一党独裁政治による人権や情報の制限や統制、チベット・新疆ウイグル・内モンゴル自治区などへの侵略や抑圧、そして毒入り餃子や偽ブランドなどの産業信頼性の欠如、人民の健康や国土を蝕む過酷な環境悪化、SARSや鳥インフルエンザなど不衛生な生活環境から生み出される新型疾病への恐怖、周辺国やグローバルな地域との資源摩擦など、数え切れない重大な問題を抱え今後どうなっていくのかと、世界中が固唾を飲んで見守っているといった感があります。
市場経済の社会主義体制への移植以降続いている高度経済成長と、世界の中で占め始めている大きな影響力などから、「21世紀は中国の時代」などと言われ今後もその勢力の伸張を説く人々も多いのですが、以前から歴史や文化など多様な要因から中国の崩壊を既定事実のように考えている有識者もいて、僕など一般の生活者は非常に判断に迷うところです。
ただ現在は少し中国にとって悲観的な方向に向かっているのではないかと感じるようになっています。状況というものは刻一刻と変わっていくものです。「Japan as No.1」などと持て囃された日本と、その直後に待っていたバブル「崩壊」への変化の目まぐるしさは僕らが経験したところです。時期や直接の引き金は分かりませんが、大動乱や大乱が近い将来に起こっても不思議ではないと思われます。もちろん日本にも大きな影響があると予想されています。
この夏休みにそのような「崩壊」的な視点で書かれた本を2冊読みました。長谷川慶太郎さんはソ連の崩壊を正確にいち早く予言した熟練の経済アナリストで、黄文雄さんは台湾出身で日本在住の博識な著述家です。
もう一冊は関西テレビのニュースなどで熱い解説に触れることが多い青山繁晴さんが、中国と周辺アジアの関係を独自の情報ネットワークに基づき論じているものです。
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※ 上の本の内容は次の本に含まれています。
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![]() | 中国の大動乱が日本に押し寄せる―繰り返す中華の歴史法則 黄 文雄 徳間書店 このアイテムの詳細を見る |
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