
しかし、逆に急激に寒くなった為に多様な樹種の紅葉が一斉に始まり、黄色から真っ赤までのグラデーションが山林や街路樹を彩る『錦織り』の情景が各地で見られました。北海道などで春の花が一度に咲き始める美しさと同じようなことでしょうか。千里山でも団地や駅ホームなどの桜並木に混じり、真っ赤に色づいた楓の木枝や銀杏並木が美しいアクセントになり、例年にも増して堪能させて貰いました。
さて、今日の雨に千里山では紅葉がほとんど落ち、木々の梢が寒空を覗かせるようになりました。この季節になると僕はレオ・バスカーリア作の『葉っぱのフレディー─いのちの旅─』の物語を思います。何年か前にこの寓話が一大ブームとなった時は読まなかったのですが、昨年神戸の「人と防災未来センター」を訪れた時に、館内でアニメーションになったものを見て心に残りインショップで一冊買い求めました。
いのち在るものは全てが一枚の葉っぱと同じで、何時かは朽ちていくものですが、大きな営みの中で継ぎのいのちへと繋がっているということが、こころの深みに静かに落ちてくる季節です。