続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

M『透視』

2021-12-17 07:25:39 | 美術ノート

   『透視』

 画家が絵を描いている。
 明らかに妙なのは、鳥の卵を見つめながら、成鳥を描いていることである。

 卵が時間を経て成鳥になることは既知の事実であるが、ここには二十一日プラスの時間の空白(経過)があり、画家は見えていない景を描いている。
 既存の事実を描いているという循環、学習されたデータ(概念)は正しい、が間違っているという二つの事実を含んでいる。

 見えない時間・・・キャンバスは時を待たず前に倒れこむ。明らかに斜めに傾いており、しかもイーゼルに乗っていない(浮いている)。
 モチーフである卵はテーブルの傾きにより転がり落ちるのは必至である。

 画家の顔は落ち着き払っており、次(時間)の展開など予期しない表情である。次の展開を目の当たりにしたなら驚嘆、狼狽に変わるはずであるが、絵の中の時空は止まったきりである。

《時間のずれ》を停止した画面にとじこめた時空の奇妙さ、静かなる(虚偽の景)である。


『飯島晴子』(私的解釈)ひとかどの。

2021-12-17 07:07:20 | 飯島晴子

   ひとかどの蕪畑となりにけり

 ひとかど(一角)はイツ・カクと読んで、逸、核。
 蕪畑となりにけり(蕪畑成)はブ・ハタ・セイと読んで、捕、将、成。
☆逸(隠れている)核(物事に中心にある部分)を捕(とらえる)、将(もしかすると)成(ある状態になる)。

 ひとかど(一角)はイチ・カクと読んで、市、拡。
 蕪畑となりにけり(蕪畑成)はブ・ハタ・ショウと読んで、部、旗、招。
☆市を拡(広げて大きくする)。
 部(区分けし)、旗で招(まねき寄せる)。

 ひとかど(一角)はイツ・カクと読んで、溢、獲。
 蕪畑となりにけり(蕪畑成)はブ・ハタ・ショウと読んで、豊、羽太、小。
☆溢(いっぱい)獲(とらえた)豊(たくさん)の羽太(食用魚)は小さかった。


賢治『序』10。

2021-12-17 06:29:55 | 宮沢賢治

           孔雀が居たとおもひ
 新進の大学士たちは気圏のいちばんの上層
 きらびやかな氷窒素のあたりから
 すてきな化石を発掘したり
 あるいは白亜紀砂岩の層面に
 透明な人類の巨大な足跡を
 発見するかもしれません

☆講(話)を惹きつける拠(より所)の芯(中心)は真の諦(真理)であり、楽(心が和む)死の記を兼ねている。
 常に総てが平(平等)という質(内容)である。
 粗(おおまか)に化(形、性質を変えて別のものになる)で釈(意味を明らかにする)。
 撥(調整し)屈(強く)迫り、亜(二番目)の記を査(明らかにする)。
 頑(かたくなに)総て綿(細き長く続いている)問いである。
 冥(死後の世界)を認める累(より所)、怙(頼りにする)諦(真理)、即ち積(つみ重ねた)法(神仏の教え)に現れる。