最近テレビでも宣伝されて話題の映画『阪急電車 片道15分の奇跡』ですが、当然のことながら阪急電鉄の沿線情報誌『TOKK』でも出演者のスペシャル・インタビューが載っています。
主演の中谷美紀さんは、先週パート2が始まった江戸時代にタイムスリップするTBSドラマ『JIN-仁』にも、主人公の現代の恋人と江戸末期の花魁の重要な二役をつとめていて、今や人気と実力を兼ね備えた女優さんの一人です。
今回は親友に婚約者を寝取られた腹いせに、その結婚式にウェディングドレス姿で嫌がらせに行くため、宝塚南口駅から阪急電車に乗り込むというかなり無理のある設定です。その役に対して「こんなことがもしあったら誰でも考えることだと想いますが、それを実行する人は先ずいないでしょう。今回の役で自分が演じることで皆さんに替わって願望を果たすことに、女優としての醍醐味とやり甲斐を感じます」というような感想を述べています。虚構としての映画や小説の一つの在り方、そして演技への姿勢を体現する言葉だと思いました。
ロケが行われた「アンティークでとても素敵」な宝塚ホテルのことを、「美味しいイチゴのショートケーキ」に例えています。また阪急電車の「小豆色の車体がエレガントで、内装も可愛らしくレトロ、座席シートが抹茶色で車内の壁は黄粉色」なところがまるで和菓子のようだと、東京にも走らせて欲しいというほど気に入られたようです。スポンサーの阪急電車を少し持ち上げ過ぎと言うなかれ、素晴らしくセンスの良い表現で沿線住民ならずともファンになってしまいそうです。
【追記】『日経エンターテイメント』9月号によりますと興行収入は11億円で、予想外の人気となったようです。やはり普通の日本映画は関西での収益が25%であるのに対して、この『阪急電車』はその70%が地元の関西地域での上がりということです。