愛知県豊田市が4月9日から5月29日を会期として開催を予定していた、「ジョルジョ・モランディ展」が中止となったと今朝のNHKニュースが伝えていました。福島原発事故を懸念した海外での風評被害が、外国人観光客の五割減にまで及んでいることを中心に、遠く離れた(と日本人は想っている)愛知県に作品群を送り出すのも、放射能汚染の怖れありと警戒する欧米の意識を現していると想われます。作品毀損のための保険が掛からないという背景があるようです。
2年前の今頃に作った『Rainy』という僕のオリジナル曲にも、2番の歌詞に「雨降る日に開く画集は Giorgio Morandiの薔薇の絵が好き くすんだ色の光と影が わたしの心に触れていくの‥‥」という詞がありますが、豊田市は吹田市からそんなに遠くでもないので鑑賞に訪れるのを楽しみにしていました。
また夕刊ニュースでは、関西の魅力をアピールしてきたことで倍増していた、豪華客船クルーズの大阪寄港予約もキャンセルが相次ぐ事態となっているようです。大阪港振興協会では震災現場からは800キロも離れており放射能の影響は無いと、正確な情報発信を地道に続け理解を求めていくしかないと答えていました。
確かにどこか別の国で同じような事故が起こった場合にも、事態が落ち着きを見せ安定するまでは出来るだけその国や地域に旅行するのは控えるようにという政府のお達しが出ると想われます。それでも出掛けるという者には“自己責任”という言葉で心理的プレッシャーが掛けられることもあり得ます。
そういう状況で未だ50%の旅行者は日本に来てくれている、ということを有り難いと想う方が良いのかも知れません。その外国人を大切に持てなし安全に満足して帰って貰うことが、その風評被害を挽回していく早道なのではないでしょうか。