ります。
山村の集落は立派な建物が多い。まもなく雪に埋もれるんです。
川を渡るたびに鉄橋の轟々いう音が迫力。
おっおっ? 何やら砂利を積んでいるぞ。あとで川の真ん中で重機が川底の砂利を
すくっていました。でどこかに運んでいくのでしょう。
そして会津川口駅に列車は到着。アナウンスが「発車の時刻はお待ちください」という。
ちょっとして、「30分停車」とおっしゃる。30分!?
「駅の外の左側に進むと、きれいな水洗のトイレがありますからご利用ください」と
親切なアナウンス。ほぼ乗客全員が外に出ました。
駅前には立派な薬屋の建物。特に何もない駅前でした。
除雪車がありました。列車の本数が少ないので、大雪が降ったら除雪は大変そう。
乗客を乗せる列車が5時間も空いたりするので、もしかすると除雪車のほうが
ひんぱんに運行しているとか?
うしろの席の若者2人が臭いのかなりする食べ物を食べてうるさいので、少し離れた
席に移動。空いててよかった♪